その後の二人。【前編】(DDFF/R18)

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唇を塞ぎ、柔らかな舌に舌先で触れ、そっとくすぐってみる。ライトニングが遠慮がちに応じてくるのが、これはいつものセックスではないのだとフリオニールに思い知らせるようだ。情熱とは違ういくつもの嘘を隠したキスだ。いつもの様な幸福な感じはしない。それでもライトニングが自分の腕に首を回し、優しく舌を絡めてくるとぽっかりと空いた穴がほんの少しだけ埋められるような気がした。
フリオニールはライトニングのニットのファスナーを下ろしきり、前をはだけると下着の中に手を潜り込ませ、優しく揉みしだいた。ライトニングの眉がきゅっと寄せられ、塞いだ唇の奥の喉に息が吸い込まれるのを感じる。
フリオニールは中指でぷつんと立ち上がったライトニングの乳首をきゅっと押し込んで、そのままの指先で転がしてみる。唇を塞がれ、声の逃げ場がなくてライトニングが小さく喉を鳴らしたのが悩ましくて、いつもの様にもっと感じさせたい、そう思う。
フリオニールは片手でライトニングの背中のブラのホックを器用に外し、それをたくし上げ、顕になった乳房を寄せ、右側を舌でなぶり、吸い上げた。
「ぁ……っ……」
同時に反対側を左側を親指の腹で擦り、転がす。
「あ……はぁ……っ」
つんと尖った胸の頂が舌のぬるぬるとした感触と、指で擦られるピリピリとした刺激を同時にもたらす。それらはライトニング身体に徐々に熱を与え、柔らかく蕩かしていく。ライトニングの手が優しくフリオニールの背を撫でた。いつもなら時折ふざけて背中をくすぐったりするのだが、今はそんな悪ふざけは鳴りを潜めている。
(…声も…控えめな気がする…)
身体を伸び上がらせて細い首筋にキスをし、舐め上げるときゅっと身体を縮めるのが可愛い。首に何度も舌を這わせ、時折耳たぶを噛み、息を吹き込むとライトニングはいやいやと首を横に振る。その動きに合わせて胸がふる、と揺れる。
(本当に…きれいだな…)
もう口には出せないでいた。何度このことでケンカになったのだろう。フリオニールは右手でライトニングの顎を優しく捕らえた。すると艶やかな唇がうっすら開く。フリオニールは即座にその隙間から舌を差し入れた。ライトニングは瞼を閉じて大人しくそれを受け止める。
左手は変わらずライトニングの胸を愛撫している。すくい上げるようにしたり、食い込んだ指で形がぐにゃりと歪むほど揉みしだいた。声と吐息を満足に吐き出せないライトニングがが顔を歪ませるが、彼女がそうされるのが好きなのはフリオニールにはよく分かっていて。
苦しい息の下でも互いに舌の表面をなぞり、絡め、唇と唇を唾液が何度も行き来し、混ざり合った。息苦しさにライトニングが少しだけ胸を押し返してくると、フリオニールはすぐにそれに応えて息ができるように隙間を空けてやる。その隙間からどちらのものか分からない唾液が唇の端からライトニングのほっそりとした顎につたって落ちた。
「んっ……あ、あ……」
さすがに苦しいだろうと唇を解放してやると、ライトニングははぁはぁと荒い息のまま胸を上下させた。大きな背中に回ったままの腕が少しでも離れたくないとフリオニールを引き寄せる。
フリオニールは請われるままライトニングの首筋に顔を埋め、白い喉をそっと吸い上げて跡を残した。別れ際に何かを残したくて無意識の内の行為なのだろう、いつもなら睨みつけてくるライトニングだが何も言わなかった。ライトニングもフリオニールの堅い首筋に軽く歯を立て、跡を残す。ろくに目を合わせられなかった2人だが、漸く顔を見合わせ、微笑み合った。
だが、フリオニールはすぐに表情を曇らせ…そしてそれを見られまいとライトニングの胸に顔を埋め、胸への愛撫を再開した。舌が鞭の様にしなり、そこからじんじんと甘い疼きがわき出してくる。
「あ……ぁあ……」
フリオニールはそこで漸くライトニングがまだ衣服を身につけたままだと気付き、はだけたニットを肩から抜き、胸の上でくるくるとまくり上げられていた下着はライトニングが自分で外した。そうしてフリオニールが着たままのローブをはだけると、フリオニールはそれを自ら脱ぎ捨て、ライトニングのレギンスと下着を引き下ろした。ライトニングは膝を立ててフリオニールがそれを脱がせやすいように手助けをしてやる。
胸を腕で覆い、太ももをを交差させ、恥ずかしいところを隠そうとするライトニングを見下ろし、フリオニールはその腕を解いてシーツに押し付けた。いつもなら額と額を合わせて笑い合って、鼻と鼻をくっつけあって、それからキスをするのだが、どうしても出来ない。ライトニングはそれを察したのか、身体を起こし、フリオニールを引き寄せた。フリオニールをはライトニングの頬にキスをし、そうして漸く2人の始まりの儀式をしたのだった。
