その後の二人。【前編】(DDFF/R18)

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洗いながら、などと言っていたくせに、フリオニールの指も口唇も明らかにライトニングを感じさせるために動いていた。
もう我慢ならない、とりあえずフリオニールの手を止めて、自分の感覚を取り戻したら痛い目を見せてやる!と心に決めていたのだが、ライトニングがバスルームでと答えた途端、フリオニールはライトニングを嬉々として抱き上げ、温かいシャワーの下に下ろされた途端に強く抱きすくめられた。
熱っぽい瞳で見つめられてそれだけで鼓動が高鳴った。バスルームに立ち込めた湯気がまるで蜘蛛の巣の様に身体にまとわりつくようで、ライトニングはもう手足に力が入らなくなっていた。
フリオニールは今もライトニングの左の太ももを抱え上げ、それを折り曲げた自分の腕に引っ掛け、器用にその更に奥を弄っている。太ももは人間の身体の中ではかなり重いパーツになる。だが、フリオニールは物ともせず、太ももを支えたまま揃えた指をライトニングの洞の中に埋め込み、繊細なそこを傷つけぬよう器用に刺激し続ける。
「…やっ……あ、…あっ……!」
シャワーの水音のお陰で昨夜フリオニールが放ったものや、ライトニングが流した蜜をそこから掻きだす音が聞こえないのはありがたいのだが、一晩経ったというのにフリオニールの指がかき回すだけでそこはじくじくと甘く痺れ、じわじわと熱を帯びてくる。
息苦しくて口を開けばシャワーの湯が流れこんでくる。もしくはフリオニールが口づけてきて、ライトニングはまともに呼吸さえさせてもらえない。フリオニールが時折自分の名を呼ぶのが鼓膜を震わし、それがぞくぞくと全身に鳥肌を立たせる。
「フリ…オ……あ、早く…!」
ライトニングはもう耐え切れないと、甘い悲鳴を上げ、フリオニールにねだる。フリオニールは答えないが、ライトニングの胎内から指を引きぬいた。途端にライトニングは崩れ落ちたが、逞しい腕がそれを抱きとめた。そのまま抱きしめられるのかと思っていたら、フリオニールはライトニングを反対側を向かせ、壁に手を付かせた。
「あっ、やっ…!」
ライトニングが咎めるよりも早くフリオニールの雄がぐっと押し入って来た。尻を突き出し、フリオニールに捧げる姿勢にライトニングが抗議しようとする前に、柔らかく蕩けたそこは熱狂してフリオニールを迎え入れた。
「ひっ、う…んっ…あ、あああぁぁぁっ!」
フリオニールはライトの背中から覆いかぶさるようにし、ぴったりと身体を密着させる。あまりもの愉悦に、熱に浮かされたようにライトニングに囁きかける。
「ライト…すごい…身体が…全部溶けてしまいそうだ…」
このまま溶けて、交じり合って一つになれたら胸の奥で疼く切なさは消えるのだろうか、とフリオニールはふと考えた。
だが、言葉より雄弁にフリオニールに早く動けと急き立てる蜜壺にフリオニールは雑念を捨ててライトニングを悦ばせることだけに集中することにする。
ライトニングは繋がっている下腹部と腰の辺りだけがぴんと強張っているが、あとの部分は力が入らない様でぐったりとしている。フリオニールはそんなライトニングをしっかりと抱きとめ、ゆっくりと抜き差しを始めた。
「あぁっ!」
フリオニールが押し入ってくる度にライトニングは背中をしならせ、腰を引いてそれが膣口ぎりぎりまで引きぬかれそうになると、切なげに後を追って細い腰を押し付けてくる。
「ライト……ライト……」
フリオニールもライトニングの媚態にあてられたのか、うわ言の様にライトニングの名を吐息とともに耳に注ぎ込み、二人の動きに合わせてふるふると揺さぶられている胸をつかみ、揉みしだく。その先端も指先で捏ね、爪でひっかくようにして刺激すると、ライトニングは快感を逃そうとぐっと息を飲み込み、子供のように頭を左右に振る。
その仕草に愛らしさと 嗜虐心が同時に沸き起こり、ライトニングの細い顎をとらえると自分の方を向かせ、その口唇に噛み付く様にキスをした。
「んっ、んんっ…!」
