髪を耳にかける。(フリオニール×ライトニング)

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お題「フリオニール✕ライトニングで髪を耳にかける。」のR18版です。コインLさんのリクエストです。


「…あ、あ、フリオニール……、もうっ…!」
細い腰をつかみ、とろけきったそこに一心に己を打ち込んでいたフリオニールはライトニングの肩に顔を埋め、より深い所にそれを突き立てた。
ライトニングはフリオニールの身体に両腕を回し、その時を迎えた。身体がびくびくと大きく跳ねた。先に果ててしまったライトニングに、フリオニールは何度も愛おしげに、だが、自分はまだ熱がくすぶったままなのがもどかしくもあり、執拗に口づける。
口づけられるまま、ライトニングはゆっくりと身体を起こすと、繋がったそこから慎重に腰を引いた。
「あ、ん……っ!」
未だ剛直を保っているフリオニールの性器を引きぬいた、ただそれだけのその刺激だけでライトニングは甘い吐息を漏らした。唇がわななくのを、ぎゅっと噛み締め、それから何度か大きく息を吐いた。呼吸を整えると、傍に落ちていたタオルで、ライトニングを欲してどくどくと脈打つフリオニール自身を優しく拭い、それを両手を包んだ。
フリオニールは息をつめて、ライトニングのすることを見守っている。これからライトニングがしてくれるであろう、淫らな愛撫を思うと、それだけでおびただしい先走りの液を溢れさせた。ライトニングはまるでキスをするかのように、その欲望を吐き出す先端に、優しく唇を落とした。
「…んっ……!」
フリオニールがうめき声を上げ、腰を跳ねさせた。紅もさしていないのに、鮮やかな赤みを帯びた唇を、フリオニールの肌の色よりも濃いそこに、ぴちゃ、と小さなしめった音を立てて押し付ける。舌を出し、そっと先端を舐めてやると、それだけで小刻みに震える陰茎は、まるで熱した釘のように熱くなった。
「ら、いと……」
フリオニールは目の周りを朱に染め、はーはーと肩で息をしながら、懇願する。そんなささやかな愛撫ではこの熱を鎮めるどころか、よけいに荒ぶらせるだけだ。
ライトニングがゆっくりと髪を耳にかけた。なんていやらしい仕草だろう。心臓が大きな音を立て、フリオニールは自分の興奮が頂点に達するのを感じた。形の良い口唇が、卑しいほどライトニングへの欲求をうったえるそれを、ゆっくりと飲み込んでいく。その口唇が上下し、自分が愛してやまない美しい顔が、醜穢なそれを口から出し入れするのに、欲情はあっという間に暴かれた。手を伸ばし、もっと深く飲み込んで欲しいとライトニングの後頭部を押さえつけた。
「ふ…ぅっ…ん……」
息苦しくて鼻にかかった声が漏れ、きゅっと眉根が絞られる。フリオニールは蕩けきった瞳で、その艶めかしい顔を見ていた。が、もっと見たいと手を離し、再び顔をおおう優しい色の髪を耳にかけ、その艷麗な表情をじっと見つめた。美しい恋人はそれが気に入らないのか、キッと自分をにらんだが、ここで目を逸らすなどできない。
が、ライトニングがフッと笑みを浮かべた。が、愛撫をやめ、そこから顔を離すと、クックと喉を鳴らして笑う。ワケがわからないフリオニールが何かを言いかけたのだが、ライトニングは人差し指をつと伸ばし、フリオニールの唇に当てた。何も言うな、という意味らしい。
そうして、肩をすくめてひとしきりクスクスと笑う。ライトニングは行為の最中に、時おり、何がおかしいのかこんな風に笑うのだ。言葉は一切発しないので、何がおかしいのかわからないフリオニールは困惑するばかりだ。だが、その時のライトニングは、なんというか、とても少女らしいのだ。表情は緩み、手を口元にあて、ほほを赤らめ、嬉しそうに目を細めている。少女らしいといったのは、その笑みがどこかあどけなく、それでなんとなくだが、悪気や嘲る笑いではないとフリオニールは理解している。
フリオニールはライトニングの腕を引き寄せ、抱きしめる。ライトニングは大人しくフリオニールの胸の中に身体をもたれさせたのだが、何がおかしいのか、一人で笑ったままだった。
「…まだおかしいか?」
ライトニングは口角をきゅっと上げたまま、フリオニールを見上げた。
「気になるな。何がおかしかったんだ?」
「……お前の、顔……」
「俺の顔????」
フリオニールはぎょっとなって、ライトニングの顔を覗き込んだ。目がどんぐりのように丸くなっている。
「ヘンな顔を……してたのか?」
ライトニングは笑って首を横に振る。
「…じゃあ、どうして笑うんだ?」
ライトニングは身体を伸ばし、フリオニールの耳に何か囁いた。
「ひどいな、ライト。」
フリオニールは唇を尖らせる。
「褒めているんだ。」
ライトニングは臆面もない。その時のフリオニールの顔は、唇をゆるく開き、はぁはぁとせわしなく肩で息をしていて、もうまぶたを持ち上げる力もないほど蕩けきった顔をしていたのだ。それがなんだか熱に浮かされた子どものようにあどけなく、
「……かわいいとか、男にいう言葉じゃないだろ?」
「色っぽかったぞ。」
そう言うと、フリオニールは両頬をぷぅ、と膨らませ、不平そうな顔をする。ライトニングはとうとう吹き出し、不機嫌そうな恋人に、ごめんの代わりのキスをしてやったのだった。

おわり