初めての旅行(FF12/R18)

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不自由な姿勢で唇を貪られ、胸を弄られ、パンネロはくぐもった声を漏らす。
未知の快楽はパンネロから正気を奪いそうになるが、背中から伝わるバルフレアの心音が辛うじてそれを繋ぎ止める。
身体だけでなく、心も繋がっていたい。
だが、どうすればそれを果たせるのか分からず、パンネロはただただバルフレアの名を呼び、じっとその瞳を見つめる。
パンネロの健気なうったえが伝わらないはずがない。バルフレアも目を細めて見つめ返す。パンネロがあどけない子供の様に微笑む。その笑顔はバルフレアの胸を甘く締め付けた。
バルフレアの手がするすると下肢に伸びる。パンネロはそれに気づいていたが、もう逃げようとはしなかった。
ただ、この体勢だけが気に入らない。
「あ…っ、バルフレア…おね…がい…」
返事の代わりに、バルフレアが瞳を覗き込んで来る。
「私も…バルフレアを……ぎゅってしたいの…」
潤んだ瞳から水滴が頬を伝っていくつも、いくつも溢れ落ちる。
なんて可愛らしいんだと、バルフレアはパンネロの身体を優しく仰向けにさせた。パンネロはうれしそうに微笑むと、バルフレアの首に腕を回してしがみついた。緩く膝を開き、バルフレアの手を受け入れる。そこは温かく湿っていた。
「……から……なの?」
消え入りそうな声。
「うん?」
「こ…いびとだから……そうなるの?」
幼い問いかけにバルフレアは頷いてやる。割れ目に沿って、指を滑らせるとパンネロは息を呑んで、首をのけ反らせる。
「恥ずかしく…ない…よね?」
本当は恥ずかしくて仕方がないのだろう。
「ああ。」
「…………こうふん…するの?」
バルフレアはフッと微笑んだ。
「ものすごく、な。」
濡れて滑りのよくなった指の腹で、ぷっくりと尖った肉芽をそっと撫でる。
「ああぁん!」
パンネロは身体を大きくのけ反らせ、バルフレアにしがみつく腕にますます力が篭る。
「ん、あ、ぁああっ、バルフレア……バルフレア……っ」
胸を弄られていたのとは比べ物にならない。バルフレアの指がほんの少し動くだけで、甘くもどかしい快感が身体の中で暴れ回り、パンネロの意思とは裏腹に身体を跳ねさせ、声を上げさせる。
だが、乱れた姿を見られるのはもう恥ずかしくない。
耳元のバルフレアの息が荒く、しがみついている身体が熱い。
理由は分からないが、こんな自分の痴態を見て、
(こうふん、してるんだ…)
それは、パンネロを泣き出したくなる程、幸福な気持ちにさせる。
「ふ……っ、あ、バルフレア……わた…し……」
「どうした?」
荒い息と共に吐き出された言葉にすら、身体が反応する。
「あっ……な…にか、……くる…の。身体の……中で、……いっぱい……」
弾けそうでなかなか達しないもどかしさに、腰を揺らめかし、声を張り上げる。
辛うじてバルフレアの手が入る程にしか開かれていなかった太ももは、いつの間にか大きく開かれていたが、それにすら気付いている様子は無い。
「はあっ……ん……あ、バルフレア…ぁ……」
上り詰めようとしているパンネロは、普段の可憐さからは想像もつかないほど艶やかだ。
「パンネロ…」
バルフレアが自分を呼ぶ声が遠くから聞こえる。
「イキたいのか…?」
バルフレアが何を言っているのかよく分からない。が、この甘く苦しい何かを解放してく欲しくて、パンネロはコクコクと頷く。
バルフレアは指先でゆるゆると撫でていたその肉芽を、少し強めに摘んだ。途端に、電流の様なビリビリとした快感が身体の中を一気に駆け抜け、パンネロの中で燻っていたものが破裂した。
「ああーっ!」
柔らかな身体を綺麗に弓なりに反らせ、パンネロはベッドに崩れ落ちた。
「バルフレア……」
初めての絶頂に余程驚いたのだろう、吸い込まれそうな茶色の瞳から幾重にも涙がこぼれ落ちている。
「今…の、何……?」
バルフレアは怯えるパンネロの前髪をかき上げ、表れた額と、目元に優しく口づけてやる。
「驚いたか?」
パンネロが頷く。少し落ち着きを取り戻したものの、快楽の余韻で身体が小刻みに震えている。
桃色に染まった頬、汗ばんだ肌、荒い息、全てが扇情的だ。
「私……どうなっちゃったの…?」
頼むから、そんな色っぽい顔で子供の様な質問をしないで欲しい。
(どう答えて良いのか分からないだろ?)