舌と唾液が行き交うくちゅくちゅとした音が耳に響く。暑さと腰が抜けてしまいそうな恍惚感にライトニングは思考を奪われ、何もかもをフリオニールに委ね、されるがままだ。
フリオニールもライトニングの乱れぶりから目を離すことが出来ない。腰をうねらせ、潤んだ瞳と物欲しげな口唇でフリオニールを惑わし、奮い立たせる。
「フリオ…ニール…」
何か言いたげにライトニングの口唇が動いた。
「………………て……。」
小さな小さな声だった。フリオニールは思わずライトニングの口元に耳を寄せる。打ち付けられる楔が引き起こす蕩けそうな愉悦にライトニングはまともに声が出ない。いや、声が出たとしても、それをフリオニールに伝えることは憚らられただろう。
だが、もうライトニングはとっくに限界を越えていた。昨日からさんざん交わって熟れきったそこを後背位から深く貫かれてはたまったものではない。
快感は長引き、堪えかねて目を閉じると瞼の裏をチカチカと白い光が飛び交い、何度も気を失いかけては覚まされる。
だが、それだけでは達することは出来ないのだ。苦しさに辛抱出来ず、ライトニングは恥ずかしい言葉をフリオニールに伝えなくてはいけない。
だが、必死に呟いた言葉はフリオニールに届かない。
もう一度言わなくてはいけないのかと思うとライトニングはいたたまれなくてぎゅっと目を閉じた。
「…ライト?」
呼ばれた声に目を開けると、自分を見つめるフリオニールの瞳が目に飛び込んで来た。吸い込まれそうな優しい銅色の瞳は、薄暗い浴室で不思議な光を放っている。昨夜、フリオニールに見つめられ、まるで魔法にかかったかの様に口唇が勝手に動き、愛おしいと思う気持ちが言葉になってほとばしったあの時と同じ感覚に陥った。
「お前…にな…ら…なんでも…言える……」
「…ライト?」
「…い…か、せて……」
フリオニールの目が驚きで見開かれる。ライトニングは自分でも信じられないほど甘えた声で続ける。
蜜壺を固く滾り、大きく弓なりに反った雄でみっちりと埋められ、しなやかなその先端はライトニングのもっとも感じる秘部を容赦なく抉り、貫いている。それだけではなく、フリオニールの空いた手は乳房やその先端を刺激し続け、口唇はうなじを吸い、耳たぶを優しく噛んでいる。それなのに、
「こ…んなに…しても…足りない……」
フリオニールは驚いたまま、ただただライトニングを見つめる。
「ラ…イト…?」
「…前……も、触っ…て…」
そう言うと、フリオニールの手を柔らかい茂みの奥に導く。柔らかい襞に覆われた花芯を自らかきわけて晒し、フリオニールの指に触れさせる。ライトニングの媚態はフリオニールを強く惹きつけ、酔わせるには充分すぎた。
フリオニールを一旦己を引き抜くと、崩れ落ちそうなライトニングを今度はお互いが向き合う様に正面を向いて状態で抱きしめ、最初にしていた様に左の腿を担ぎあげ、露わになった陰部に猛り狂った自身を一気に最奥まで押し込んだ。
「あああああぁぁぁ――…っ!」
ライトニングはフリオニールの逞しい胸に頭を擦り付け、悲鳴を上げた。フリオニールの雄は暴れ、猛り狂いながらライトニングの蜜壺を突き上げてくる。一見乱暴なようでいて、ライトニングの最も感じる所と突く。
「あっ…んんっ!フリオ、フリオ!深いっ…あっ、あぁっ!」
暴れるライトニングを押さえるのと、腰を支えてやるのでライトニングがねだった陰核には触れてやることが出来ない。なので、突き上げる時に自らの陰毛をライトニングのクリトリスに押し付けて擦り上げる。ライトニングがいつも達する時に無意識にそこをフリオニールに押し付けてくるのを真似たのだ。
「ひ……んっ、そ…こ……っ!」
「…痛いか?」
心配そうなフリオニールの言葉に、ライトニングは頭を振る。
「い…い、…す…ごく……あ、もっと…こすって…っ…」
「ライト…!」
「いかせ…てっ、もうっ…あ、あぁ!」
ライトニングの甘えた声だけでフリオニールは達してしまいそうだ。実際に、フリオニール自身はかつてない程熱く激り、ライトニングを責めさいなむ。
「ふぁ……、あ…ん、フリオ……もっ…だ…め…っ、あ、イク…っ…」
