パンネロのお留守番(FF12/R18)

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パンネロは漸く覚悟を決めたものの、
(どうやってすればいいのかしら…)
一人でする時は恥ずかしさと後ろめたさでシーツの中に潜り込んでしていたのだが。
思い付いた方法は二通り。
「ねぇ、バルフレア…その…このまま、するの?それとも横になって…?」
これはなかなか難しい質問だった。
膝の上で羞恥に震えるパンネロの顔と息づかいを間近に感じるか、それとも横たわって余す所なく見下ろすのか。
どちらも捨てがたいな、などとバルフレアが暢気に考えていると、
「…横になってするのはすごく恥ずかしいの。だから…このままでいい?」
縋る様な瞳でお願いしてくるのがいじらしい。
「ああ、いいさ。パンネロのやりやすい方で…な。」
術中に陥っているパンネロ、バルフレアの下心など気付きもせず、ホッとした表情を浮かべる。
そして、小さく息を吐いて俯く。
パンネロはパンツのウエスト部分についている金具を外してウエストを少し緩めた。
赤いアラビアンパンツは辛うじて腰に引っかかっているのだが、
それが緩んで今にもすとん、と落ちてしまいそうになる。
それを落ちない様に左手で押さえ、右手をおずおずとパンツの中に手を入れる。
パンネロのパンツはかなり際どいデザインで、こんな露出度の高い服を着ておきながら何故パンツが
ずれ落ちるのを気にするのか解せない。
かと言って、そちらの方に気持ちが行ってしまって、手がお留守になってはせっかくのイベントが台無しだ。
「…押さえててやろうか?」
膝の上で悪戦苦闘しているパンネロを見かねて声を掛けると
「うん…お願い…しっかり押さえててね?手を離しちゃダメだよ?」
と、心配そうに念を押してくる。
とんちんかんな事をしたり、言ったりするパンネロ。
(こりゃあ…相当テンパってんな。)
正気に戻ったその時が困る。
でも、もう少し恥ずかしがるパンネロを楽しみたい。
「あぁ。大丈夫だ。」
するとパンネロは、なんて頼もしい事を言ってくれるのだろうと、うっとりと目を細める。
(こりゃヤバイな…)
止めるなら今だと理性が叫ぶが、パンネロの両手が下肢に伸びるのを見てその叫びはあっという間にかき消された。
ためらいがちに手が奥へ、奥へと潜り込む。
触れた先が既にしっとりと濡れている事にパンネロは気付いていた。
(ああ…やっぱり…)
ちょっと膝に乗せられて、身体を寄せ合っただけなのに…
(やっぱり、悪い子だわ…私…)
でも、許してもらう為だからとパンネロは固く目を閉じ、奥歯をぎゅっと噛み締める。
指を割れ目に沿って、滑らせる。
何度か指を往復させるが、快感を得るには程遠い。
それでも、続けなくてはいけないのだろうか。
ここでパンネロはある事に気が付く。
「ねぇ…バルフレア?」
とてもではないが、バルフレアと目を合わせる事など出来ないので俯いたまま尋ねる。
「なんだ?」
「これ…いつまで続ければいいの?」
「もちろん、パンネロがイクまでだ。」
やっぱり…と、パンネロは唇を噛み、再び指を動かす。
そもそも一人でしても上手く出来なくて、結構時間がかかるのに、それを最も見られたくない恋人の前でなんて…
触れていたそこも、どんどん潤いをなくしていく。
パンネロがすん、と鼻を鳴らしたのでバルフレアは慌ててその顔を覗き込む。
目が泣き出しそうにまっ赤だ。
羞恥に震え、どうしたらいいのか分からないといった風情で縋る様にバルフレアを見つめる。
その表情は行為の最中を思わせて、10日間お預けだったバルフレアの下半身を直撃した。
これで理性が完全に吹っ飛んだ。
なんとしても。
どうしても。
絶対に、パンネロのイケナイ一人遊びが見たい。
いつも思っていた。
優等生の様な清潔感、少女の甘やかさ。
そういった物を壊してかき混ぜて、乱れていくパンネロを見たくて見たくて、
どうしようもなくなるのだ。
「…やっぱり無理…どうしたらいいの?」
ここで挫けさせては続きが見られない。
どうしたものかと考え、何か思い付いたのか、バルフレアはにやりと笑う。
「…いい方法を教えてやるよ。」
「…?」
ゆるく目線を上げて、問いかける様な上目遣い。
何度見てもバルフレアをぞくぞくさせる仕草だ。
「俺の名前を呼びながら、するんだ。」
「え…?」
一人でする時はいつも恥ずかしくて、少しでもバルフレアの事を考えまいとしていたのに。
「でも…」
しかし、バルフレアは優しい表情で(と、パンネロには見える)で頷いてみせる。
パンネロはバルフレアの意図が分からず混乱するばかりだ。
でも、とにかく言う通りにすればいいんだと自分に言い聞かせ、小さな声でその名前を呼んでみる。
「…………バルフレア…?」
語尾が上がったのは半信半疑だったからだ。
途端につん、と甘い痺れが走った。
「…っ?…あ…!」
それはよく知っているあの感覚だった。
自分一人ではなかなか掘り起こせなかった快感がバルフレアの名前を口にしただけであっさりと蘇った。
自分で自分の反応に驚いてくると、バルフレアが耳元に口を寄せ低い声で囁く。
「…な?俺の言った通りだろ?」
耳元で囁かれると、それだけでくたりと身体から力が抜けてしまう。
「…どうして…?」