キスをしながらフリオニールの手がするすると胸元から胸骨をなぞり、下腹へと伸びてきた。いつもより性急なのは、このままだと感傷に押し流されて何も出来なくなってしまいそうだからだ。そうなる前に行為に没頭してしまおう。お互い頭が空っぽになるほど乱れてしまえば余計な事を考えずに済む。
(…そうだ…これ以上は…)
指を柔らかい茂みの奥に滑らせ、秘められたところをなぞるとちゃんと愛液が溢れていてフリオニールはホッとした。何度か指を滑らせて濡らしてから、先端の小さな肉芽をそっと撫でた。
「んっ……!」
ライトニングはか細い声を漏らし、きゅっと首を縮めた。フリオニールに身体をすり寄せ、漏らした熱い吐息がフリオニールの胸をくすぐった。フリオニールが中指でぷくりと膨れてきたそこを優しくなぶるとライトニングに息がどんどん上がる。時折指を会陰のあたりに滑らせ、愛液に浸しては感じやすいそこになすり付け、時には花びらを中心に円を描くように撫でるとライトニングは陸に上げられた魚のように口を大きく開け、声をもらさずにあえぐ。唇がわななき、身体が小刻みに痙攣している。
言葉が要らないのか言葉が意味がないのか分からなかったが、行為の最中にフリオニールがきれいだと何度も繰り返すのも、ライトニングが感じ入ると”フリオ”と呼ぶのも、どちらも聞かれず、ただフリオニールの息遣いと、ライトニングの喘ぎ声だけが部屋に響いていた。
フリオニールは身体を抱きしめていたライトニングの身体に潜り込ませるようにして、胸の先端に歯を立てた。
「あっ…あ…、フリ…オ…っ!」
遂にライトニングの喉からフリオニールの名前がほとばしり、胸元にあるフリオニールの頭をぎゅっと抱きしめて身体をびくん、びくんと跳ねさせている。
「あ……はぁ……っ」
肩を大きく上下させ、ライトニングは抱きしめたフリオニールの頭を離さない。ならばと、フリオニールは口の中でまるで熟れた木の実の様に赤くなっているであろう乳首に唾液を塗り込めるようにして愛撫を始める。達してまだぴくぴくと蠢いている小さな花芯の上をごく弱い力でそっとひと撫でしてやる。
「やっ!……あぁ……っ」
ライトニングは思わず太ももをぎゅっと締め、フリオニールの手の動きを封じようとするのだが、フリオニールはそれをものともせずに執拗にそこを責める。
「あっ……そこ、は……」
「…知ってる。」
端的に答え、悶えてしがみついてくるライトニングをそのままに、フリオニールは可愛らしく勃ちあがったそこの側面を優しく擦ったり、根元から先端に向けてゆりゆると撫で上げる。たったそれだけの動きでずきん、と痛みにも似た強い快感が下半身から瞬く間に全身に広がり、フリオニールのわずかな指の動きはいとも容易くライトニングを支配してしまう。
「んんんん――――っ!」
ライトニングはフリオニールにしがみついたまま身体を大きく何度も波打たせた。
「ああっ!ああっ!」
あまりにも強くしがみ付いてくるのでフリオニールは窒息しそうになるが、それでも堪え、ライトニングの絶頂が去るのを待つ。
「……リオ……、あ、あ…フリオ……」
切なげに自分を呼ぶライトニングの声に涙が出そうになる。苦しい息の下で、ふとある考えが閃いた。
(…俺が…思い出せば……)
この世界で初めてライトニングを抱いた時のことを思い出した。
(そうだ…あの時は抱きしめれば抱きしめるほど何かを思い出す気がして…)
日にちと回数を重ねる毎にその回数はどんどんと減ってしまって、今では異世界のことを思い出すことがほとんどない。ライトニングいつも言う花の約束ことも、もちろん思い出せない。
だが、と思う。異世界の仲間に自分も再会し、彼女が自分のことを覚えていて名前を呼ばれたことで、フリオニール自身が異世界での戦いの中にライトニングや他の仲間と身を置いていたのはしっかりとした確証に変わっていた。
(…今なら…)
今なら思い出せるかもしれない。そうしてこれが最後のチャンスかもしれない。もし思い出したら、
(…ライトは思いとどまってくれるだろうか…)
一方でフリオニールはどこか冷静な頭で自分の甘い考えを否定し、苦笑した。
(…わかってる……)
たとえ思い出してもライトニングは意思を曲げない。彼女の意思の強さ、頑固さをフリオニールはよく理解していた。だが、何がライトニングを頑なにしているのかまでは考えが及ばない。フリオニールにとって、自分が誰かのために全てを投げ出すことは当たり前でも、誰かが、ましてや自分の恋人が身を挺して自分と自分の世界を守るなどとは、とても想像できない事だからだ。
フリオニールはもう一度自分に言い聞かせた。
