パンネロのお留守番(FF12/R18)

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「あっ………やっ…!なに?」
あと少しで達するという夢うつつな所でひき倒され、パンネロは何が起こったか理解出来ず、驚いてバルフレアを見上げた。
そして自分を見下ろすバルフレアの目の冷たさに息を飲む。
「…バルフレア……?」
おそるおそる、名前を呼んでみるが返事はない。
じくじくと疼く下肢の事も忘れ、パンネロは身震いをした。
「ご…っ…ごめんなさい…」
思わず謝罪の言葉が口から出たのは、つい調子に乗ってしまい、バルフレアがそれを怒っているのだと思ったからだ。
バルフレアは答えない。
不意にバルフレアの手がゆっくりと動いた。
パンネロの目が吸い寄せられた様に、その動きを追う。
そして、その手がパンツに引き剥がそうとするのに、悲鳴を上げて逃げ出そうと身体をよじるが、
頭上で押さえられた手は万力で締め付けられたかの様にびくともしない。
「いやっ!痛い…バルフレア…!」
パンネロの哀願はバルフレアの耳には届かない。
バルフレアはパンネロの真っ赤なアラビアンパンツを薄い下着ごと掴むと、一気に引き下ろした。
パンネロの悲鳴と共に目に飛び込んで来たのは、息を飲む程の白い肌と、瑞々しい太もも、そして淡い色の陰毛に絡み付いているのは、パンネロが自らを愛撫して流した愛液だった。
再びバルフレアの中の、凶暴な何かが加速した。
何も知らない幼かった身体に、感じる事を覚えさせたのは他ならぬバルフレア自身だ。
怯え、恥じらう少女を根気強く宥め、性感を目覚めさせたのは自分だ。
その甲斐あってか、抱いている時の言葉も、仕草一つにしても、「あなただけしか見えていないの」と言わんばかりだった。
愛らしくも自慢の恋人だ。
自慢どころか、身体の相性もバッチリで、この少女は自分の為に生まれて来たのだと思い込む程だ。
そんな恋人が、それが例え自慰であったとしても、
(俺の手じゃなくても、こんなに濡れちまうってワケか…)
ひどくプライドが傷つけられた気がした。
バルフレアは苛立たしげにパンネロの上着をたくし上げた。
小ぶりな胸の膨らみの頂がつん、と立ち上がっている。
パンネロは顔を伏せ、ぎゅっと固く目を閉じた。
いつもなら、胸が小さいのが恥ずかしくて、なるべくなら見ないで欲しいと頼むと、バルフレアは笑いながら口づけてくれるし、意地悪モードでない時は優しくシーツをかけてくれるのだが。
行為の最中、多少からかわれる事もあったし、たまにそれが度を越す事もあった。
だが、今のバルフレアは、
(本当に……怒ってるんだ……)
パンネロは怯え、ますます固く目を閉じた。
と、同時に自分のしでかした(と、思い込んでいる)事がこんなにもバルフレアを怒らせる事になるなんて…と後悔の念が沸き、バルフレアがベルトを外す金属音に身体を竦ませながら、ぎゅっと奥歯を噛み締めた。
膝裏をぐいと持ち上げられても、声を上げる事すら出来ない。
バルフレアは折り曲げられたパンネロの右足を身体で押さえつけると、いきり立った自らを花芯の中央に押し当てた。
パンネロはその感触に総毛立ち、堪えきれずに悲鳴を上げた。
「いやっ!バルフレア!お願い!やだあ…っ!!」
再び暴れ出したパンネロを意に介さず、バルフレアは猛り切った肉棒を蜜壷にぐいと呑み込ませた。
「はあっ……ぁ、ぁっ…あああっ!!」
パンネロは甘い声を上げ、バルフレアを包んだ肉壁が奥へ、奥へと引き込むように大きくうねる。
最奥からはじゅん、と温かい愛液が溢れ、陰茎を濡らした。
思わずバルフレアはその腰を止め、顔を歪めた。
(…すげぇ。)
思わず射精しそうな程の締め付けだった。
バルフレアはその波をやり過ごすため、ゆっくりと息を吐いた。
「はあっ…は…あっ……」
ベッドに顔を半ば埋めるようにして、 激しく胸を上下させ、はぁはぁと荒い息を吐くパンネロを見下ろす。
圧倒的な体躯の差に押さえつけられる恐怖と、恋人からかつて無い程の怒りをぶつけられたことと、意に反してバルフレアを受け入れ、感じ入ってしまう自分。
そういった物がないまぜになり、パンネロは、小さな身体を抱きしめる様にして震えている。
その痛々しい姿に一瞬怯んだバルフレアだったが、繋がった部分がやたらと熱く、痺れるようで、本能が「やっちまえ」とけしかけてくる。
一方で怯えながらも男の精を貪欲に求めるパンネロの締め付けに、バルフレアもまた混乱する。
その時、パンネロが何かを呟いた。
「…………ぁ……ん……」
バルフレアは耳をそばだてる。
「……こ…に………る…の?」
パンネロは、“どこにいるの?”と言っているようだ。
思わずバルフレアが、俺ならここにいる、そう口を開きかけたところで、
「…ヴァン……」
バルフレア、崩れ落ちそうになる。
