その後の二人。【前編】(DDFF/R18)

この記事を読むのに必要な時間は約 14 分です。

ライトニングは自ずから膝を開き、フリオニールはその間に身体を滑りこませた。手に己のものを添え、ライトニングが愛液を垂らすそこにゆっくりと押し込んだ。
「――あ、…っ」
フリオニールの首に回した腕にぎゅっと力がこもる。ライトニングは眉をぎゅっと顰め、大きく息を飲み込んだ。猛りきったフリオニールの楔がじわじわと押し入ってくると、ぞくぞくとした感覚が肌の上を走り、その後でざっと鳥肌が立った。
「だめ…だ、フリオニール、もっと……ゆっくり……」
「ライト……」
フリオニールの声も掠れている。
「君こそ…頼むから…そんなに…しめつけないでくれ…」
「あ、…喋る…な、…っ…」
私のせいにするのか、と文句を言おうとしたが、それ以前にフリオニールが声を出した時に身体を伝ってくる微かな振動にすら、ライトニングは感じてしまって。
フリオニールはライトニングの様子を注意深く見守り、彼女の身体の強張りが緩んだ隙を見て、自らをゆっくりと押し進める。ライトニングは意識していないのだろうが、続けざまの絶頂でさんざん焦らされた膣内はまるで全てを絞りとる勢いでフリオニールの雄に絡みき、彼女自身の思惑とは裏腹に早くフリオニールに激しく突いて欲しいときゅう、と締めあげて誘っているのだ。そんな誘惑にフリオニールもこれ以上耐え切れるはずもない。いたずらにこらえても苦しいだけで、このままだと二人とも達してしまうのはあっという間だろう。
「…ライト……」
「ん…ん、…っ」
ライトニングは返事すら出来ないようで、フリオニールにしがみつき、身体を震わせてフリオニールの熱がもたらす受け止めきれないほどの快楽に耐えていた。
「ごめん。」
「…なん……て…?」
「一度、終わらせる。」
フリオニールは大きく息を吐くと、ひと息にライトニングの最も感じる場所をぐっと貫いた。
「あ、あぁっ、はぁっ…………あっ――っ!」
ほんの一度突き通しただけなのに、ライトニングは悲鳴を上げてフリオニールの背中に爪を立てて掻きむしり、激しく身体を痙攣させた。
「うっ…わ、……ライト……っ!」
温かい愛液で満たされやわやわと蠢いて締め付けてくるライトニングの蜜壺に、今までにない程大きく膨らんでいたフリオニールの雄も、絡みつく肉襞を振り払う様に暴れ回り、怒涛のごとくにその熱をライトニングの最奥に放った。
二人の繋がった所からはおびただしい体液がシーツに滴り落ち、しっかりと抱き合った身体では流れたお互いの汗が交じり合う。二人の体で濡れていない箇所はもうどこにもなかった。
フリオニールもライトニングも、ただ、はーっはーっと肩で息をして大きな息を吐き、声を出すことすら出来ないでいた。さっき水を与え合ったというのに、もう喉がカラカラだ。
「あぁ……ん……っ」
それでも尚、ライトニングの秘部は絶頂の余韻で妖しく蠢いている。思い出したかのように身体がびくびくと跳ね、フリオニールにしがみつく。
達すれば達するほど、快感は身体の中を駆けまわりそれはどんどんと蓄積されていくようだった。ライトニングはフリオニールの首筋に鼻先を擦りつけて甘え、いつまでも途切れない快楽の余韻にその身を任せていた。
ライトニングの火照った身体が徐々に冷え、呼吸もいくばくか落ち着いた所で、フリオニールはゆっくりと身体を離し、未だ繋がっている腰をゆっくりと引こうとした。すると、ライトニングが自ら腰を進め、それを押しとどめる。
「?……ライト……?」
「…お前は、まだ満足していないのだろう…?」
ライトニングが気怠げに起き上がろうとするので、フリオニールは背中に手を回しそれを助けてやる。二人は繋がったまま向き合って座った形になった。
「…私は…何度も……なのにお前は…」
確かに2度射精をしたと言っても、一度はライトニングの戯れで、二度目のは挿入しただけだった。ライトニングを満足させる事に重点を置いたせいで、フリオニールの欲望は置き去りになった形だ。
「俺はもう充分だ。」
「ウソを言うな。」
みだらに収縮を続ける膣圧に、萎えかけたフリオニールの雄は少しずつ滾り始めているのにライトニングはとうに気付いていたのだ。
「それでも、今日はもういい。君は疲れてるはずだ。」
長い長い一日だった。一度に色んなことが起こり、ライトニングも疲れているところに、無茶をさせ過ぎたとフリオニールは反省していたところだったからだ。