ごまかす為に震える唇にもキスしてやる。
「ねぇ…バルフレア…?」
返事がないのに不安になったのだろう、パンネロが尚も尋ねる。だが、バルフレアにはもう答えられる余裕はなかった。
自分の身体の下で乱れ、可愛らしい嬌声を上げる幼い恋人が可愛くてどうしようもない。
もっと乱れた姿が見たい。
もっと声を張り上げさせたい。
身体の奥の熱がバルフレアをかき立てた。
バルフレアの唇がゆっくりと下に降りて来る。
首筋、胸、柔らかい腹。そしてそれが張りのある太ももに到達した時、パンネロは居心地が悪そうに身体を縮めようとする。バルフレアはそれを押さえ込み、舌が腿の内側へと向かう。
くすぐったそうに足をもじもじと擦り合せていたパンネロだが、今度は舌が上に向かっているのに気付き、悲鳴を上げた。
「いやっ!バルフレア……」
バルフレアの手がパンネロの膝裏に回り、足を持ち上げ、左右に大きく開く。
「やだっ!バルフレア、離して!」
暴れるパンネロの腿をがっちりと押さえ込み、バルフレアはパンネロの秘所に顔を埋める。今、自分の身に起こっている事が信じられず、パンネロは悲鳴を上げる事しか出来ない。
なのに、バルフレアの息が恥ずかしい場所にかかり、舌がゆるゆると秘裂をなぞる度に、
(やだ……奥から、どんどん溢れて……)
バルフレアには分かっているのだろうと思うと、消えてしまいたい程恥ずかしい。
「んっ!や、ぁあ……っ!」
パンネロの身体が大きくのけ反った。パンネロの気持ちを裏腹に蜜が溢れるその場所に、バルフレアがつぷり、と指を埋め込んだのだ。
パンネロの大好きな、骨張った長い指が吸い込まれて行くのに、肌が粟立つ。
くちゅ、と淫靡な水音がする。
「……すごいな。」
「え?」
「こんなに濡れてる。」
バルフレアが思わず漏らした声に、パンネロはいたたまれなくなり耳を覆ってしまう。
だが、バルフレアの指がゆっくりとパンネロの中をなぞっていくと、蜜はますます溢れ、わずかな指の動きに反応し、身体を跳ねさせる。
耳を塞いでいた両手がバルフレアの頭に伸び、指が髪の中に潜り込んでいた。
「あ、あ、……バルフレア……」
バルフレアの指は丹念にパンネロの感じやすい場所を探す。パンネロは白い喉をのけ反らせ、悩ましい吐息を濡れた唇から漏らす。
「あぁ…ん、ああっ…!」
抵抗する力が抜け、閉じようとしていた足はいつの間にか、離すまいとするかのようにバルフレアの身体を挟んでいる。
そのくせ時折、自分の声に気付き、きゅっと唇を噛み締める。その様子がバルフレアにはますます可愛らしく思え、更に嗜虐心をそそる。
バルフレアの舌が秘裂の先端にある肉芽をつついた。
「きゃぁっ!」
舌が温かくぬめった感触が達したばかりで敏感なそこを包みこんだかと思うと、丹念にその周辺を舐めはじめた。
「ふぅっ!あぁん、あっ!あっ!…バルフレア…!」
パンネロは狂ったように身を捩らせ、バルフレアの名を呼ぶ。舌がそこを這い回る度、痛みと絶頂が一度にパンネロを襲う。
無意識の内に内部のバルフレアの指をしめつけ、そこからまた別のじくじくとした熱が生まれ、パンネロを刺激する。強すぎる快感が次々とやって来て、まるで濁流に飲み込まれたかのようだ。
「やっ!あ…っ…嘘……こんな……」
さっきの“あれ”がまた身体を満たし始めたのだ。パンネロは目眩を起こしつつ、次第に腰を揺らめかせ始めた。
もう何も考えられなかっった。
早く解放して貰いたくて、無意識にバルフレアの指を締め付ける。
