その後の二人。【前編】(DDFF/R18)

この記事を読むのに必要な時間は約 15 分です。

フリオニールはライトニングの手を取って手袋を外し、手の甲に唇を寄せた。ジャケットのベルトと胸元の金具を外し、前をはだけた。丈の短いニットの裾からはほっそりとしたウエストに腹筋がうっすらと透けた腹と可愛らしい臍のくぼみが現れた。
短い茶色のスカートのベルトを外し、臍の下にある釦を外すと、ライトニングは自ら腰を浮かしてそれを脱ぎ捨てた。
フリオニールは丁寧に右腕の飾りも外した。こんなものがあってはライトニングの身体中にキスがしたいのに邪魔だからだ。
ニットとスパッツだけになったライトニングを横たえようとして、ライトニングがそれを制した。
今度はライトニングがフリオニールのシャツを脱がせる。逞しい身体がライトニングの目の前に露わになると、胸骨の辺りから臍にかけてゆっくりと指を滑らせ、すぅっと目を細めた。
その柔らかな表情が愛おしくて、フリオニールはライトニングの頬に唇を寄せ、キスをした。ライトニングはくすぐったそうに首をすくめ、フリオニールの首に腕を巻きつけ、フリオニールごと仰向けにベッドに寝転がろうとするが、身体ごと崩れ落ちそうになるのをかろうじてフリオニールは踏みとどまる。
「ライトは行儀が悪いな。」
「なんでだ?」
「まだ靴を履いたままだ。」
「脱がせてくれ。」
ライトニングが右足フリオニールの眼の前に差し出した。フリオニールは足ごと抱え、その形のよい膝小僧にチュッと音を立てて口づけた。ライトニングがくすぐったさに思わず足を引こうとしてもフリオニールはがっちりと足を掴み、それを許さない。
「んん…っ…フリオニール、くすぐったい…!」
膝頭に舌を這わせながらフリオニールはゆっくりと片方のブールを引き抜いてベッドの下に放り投げた。ライトニングがもう片方の足をフリオニールに差し出し、フリオニールは同じようにブーツを脱がせてベッドの下に転がした。
そうして目の前に現れた可愛らしくきゅっとまとまった足の指先にもキスをした。
「ずっとここにキスしたかったんだ。」
「いつからだ?」
フリオニールは笑ってそれに答えない。ただ、目的を達したことで満足気にニコニコと笑うフリオニールが可愛いのでライトニングはその行為を止めないでおく。足の爪先に唇が触れる度にくすぐったくて足がぴん、と跳ねる。何度か口づけて、キスしたいのはそこだけではないとフリオニールは思い出し、改めてライトニングをベッドに横たえた。
すぐに唇を合わせないで、上からじっと見つめる。いつものライトニングなら「早くしろ」と言わんばかりに後ろの束ねた髪を引っ張るのだが、今はそれをせずフリオニールを見つめ返す。
ライトニングの瞳からは優しい光が溢れだしていた。いつものそれは、ライトニングの強がりのフィルターのお陰で封じ込められているものだが、今は開放され、ただただひたむきにフリオニールへの想いを伝えてくる。
「ライト…きれいだ…」
思わず口に出て、フリオニールは慌てた。
「え…っと、そうじゃなくて…でも、本当に…たまらなくきれいだ…」
ライトニングはふっと笑みを浮かべフリオニールの頬に手を添え、
「お前は知っていたか…?」
「…?…何をだ?」
「お前も…きれいだ。」
「俺が…?」
それは女性に言う言葉じゃないのかと首を傾げるフリオニールだったが、さっきのライトニングが口にした”フリオニールの好きなところ”を思い出して耳どころか肩まで赤くなる。
ライトニングがくすくすと笑う声が耳に心地よい。それだけで彼女がいつもは幾重にも張り巡らせている心の殻の全てを外してしまっているんだとフリオニールは確信する。