ライトニングはフリオニールの方に体重をかけてベッドに押し倒し、結果、フリオニールの身体の上に跨った形になった。
「ライト…!」
フリオニールが抗議の声を上げるのに、ライトニングは少し身体を前に傾け、真上から顔を見下ろし、指先をフリオニールの唇の上に置いた。何度もキスをしたせいか、厚ぼったい口唇がいつもよりしっとりしていて、柔らかくなっていた。
「さっき、お前だけしか見えないようにしたいと言ったな。」
「…それは…」
「だったら……私を満足させてみろ。」
指は口唇から顎、首を伝って下へ下へと下りてくると、胸骨の辺りで左に折れ、小さな突起に触れる。
「…ぅ…っ」
達したあとで敏感になっているのはライトニングだけではない。フリオニールもそこに触れられ、それだけで小さく身体が跳ねた。
高圧的な物言いではあるがライトニングの指は優しく、見上げると表情も柔らかい。宿代と、調査を頼んだ情報が届く日数をフリオニールは頭の中で計算し、明日一日は部屋でゆっくり休んでも問題ないと結論づけ、ライトニングの意向に沿うことにした。
ライトニングはゆっくりと腰をくねらせ始めた。自分の胎内にまだ収めたままのフリオニールをそうやって、やわやわと刺激する。意識的に締め付けたり緩めたり、腰の動きに緩急をつける。
だが、時折自分も感じてしまうらしく、はぁ…と大きく息を吐いて動きを止めてしまうのだ。
今も、フリオニールの腹の辺りに両手をついて、肩で息をしている。
「ライト…」
思い切りいやらしいのに、なんともいじらしくもあり、ひどく健気でもあると同時に、その欲望に果てがないようにも見えて。この感動をどう言えば良いのだろう?
「すごく…きれいだ。」
結局、いつも通りの言葉しか言えない。それでも、ライトニングが顔を上げ、笑顔を見せてくれた。くしゃくしゃになった髪は額や頬に張り付き、顔は汗と涙でベトベトだ。だが、薄紅に染まった頬と熱で火照ったしなやかなその身体、腕の間から覗く張りのある形の良い乳房、ほっそりとした腰、そして下腹の更にその下は、フリオニール自身をしっかりと咥えこんでいる秘裂が淡いばら色の茂みの奥に見え隠れしているのだ。
「今まで見て来たライトの中で…一番、きれいだ…」
その言葉にライトニングは目をすぅっと細めた。長い睫毛は涙を含んでいて、ライトニングが瞬きそする度にきらりと光る。フリオニールは恍惚とした表情で半身を起こし、左の肘で身体を支え、右腕を伸ばし、ライトニングの形の良い乳房に手を伸ばし、さんざんなぶり、少し赤くなってしまった乳首にそっと指先で触れた。
「あ……っ…」
その仕草に呼応して、ライトニングの胎内がきゅっと締まる。ライトニングはフリオニールを咎める様に、自分の胸を愛撫する大きな手に自分の手を重ねた。
これがフリオニールが主導権を取り戻す発端となった。
愛おしさと、自分が思うままにライトニングを攻めたいというエゴイスティックな気持ちが同時に湧き上がった。
「あぅっ……!」
突然フリオニールが腰を突き上げ、ライトニングは大きく身体を仰け反らせた。汗が散って、白い喉が露わになり、きれいな半球をした乳房がふるっと大きく上下に揺れた。
「あんっ!あぁっ!…はあ、ぁぁっ!」
そのまま下かが激しく突き上げられ、フリオニールの雄の先端はいつもよりももっと深い場所まで貫き、抉る。
「あぁぁっ!」
ライトニングはこらえ切れずフリオニールの身体の上に崩れ落ちた。フリオニールは結合が浅くならないように心持ち腰を持ち上げ、嬌声を張り上げるライトニングに構わず突き続ける。
「あぁっ!…フリオ…っ!」
ライトニングが身体を密着させたことで、敏感な肉芽をフリオニールの陰毛が擦る形になり、ライトニングはまたもや最も敏感な箇所2箇所を一度に責められ、
「フリオっ!あぁっ!あぁ――っ!」
度重なる絶頂の瞬間がライトニングの思考を圧倒し、もういつが絶頂なのか、そうでないのか分からないままフリオニールの名前を叫び続ける。
「っ…、ライト……」
ライトニングの反応に、フリオニールも昂ぶり、強く腰を突き上げる。
「フリオ、フリオっ…!ぁあああっ!ああああああ―っ!」
繋がった所から何度目か分からない快感が嵐が巻き起こったかの様にライトニングをもみちゃにする。その嵐が去らないままフリオニールは自らを一旦ライトニングから抜くと、うつ伏せにし、腰を抱え、猛ったままの男根を、その欲望のまま背後から突き刺した。