パンネロは狂ったように首を振り、嬌声を上げる。
「お願い…っ!あ、もう、だめ、なの……」
バルフレアはとっくにパンネロの限界に気付いていた。
指を動かす度にきゅっと締め付けてくる柔らかい蜜壷、舌先で触れる肉芽はふるふると震え…
バルフレアはパンネロの膣内の一点を抉る様に付いた。
パンネロは一際大きく身体をのけ反らせ、
「ああっ、ぁっ、あああーっ……!」
足の指をきゅっと丸め、身体をガクガクと痙攣させ、パンネロはゆっくりとベッドに崩れ落ちた。
「あっぁ…ん、バルフレア…、ばるふれあ…ぁ……」
パンネロが切な気にバルフレアを呼び、弱々しく腕を伸ばす。バルフレアはそれを受け止めると、パンネロに噛み付く様にキスをした。
苦しい息を唇で塞がれ、それでも何故か幸福感に満たされ、パンネロも夢中になってバルフレアの唇を貪った。
やっと、分かったのだ。
(こいびと、に…触れられると、あんな風になっちゃうんだ…)
目と目が合って、パンネロは微笑んだ。バルフレアも無言で笑い、そうして困った様にパンネロを見つめ返した。
「…?どうしたの?」
「その……」
バルフレアが口籠るなんて珍しい事もあるもんだと、パンネロはまじまじとバルフレアを見つめる。
「続き、良いか?」
「え…?」
パンネロは目を丸くしてバルフレアの緑色の瞳をじっと見つめる。
「続きが、あるの?」
「どっちかってぇと、今からが本番だな。」
気まずい空気が流れた。
(あんな事、して、まだ何をするの……?)
聞きたいけど聞けない。バルフレアがもの凄く困っているのを肌で感じたからだ。
一方バルフレアも葛藤していた。
幼いと思っていたパンネロの身体はちゃんと女性としての反応を返し———いや、むしろ予想以上に感じ易く、初々しい仕草も合わさって、バルフレアを有頂天にさせていたのだが。
これ以上はパンネロには酷ではないかと心配になって来たのだ。
パンネロはこくん、と息を飲み込んだ。困惑し、肩で息をしているバルフレアを見る。いつもの余裕はどこにも見当たらない。
「バルフレア、続き、して。」
自然と言葉が出た。
厚い胸板、がっしりとした肩。胸がきゅっと締め付けられた。
「バルフレア、大好き。」
自分の身体に覆い被さる男が愛おしい。パンネロは両腕を回して、バルフレアを抱きしめた。
「私は平気。バルフレアがしたい事をしてくれる方がうれしいの。」
紳士的な振る舞いは今は要らない。
ベッドの上で裸で抱き合う事の意味をパンネロは徐々に理解し始めていた。
「バルフレアが私を欲しいって思うなら、お願いだからその気持ちのままにして欲しいの。」
真っ直ぐなパンネロの言葉はバルフレアの胸を締め付けた。
「本当におまえは…」
パンネロが何?と首を傾げる。
「可愛いよ。」
「うん。分かってる。」
「愛してる。」
「知ってる。」
「いつ分かった?」
パンネロは少し考え、
「海に降る雨の話を聞いたとき、かな?」
あの時、パンネロを軽々と抱き上げた腕はとても優しかった。
「ひどいな。」
もっと前からだろ?とバルフレアは不満気だ。
「知ってたけど、分かったのはその時なの。」
バルフレアは身体を離すと、パンネロの顔を覗き込んだ。右腕でパンネロの左足を持ち上げる。
「あ、あのね!」
突然パンネロがそれを制する様に声を上げた。
「あの…あのね、いっぱい“好き”って言って欲しいの。そしたら…我慢、出来るから。」
声が震えている。バルフレアは触れるだけのキスをしてやると、