フリオニールはライトニングの眉間に口づけた。そうしてまた見つめ合う。それだけで胸がいっぱいになる。ライトニングが瞳を閉じた。見つめ合う時間は終わりだと、フリオニールはライトニングを抱きしめ、その唇に自分のを重ねた。
隙間なくぴったりと唇と唇を合わせる。
「ん……」
ライトニングの鼻にかかった声が漏れる。それに誘われてフリオニールは柔らかな唇を割って舌を滑り込ませる。舌先でつるりとした歯を撫でると、ライトニングはすぐにそれを受け入れた。舌と舌を絡めると、それだけで頭がぼうっとなって多幸感がこみあげてくる。ライトニングは夢中でフリオニールの舌を追うと、それはすぐに捕らえられ、強く吸い上げられた。
「ぅ…ん…」
ライトニングがきゅっと切なげに眉根を寄せる。その表情にフリオニールの身体は下腹部を中心にカッと熱を持ち始め、それが瞬く間に全身に広がった。
フリオニールはニットの上からライトニングの胸を揉みしだくと、もう片方の手でファスナーを下ろした。ファスナーの間からのぞく白い胸元が薄暗い部屋の中でほんのりと光る。フリオニールは鎖骨の辺りにキスをしながらファスナーを下ろしきり、今度はライトニングの背中とベッドの間に手を忍び込ませ、ブラジャーのホックを片手で器用に――もっとも最初はこんな小さな金具を見たことがなくて手間取ったのだが――外してしまう。
邪魔な物を全て取り去ろうとしてフリオニールはふと手を止めた。
「…どうした…?」
フリオニールはまじまじと脱ぎかけのライトニングを見つめているのだ。
「いや……脱ぎかけてるのって…色っぽいな…」
「…は?」
そんな風に言われるとさすがに恥ずかしい。ライトニングは思わず胸元を腕で隠そうとするのを、フリオニールはその両手首を大きな手のひらでがっちりと掴み、頭上に縫い付けてしまう。
ライトニングのブラジャーはレースなどの飾りが一切ついていないとてもシンプルな物で、素材は伸縮性に富んだ柔らかい物だ。フリオニールはそれをまくり上げる。
露わになったまろやかな頂にはまるで果実の様な小さな突起がぴん、と立ち上がっていた。
「…フリオニール!」
ライトニングはフリオニールの手を振りほどこうと暴れるが、ぎゅっと掴まれた手首は微動だにしない。
「きれいだな…」
そんな風にまじまじと見つめて、心の底から賞賛しないで欲しい。
「フリオニール…離してくれ…」
「ごめん。もう少し…」
「今まで何度でも見てるだろ?」
「今までは…その、直視出来なかったから。」
ライトニングは目眩を覚える。
(あれだけすることをしておいてか…?)
会話の合間もフリオニールは目を逸らさずにうっとりとライトニングの胸を見続けている。
「じゃあ…お前はずっと目を閉じていたのか…?」
「ずっとじゃないけど…暗い所でないと、とてもじゃないけど目が開けられなかった。なんだか照れてしまって。」
言いながら、フリオニールはその胸に顔を近づける。
「フリオニール、まずは手を離せ。」
「離したらライトは隠してしまうだろ?」
「隠さないから、一旦手を離せ。」
我ながら何を押し問答しているのだろうと、少々情けなくなる。
「無理だ…だって、すごく…うまそうだ…」
フリオニールの言葉に肌が泡立った。それは蹂躙の始まりを告げる前触れだ。フリオニールは本当に果実を食むようにライトニングの乳首にそっと歯を立てた食んだ。
「…っ…あぁ!」
ライトニングがびくりを背を仰け反らせた。それに気をよくしたフリオニールはそこをさらに舌先で転がしたり、押し込んだりする。じん、と痺れる様な感覚が湧き出てきた。そこだけの刺激で未だ触れられてもいない秘所までもがじぃんと甘く痺れてきて、もう蜜が流れて来た。