「っ…!ぁぁあああっ!フリオっ…!」
フリオニールは弓のようにしなったライトニングの背中に口づけ、そのまま思う様突き、抉り、かき回す。
「ん…っ!ぅんっ!…ぁっ!フリオっ!あぁ―っ!」
「ライト……すごい……君の中…熱いくらいだ……」
激しい律動に圧倒されながらも、その言葉がうれしくて、ライトニングは腰を突き上げる様にしてよりフリオニールを深く受け入れようとする。
フリオニールの雄は2度も放ったあとなので、なかなか萎えることを知らず、とうの昔に限界を越えてしまっていたライトニングにとっては凶器のようだ。脳が焼きつく様な快楽を果てしなく与え続け、何度も気を失いかけては起こされを繰り返した。
「いっ…い、……あ、フリオ、…もっ…と…っ…!あぁっ!もっと…っ!」
ライトニングは自分が何を口走っているのか分からなかった。髪を振り乱し、はしたなく腰を振り、フリオニールの雄を貪る。そのことで、
(お前の…不安が少しでも…軽く出来るなら…)
”…俺だけしか、見えないようにしたいって思ったんだ。”
(何を…思っている……)
肩越しにフリオニールを振り返ると、目が合った。フリオニールはくるりと身体を入れ替え、正常位に戻ると、ライトニングにめちゃくちゃに口付ける。
「…フ…リオ……」
苦しい息の下で、愛おしい恋人に呼びかける。
「そ…ば…に、居る……」
がくがくと身体を上下に揺すられたたまま、必死でうったえかける。
「わ…たし、を……離す……な……」
「ライト……」
フリオニールも限界なのだろう、苦しげな顔でライトニングを真上から見下ろす。
「…約束する。」
ライトニングはその言葉に安心し、口唇を突き出す。激しい腰の律動と、口腔をを舌で蹂躙され、なんの予兆もなく繋がった下肢の奥で快感が弾けた。
「は…っ!…ぁあ…っ…ん……っ…」
全身を快感の奔流が駆け巡り、ライトニングはフリオニールに腰を押し付ける様な姿勢のまま身体をこわばらせ、高く高く昇りつめた。フリオニールが漸くライトニングの蜜壺の最奥に吐精したのを感じ、そのまま意識を手放した。
************
ライトニングは眠りに落ちても無意識にフリオニールを探し、ぴったりと寄り添ってくる。そんなライトニングを抱きしめ、フリオニールは額に口唇を落とす。
穏やかな寝顔に、ひどくし過ぎたのではないかという不安は去ったが、それでもフリオニールの表情は複雑だった。
フリオニールの好きな所を、いつもみたいに恥ずかしがって目を伏せて、ではなく、真っ直ぐに瞳を見つめて話してくれたライトニング。
心の殻を取り、素顔を見せ、甘えてくれたライトニング。
辛いのに、自分を受け入れて無理をしてくれたライトニング。
どのライトニングも、思い出すだけでますます愛おしさが深まるばかりだ。だが、フリオニールの心に新たに湧き出た疑念を思うと、素直に喜べないのだ。
「…ライト…」
フリオニールは眠っているライトニングに話しかける。
「さっき、言おうとして言えなかったことを言うよ。」
ライトニングの様子を見ると、深い眠りに落ちているようで、何の反応も返さない。
「さっき、君が怒って遮ってしまったけど。」
フリオニールが話そうとしているのは、女槍士とその恋人の話だ。
「そうだ。女槍士の恋人は、記憶なんてなくったって、彼女をすぐに好きになったと思うんだ。でも、その内気が付いた。彼女が、自分の中に、記憶をなくす前の自分を探していたことに。」
フリオニールはライトニングの寝顔を見つめる。愛おしさと苦しさが同時に沸き起こって胸が詰まる。
「俺の知らない俺は、俺にとっては他人も同然だ…異世界での俺は…どんな風に君を愛したんだ?どんな風に君に愛されたんだ…?」
情けないが、切なさに涙が出そうになる。フリオニールはそれを堪え、もう一度ライトニングの額にキスをした。
「俺の恋敵は、俺自身なんだ。…おかしな話だな。」
フリオニールは、らしくない、と苦笑いを浮かべる。
「君は…”俺は俺だ”と言ってくれているのにな…」
頬に張り付いたライトニングの髪をそっと耳にかけてやる。
「傍に居るって言ってくれてるのに、俺、なんだか女々しいな。」
この不安は皇帝を倒せば消え去るのだろうか。
倒したとしてその先は?
フリオニールはライトニングの言葉の通り、少しでも長く一緒に居られる日々を願うしか出来なかった。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32