「それだけパンネロが俺に惚れてるってことさ。」
そう言って、下肢に伸ばされた右手に自分の手を重ねる。
「続きは?」
言われるままに、パンネロは再び指を滑らせた。
手を重ねてやったせいか、緊張が少し緩んだようだ。
さっきより滑らかに動く。
「…あ…ん…」
子供の様な湿った体温と淫らな息づかいが伝わってくる。
「ふ…っ…あ、あ…」
悲壮な表情は消え、小さな頭をバルフレアの胸にもたれさせ、
パンネロは可愛らしい声を漏らし始めた。
薄い肩までが桃色に染まり、それが瞬く間に全身へと広がっていく。
「あ…バルフレア…バルフレア…」
吐息の合間にうっとりとバルフレアの名を呼ぶ。
予想以上の効果にバルフレアは口角を上げて薄く笑う。
そして、仕方なく始めたはずの行為に溺れ始めたパンネロを今度は言葉で嬲る。
「今、どこを触ってるんだ?」
「やっ…」
パンネロはふるふると頭を振る。
だだをこねる仕草もバルフレアのお気に入りだ。
「言わないと、手を離しちまうぞ?」
バルフレアはまだ律儀にパンネロのパンツを押さえてやっていたのだ。
「だめっ…離しちゃ…」
「じゃあ言うんだ。」
「あ……の……前の…方の………」
「それだけじゃあ分からないな。」
バルフレアがパンツを押さえる手を緩めたのでパンネロは慌てて、
「あの…あの…!えっと…バルフレア…が…触ってる…とこ…いつも…バルフレアが…入って来る前に…」
「俺が?どうやって触ってる?指か?」
「………唇でも…」
パンネロは恥ずかしい質問に素直に答え始めた。
どこか熱に浮かされたかの様だ。
途切れ途切れに答える合間も、小さな手は休みなく動く。
パンネロはどうもクリトリスだけを弄っているらしい。
「中には入れないのか?」
「…中はダメなの。」
妙にきっぱりと言い切ったので不思議に思って尋ねてみる。
「どうしてだ?」
奥を指で刺激しながら、クリトリスを摘んでやるとパンネロはそれだけでたやすくイッてしまうし、本人もそれが好きなはずだ。
「…ん、だってぇ…」
バルフレアの胸に頭を擦り付ける様にして甘えた声を出す。
「…指だと、届かなかったんだもん………」
バルフレア、思わず吹き出しそうになる。
(頑張ってはみたが、手が小さくて奥まで届かなかったってとこだな。)
こんなに可愛くて可憐で、いやらしいモノをバルフレアは見た事がない。
思わずめちゃくちゃに抱きしめてしまいそうになったが、折角のお楽しみに水を差してはと辛うじて堪える。
「じゃあ、こっちはどうだ?」
上着の背中の紐を緩めると、服がはらりと落ちそうになる。
「…っ…やだっ…」
パンネロはきゅっと身体を竦めて落ちそうな服を押さえる。
「一人の時、弄ってたのはそこだけじゃないだろ?」
「どうして…分かるの?」
切なげなパンネロを、バルフレアは余裕の面持ちで見つめ返す。
語るに落ちてるから…とはもちろん言わない。
「一緒に弄ってやると、パンネロはいつも
すごく気持ち良さそうにしているからさ。」
なんでもない事の様に答えるバルフレアに、パンネロは何もかも見透かされていて、隠し事は出来ないのだと観念する。
仕方なく右手で秘所を、右手で胸の頂をなぶる。
「いい子だ。」
バルフレアの良い様に扱われているのに、こんな風に囁かれると、背中にぞくぞくとしたものが走り、身体がとろけてしまうのが悔しい。
が、思考は新たに生まれた熱に追いやられ始めた。
バルフレアの言う通り、胸を愛撫しながらクリトリスに触れると感覚が何倍も鋭敏になって、パンネロの小さな身体を満たすのだ。
「あ…バルフレア…」
とめどなくパンネロの唇から甘い吐息が漏れ、何度も何度もバルフレアの名を呼ぶ。
今、自分を苛んでいる手はバルフレアなのだと自分で自分に言い聞かせる。
すると、秘所からはとめどなく蜜が溢れ、指がかすめただけで背中がのけ反る程の刺激が走る。
(こう…すればよかったのね…)
ぼんやりとした頭でパンネロは思う。
バルフレアの名を呼び、その愛撫を思い出せば一人でイクのはそう難しい事ではなかったのだ。
(でも…でも…)
快楽に溺れながらも、やはり侘しさは拭えない。
(身体が触れ合っているのに、触ってもらえないなんて…)
「バルフレア…お願いっ…もう……」
せめてイク時だけでも…そう懇願しようとするが、言葉が続かない。
「イキそうか?」
その言葉に頷く事しか出来ない。
(お願い…この手を……止めてぇ…)
しかし、気持ちと裏腹に右手は陰核を擦り続け、左手は乳首を捏ねるのを止める事が出来ない。
バルフレアの膝の上で、パンネロは小刻みな痙攣を繰り返し始めた。
「う…っん、あぁ…もう…」
顎を軽く反らせ、バルフレアしか知らない顔でゆっくりと上りつめる。
(そうだ…俺だけしか知らない…)
その瞬間、ある感情が突然バルフレアの中で弾けた。
バルフレアしか知らないはずのパンネロ。
だが、バルフレアが居なくても、
(ちゃんとお楽しみだったってわけだ…)
まるで子供の言いがかりだ、自分でも分かってはいたが、一度爆発した感情はそう簡単には収まらない。
気が付くと、パンネロをベッドに押し倒し、両手首をひと纏めにして、頭上で括りつけるようにして押さえつけていた。

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