(…わかってる…)
だが、こんなに愛して、愛されてもいるのに、何故自分のもとから離れようとするのかフリオニールはどうしても分からなかった。考えても仕方がない、自分に分かっているのは、誰もそれを止めることが出来ないことだけだ。
(でも……)
おかしい。この言葉が頭に浮かんだとき、射られた矢が的の真ん中にすとんと刺さったような感じた。自分一人だけが何も分かっていない。なのにライトニングは理由も告げずに去ろうとしている。理不尽だ、あまりにもひどいではないか。
(ライトは…何故…)
フリオニールは身体を離し、ライトニングの顔をのぞき込んだ。快楽に紅く彩られた目元には涙が溜まり、潤んだ瞳でフリオニールを見つめ返す。
離したくない、今さらだが強く思った。
(俺が…思い出せば…)
さっき自分で一笑に付した考えにフリオニールはすがりついた。思い出せば、ライトニングが自分から離れて行く理由もわかるのではないか。
「…フリオニール…?」
訝しげに自分を見つめ返すライトニングを、フリオニールは乱暴にベッドに押し付けた。
(…そうだ、俺が思い出せば…)
「…フリオ…?」
心配そうなライトニングの声に心が揺らぎかけるが、それを振り切る。乱暴にライトニングの足を押し開こうとするのに、ライトニングはフリオニールのスイッチが切り替わったのを知る。
「……いやっ!」
思わず身体を捻り、逃げ出そうとするライトニングをフリオニールはがっちりと押さえこみ、なんの前触れもなくいきり立った己自身をそこにねじ込んだ。
「やっ……あ…!」
ライトニングは思わず悲鳴を上げた。先ほどの前戯のお陰でライトニングの胎内は充分に潤ってはいたが、全てを収めきることは出来ず、フリオニールは無理矢理腰を押し進めてじわじわとライトニングの身体を開いていく。突然のことでライトニングは思わず身体を固くし、そのせいでなかなかフリオニールを受けいることが出来ない。フリオニールは支えていた足を一旦おろし、今度は膝の裏をぐっと持ち上げ、更に大きく足を開く。そうして目の前にあるライトニングの内ももにつぅと舌を這わせた。
「……ぁっ……」
一瞬ライトニングの力が抜けた所でフリオニールは己のモノを最奥まで押し込めた。
「ん………っ……あぁ……っ……あぁ……」
無理矢理な挿入に驚いてしまったが、ここ何日間か身体を重ねることが出来なかったせいか、ライトニングの官能はいちどきにに火が点いたように熱くうずいた。繋がった所からしとどに愛液を流し、フリオニール自身を包み込む。フリオニールはライトニングの片足を高々と上げさせたまま、腰ごと押し付けるようにして激しい抜き差しを始める。
「あっ!あっ!……フリオっ……」
身体ごと激しく揺さぶられ、ライトニングはあっという間に大きな快感の波に飲み込まれた。この繋がり方だとフリオニール自身がライトニングの柔らかな壁を強く擦り上げ、いつもより強い刺激を生むのだ。奥の奥までフリオニールの切っ先が届き、ライトニングは息をするのもままならないほどその腰使いに翻弄された。
不意に腕が伸びてきて、フリオニールの陰茎を抜き差しに合わせて大きく揺さぶられていた胸を掴んだ。
「うぅんっ…!」
ライトニングは思わず顔をシーツに埋め、強すぎる刺激に耐えた。腰を打ち付ける音、繋がったところからぬちゃぬちゃと水音がし、ライトニングは思わず目をぎゅっと閉じた。確かにこの様な繋がり方だと深く繋がることが出来るのだが、持ち上げられた足が痛いし、フリオニールを飲み込み、蜜を流し続ける秘所も全て晒されているのも恥ずかしい。それでも無意識に腰を浮かせ、フリオニールの律動にシンクロさせる。
「ふっ…ぅん………はっ……あぁっ…あ、…あぁ……!」
正直を言うと、いつもの様にもっと身体と身体をしっかりと密着させながらする方がライトニングの好みなのだ。だがしかし、とても今はそんなことは言い出せなかった。フリオニールのスイッチが入ったことで、フリオニールが何かを思い出しかけているのだと思い、それならばと耐える。
「くっ……ふっ……あっ…あっ…フリオ……!」
大きすぎる快感に身体はちゃんと反応する。堪え様のない嬌声が溢れ、ライトニングの蜜壺は食いちぎろうとするかのようにフリオニールに貪欲に絡みついて離さない。
「あっ……イクっ……もっ…あ、一緒…に、…フリオ……!」
ひときわ強く抉るように突き上げられて、ライトニングは甲高い声を放った。身体を強ばらせたまま何度も仰け反らせ、ライトニングは極みを迎えた。一緒に、とのライトニングの懇願は聞き届けてもらえず、ライトニングは寂しさと虚しさを覚え、ぐったりと崩れ落ちた。

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