「お望みのまま。」
そう言うと、バルフレアは未だに蜜を溢れさせるパンネロの入り口に、猛った物をあてがう。パンネロの細腰を左手で支えると、ゆっくりと腰を突き上げた。
「いた…ぁあっ………!!!」
身体を引き裂かれる痛みにパンネロは悲鳴を上げかけ、それを堪えるようにぎゅっと奥歯を噛み締めた。バルフレアはパンネロの様子を伺いながらゆっくりと腰を進める。瞳からは大粒の涙がこぼれて、唇をぎゅっと結んでいる。
「痛い…か?」
パンネロは気丈に頭を横に振る。口にして欲しい言葉はそれではない。
「……平気。」
消え入りそうな声。
「私…バルフレアと、ちゃんと…こいびとに、なりたいの。」
そうして、バルフレアを見てにこりと笑う。
「だから平気。」
そこからの事はあまり覚えていない。
覚えているのは引き裂かれる痛みと、パンネロの願い通り、何度も耳元で囁かれたバルフレアの声だ。
長い時間の後に熱い塊を挿入された膣内に、何かどろりとした物を吐き出されたのを感じた後でパンネロは意識を手放した。
**************
ぼんやりと天井を眺める。
なんだか夢を見ているようで頭がぼうっとする。
しかし、下肢は相変わらず痛みを訴える。その痛みで、パンネロは徐々に感覚を取り戻していった。パンネロの大好きな大きな手が、優しく頭を撫でてくれている。心配そうな声で自分の名前を呼ぶ優しい声。パンネロはぱちぱちを瞬きをすると、ゆっくりと手の主の方を見る。
「…バルフレア?」
バルフレアがほっとした表情を浮かべると、パンネロをそっと抱きしめた。
「大丈夫か?」
肩口に顔を埋めるようにして、バルフレアが低く囁いた。押し殺された声が、なぜだかパンネロの胸を締め付けた。パンネロは頷き、そっと手を伸ばしてバルフレアの頭を優しく撫でてやる。
控えめな呼吸で上下する大きな背中、伝わる体温。どれも泣き出したくなる程愛しい。
「バルフレア、あったかいね。」
「パンネロもだ。」
すぐに顔中に唇が降って来た。
「きゃっ、バルフレア…?」
「おまえが可愛くて仕方がない。頭がおかしくなっちまいそうだ。」
らしからぬ言葉にパンネロはくすりと笑う。
「本当?」
バルフレアは心外だという顔でパンネロを覗き込む。
「イヴァリース中の花火をここで打ち上げたい気分さ。」
大真面目な顔のバルフレアにパンネロが吹き出し、それに釣られてバルフレアも笑う。
「私もね、頭がおかしくなっちゃいそう。うれしくて、幸せだとそうなるのね。」
そこで昨日までのすれ違いをどちらともなく語り出し、それすらも笑い話になり。結局二人はそのまま部屋からほとんど出る事がなく1週間が経ち、更にパンネロの、
「明日もう帰らなきゃいけないのね。」
という何気ない言葉で目出たく延泊が決まり。
旅から戻った二人を見て、
「海に行ったのに、ちっとも焼けてないのね。」
というフランの言葉にパンネロは耳まで赤くなり、バルフレアは動じず、
「生憎と、雨続きでね。」
と、さらりと言ってみせると、やっと自分の物にした恋人を抱き寄せた。
おわり。


    よろしければ一言。:


    バルフレアとパンネロの砂浜デートの様子をサンクロンさんにリクエストして描いていただきました。パンネロの健康美とバルフレアの優しいまなざじが素敵です。


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