フリオニールがそこをなぶる、ぴちゃ、という音がたまらなく淫猥に聞こえる。
「…あっ……ん…、フリオニール…!」
ライトニングは拘束から逃れようと身もだえた。そのせいでもう片方の乳房がふると揺れるのに、フリオニールはライトニングを手首を掴んでいた片方の手を離し、手のひらで覆う。
「あっ…あぁっ……」
さっきライトニングが褒めた大きな手のひらと長い指は片手だけでもライトニングの細い両手首をやすやすと封じ込める。中途半端に着衣を乱されたまま、フリオニールの左手は胸を掬い上げ、やわやわと揉みしだき、右側の胸は口と舌で右の敏感な突起を責められ、ライトニングは零れる嬌声を噛み殺すことが出来ない。
「う、っ……ん、あぁっ……」
思うままそこを蹂躙し、さすがに手が疲れたのかフリオニールは漸く手を解いた。くったりと身体のちからが抜けてしまったライトニングの背に手を入れて少し浮かせると、暴れたせいで背中の下でくるくるに丸まってしまったニットとブラジャーを腕から抜いて脱がせた。
ライトニングは無意識に腕を交差させ、フリオニールの固い胸板に頬を寄せる。フリオニールは長い腕を伸ばし、フリオニールはまだ肩で息をしているライトニングのスパッツを薄い下着ごと脱がせた。
全て脱がされた後、何故かライトニングはホッとしてフリオニールを引き寄せた。すぐにまたキスされたが、ライトニングはそれに溺れることなくフリオニールの下腹部に手を伸ばした。もう固く起立しているそこを、ライトニングは優しく撫でてやる。
「うっ…」
すぐに声が漏れてしまうのもライトニングは良く知っていて、さっきの仕返しとばかりに服の上からその形に沿って手でしごいてやる。
「んっ…んんっ…」
はぁはぁと息をして、苦しげに眉を寄せ、ライトニングを見つめるその表情にゾクゾクする。
フリオニールのパンツの紐を解き、ずらせて脱がせるとその雄が勢い良く飛び出して来た。きまり悪そうにしているフリオニールの上になり、さっきのお返しとばかりにずっしりと重く熱を持ったそこをしごき上げる。
フリオニールはたまらず、ライトニングを強く抱きしめ、しゃにむに舌を絡めて唇を吸い上げる。ライトニングの手がフリオニールの剛直のくびれた部分を親指の腹で擦ってやると、肩に顔を埋めてくる。
「っ…ふ、ライト…」
大きな身体と手の中のしっかりと勃ちあがっている物の逞しさと裏腹に、子供みたいに湿った吐息でライトニングの名前を呼ぶその仕草が幼く思えて。
ライトニングは身体をくるりと入れ替え、フリオニールに伸し掛かりながらそこを擦り、しごき続ける。唇へのキスは届かなくなってしまったのでフリオニールの強靭な胸板に口付ける。と、目の端にぷつんと立ち上がった乳首が目に入った。女性のものとは比べ物にならないほど小さな物だが、ライトニングは試しにそこに、さっきフリオニールがした様にそっと歯を立ててみた。
「ふわっ……ら、ライト……っ!」
フリオニールがびくりと身体を跳ねさせたのに気を良くしたライトニングはそのまま続けようとしたのだが、フリオニールが慌ててライトニングの手を制して身体を離していまった。肩で大きく息をしているフリオニールにライトニングは少し不安げだ。
もう達してしまいそうだったのだろう。ライトニングが喉を鳴らして笑うのがフリオニールは面白くないらしく、むう、としてライトニングを組み伏せた。勢いで白いシーツにライトニングの薄紅色の髪が花のように広がった。
「…さっきまで”手を離して”って可愛かったのに…」
「今のお前もなかなか可愛かったぞ。」
「可愛いって…男に言う言葉じゃない。」
「私からも聞きたいんだろ?お前のどんな所が好きか。」