「…っ、く、…ライト……、俺もだ…」
二人が繋がっていた所でどんどん凝縮されていった濃密な快楽が一気に弾けた。二人の背筋を猛烈な勢いで快感が駆け上がった。それは一度ではなく、何度も何度も繋がった所から湧き出て、その都度、フリオニールとライトニングは繋がった箇所を押し付けるようにして身体を強ばらせた。
絶頂の余韻はなかなか去らず、シャワーの熱気もあって二人は激しく息を切らせ、波がおさまるのをお互いをしっかりと抱きしめながら待った。
ふっと意識が戻ったライトニングが最初に感じたのはしなやかなフリオニールの肉体だった。しっかりと自分を支え、抱きしめる逞しい身体にライトニングはうっとりと身を任せ、そうして再び目を閉じた。
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次に意識が戻った時もフリオニールの腕の中だった。いつの間にかベッドまで運ばれていた。フリオニールはベッドに腰掛け、タオルに包んだライトニングを横抱きにして、口移しに水を飲まされていた。
その瞳は愛おしげにライトニングを見つめていて、ライトニングはとても満たされた気持ちになる。
そっと手を伸ばして頬に触れる。フリオニールがライトニングの手の上に自らの手を重ねる。幸せだ、とライトニングは思う。
もう、今朝の様にシーツに潜り込んで隠れる必要などないのだ。
(お前になら……なんでも言える……どんな私でも…見せられる…)
ただ、それを言うとフリオニールがまた暴走しそうなので口に出さずに置いておく。
「もっと…水をくれ…」
フリオニールはコップの水を含み、ライトニングに与える。こくん、と水を飲み干す音がフリオニールは自分だけ知らないライトニングの秘密の一つの様に思えて、何度も何度も水を飲ませる。
「もういいか?」
「ああ。」
口唇の端に零れた水を、フリオニールは指でそっと拭ってやる。ライトニングはその指を追いかけ、ちゅっと音を立てて口付けた。二人は目と目を合わせて微笑む。
らしくないな、とライトニングはぼんやりと考える。
大きな逞しい身体に守られ、抱きしめられ、翻弄されて。自分はそんなタイプではなかったのに。
でも、今は守られて、抱きしめられ、翻弄されてひどく幸せで居心地が良い。そんな居場所があるなんて考えたこともなかった。探そうとすら思ったこともなかったのに。
じっと見つめていると、フリオニールが首を少し傾げ、何を考えているのかとライトニングに瞳で尋ねてくる。
「…疲れた。少し眠る。」
フリオニールは身体をずらし、ライトニングをそっとベッドに横たえる。ライトニングが腕を伸ばし、フリオニールの首に回すと、フリオニールは何も言わず、ただ誘われるままライトニングの隣に横になる。
こんな風に、本当にリラックスして心が通い合うとき、フリオニールはあまり話さなくなる。だが、彼が纏う空気はひたすら優しくライトニングを包み込む。
眠りに落ちる前になんとなくティファの言葉を思い出した。そうだ、フリオニールを愛おしいと思う気持ちを言葉にしなくては、とぼんやり考える。
「フリオニール。」
フリオニールが返事の代わりに前髪にキスをした。
ああ、本当に居心地がいいな、とうっとりしながらライトニングはどんな風にフリオニールに思いを伝えようかと眠りに落ちる狭間で考える。いろいろ思いついたが、これが一番手っ取り早く、簡潔に、間違いなく伝わるだろうと思えるのを選んだ。
「愛してる。」
フリオニールは驚いて叫びそうになり、身体が少し跳ねた。ライトニングは夢心地でそれを身体越しに感じ、その反応に満足する。体勢を立て直したフリオニールの口唇がライトニングの眉間に優しく下りて来た。ライトニングはそれを確認してから、小さくあくびを一つしてフリオニールの胸に頬を寄せ、目を閉じた。
フリオニールはその寝顔を飽きることなく眺めていた。まるで水遊びのあとに疲れて、気持ち良さ気に昼寝をしている女の子みたいだ、などと思いながら。

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