「これは…ちょっと…違うだろ?あ!ライトは色が白くて…いい匂いがして…!」
突然何を言い出したのかと思ったが、どうやらそうやってライトニングを褒めれば彼女が照れると思ったのだろう。ムキになって一生懸命褒め言葉を探していたが、ライトニングの顔を見てひらめいたようだ。
「そうだ…笑ってる顔だ。」
フリオニールは大きな手のひらでライトニングの頬を包み込んで真上からその整った顔を恍惚と見つめる。
「笑ってる顔…俺だけに見せてくれて…うん、好きだな。大好きだ。」
そう言ってライトニングの鼻に自分の鼻を擦りつけてくる仕草は仔犬のようだ。そんなフリオニールの言葉も振る舞いも愛おしくてしかたがないのだが、せっかく興が乗って来たお楽しみが中断したままだ。
「お前に見せるのは、笑っている顔だけじゃないだろう?」
目を閉じて、唇を少しだけすぼめて誘ってみる。
「そうだったな…」
フリオニールは素直に応じる。キスをした時にうっとりと瞳を閉じている顔や、目尻を朱に染め嬌声を張り上げている顔、さっきみたいにフリオニールにいたずらする時はお姉さんぶった表情を作るのだ。
「……俺だけだ。」
ライトニングの唇は真っ白な皿に乗せられ、フリオニールにだけ捧げられた果実のようだ。フリオニールはその味を確かめるかの様にその唇をぺろり、と舐める。
(やっぱり…甘くて、柔らかくて…)
唇を重ね、呼吸の間を縫うようにしてフリオニールの舌は生き物のようにライトニングの口内の奥まで潜る。歯の裏をなり、舌の裏側をくすぐる。
新たに与えられた情熱的な口づけは、とろ火の様に穏やかっだったライトニングの身体の熱を一気に燃え上がらせる。
「ぅ…んっ……」
二人の身体に挟まれていた乳首の位置をフリオニールはすぐに探り当て、爪の先で軽くひっかくようにしてやると、ライトニングのフリオニールにしがみつく腕に力がこもる。
「……はぁ……、あ……」
フリオニールの手は次第に大胆に動き始める。胸の柔らかさを手のひらで楽しむ様に揉みしだく。
「……ぁ、……っ……」
ライトニングの声が漏れ始めると、その先端に再び唇を寄せて優しく口にふくんだ。舌先でつついてみると、フリオニールの柔らかい舌を押し返すほどぴんと張り詰めている。舌の先端を鞭のようにしならせてそこを転がし、歯で引っ掻いてやると、ピリッとした痺れるような快感にライトニングの身体がびくびくと跳ねる。
「あ…っ…フリオニール……」
「”フリオ”だろ?」
フリオニールが耳元で甘えるように囁く。それだけで腰の奥のほうが熱く疼いて身体がとろける。
「……っ、ん……っ…そ…う、呼ばれたい…のか…?」
囁く間もフリオニールの指はライトニングの胸の先端をなぶり続けている。すっかり息が上がってしまったライトニングが息も絶え絶えに尋ねると、フリオニールはそうじゃない、と顔を横に振る。柔らかい毛先が一緒に揺れてライトニングの肌をくすぐる。
「ライトが俺にしか見せない顔をする時だけだ。」
そんな甘えん坊な言葉を吐いたその口で、ライトニングの耳たぶを淫らに舌先でねぶり、耳の奥もも舌先が忍び込んできてかき回す。
「はっ、あぁっ!…フリオ…、フリオニール!」
ゾクゾクとした痺れが背筋を駆け巡け上がり、ライトニングはフリオニールのがっしりとした肩口にしがみつく。
フリオニールの唇は耳から首筋へと下りてきて、ライトニングの白い首筋や喉に口付け、時折吸い上げて紅い跡を残す。きゅっと目を閉じ、”フリオ”と短く呼びながら髪をくしゃくしゃにかき乱す様が、フリオニールの情欲をますます炊きつけた。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32