同時に、何故ここでヴァンなのだと、再び怒りに火を点けそうになり、—————その寸前で、バルフレアは漸く気が付いた。
この少女はかつて自分に付きまとっていた悪漢どもに攫われた事があったのだ。
(まさか、そん時の事を思い出してるんじゃ…)
そう考えると、何故ヴァンを呼んだのか合点がいく。
あの事件の前に、バルフレアとパンネロは初対面で、顔を合わせたのは、ほんの一瞬だった。
となると、彼女が助けを求めていたのは、
(俺じゃなくてヴァンなのは当然か…)
決してスマートとは言えないが、なんとかパンネロを救い出した後、パンネロは真っ先にヴァンの胸に飛び込んでいた。
その後、彼女はバルフレアを責めるでもなく、きれいに洗った約束の証のハンカチを返してくれた。
素直な、良い子だと思った。
巻き込んでしまった事を申し訳なく思い、あぁ、迷惑かけちまったよなぁ、二度とあんな思いはさせられねぇよなぁ…などと思っていたのに。
バルフレアはもう一度大きく息を吐くと、パンネロの膣から自らを引き抜いた。
衣服の乱れたパンネロをシーツを掛けてやり、ついでに放り出していた自分のモノもしまう。
そして、虚ろな目をして横たわるパンネロを抱きしめたものか、それともその資格が自分にあるのかで少し悩む。
おずおずと手を伸ばし、涙の跡が残る頬にそっと触れてみた。
小さく身じろぎをし、固く閉じられていた瞳がうっすらと開く。
怯えた表情でバルフレアを見て、何度かゆっくりと瞬く。
(なんて顔させちまったんだ…)
思わず顔を歪めるバルフレアに、パンネロがびくり、と身体を震わせる。
バルフレアは慌てて頭を振ると、優しく手を引き、身体を起こしてやる。
「…バルフレア…?」
まだ、唇が震えている。
畜生、とバルフレアは毒づく。
「ごめんな。」
それだけ言うのがやっとだった。
何か言葉を続けようと口を開きかけて所で、不意に柔らかい物に口を塞がれた。
パンネロからキスをされたのだと気が付いたのは、目と鼻の先にパンネロの顔が有り、その小さな手の平に頬を包まれたからだ。
唇に触れたあと、額や、額から鼻の間のくぼみ(パンネロのお気に入りだ)に口づける。
そして、潤んだ瞳でバルフレアを見つめる。
「良かった…もう、怒ってない?」
バルフレアは思わず、「何だって?」と聞き返す。
「だって………私が……えっと……一人でしちゃったり…バルフレアがせっかく許してくれるのに………調子に乗ったりしたから…だから………」
違う。
思い切り間違っている。
それを説明しようとして、バルフレアは口ごもる。
そもそも、この騒動はバルフレアのスケベ心が起こしたいたずらが発端で、パンネロにはなんの咎もない。
しかし、パンネロの誤解をとけば、くだらないイタズラの全貌がバレてしまう。
いや、それだけではない、さっきの自分で理不尽と分かりつつ、制御できなかった、あの得体の知れないヤキモチまでバレてしまうのだ。
しかし、パンネロは、「頼むから少しは疑ってくれ!」とこちらから頭を下げて頼みたくなるほど、無条件に、真っすぐにバルフレアを信じているのだ。
切れ者のはずのバルフレアだが、パンネロの天真爛漫さには歯が立たない。
なんとか言い包めようとすると、またキスをされた。
それは、さっきの触れるだけの物とは違い、大人しいパンネロにしてはとても情熱的なものだった。
驚くバルフレアの歯と歯の間を抜けて、するりと舌が入り込む。
バルフレアは思わずそれを受け止め、反射的に同じ様にして舌を絡めてやる。
「ん……ふっ……ぅ…」
バルフレアに貪られ、パンネロは満足そうな喉を鳴らす。
このままではだめだ、まずはパンネロを落ち着かせて…などという考えはあっというまに遠くへ追いやられる。
やがて、銀の糸をひいて、唇が離れると、パンネロはぽぅ…とした表情で、小さな頭をバルフレアの胸に預ける。
「…私、もうバルフレアにキスしてもらえないんじゃないかと思ってたの。バルフレアはすごく怒っていて、私なんか、もう要らないんじゃないかと思った…」
いや、その…とバルフレアがごにょごにょと言い訳をしようとするが、一番の心配事から解放され、ハイになっているパンネロがバルフレアの慌てぶりに気付くこともなく。
「本当に……寂しかったの。もう、絶対しないから…だから……ごめんなさい。」
“寂しかった”という言葉はバルフレアを舞い上がらせりのに充分だった。
愛おしさがこみ上げ、パンネロを押し倒し、今度は自らその唇を貪る。
パンネロはバルフレアの首にぎゅっと腕を回し、しがみつく。
心から安心しきったのか、甘える様に耳元で囁く。
「…あのね…」
「うん?」
首筋や耳元に口づけながらバルフレアが答える。
「久しぶり…だから…………」
「もちろん、念入りにさせていただきますよ、お姫様。」
パンネロの頬がぽっと赤くなる。
それでもうれしそうに、ふふっと笑う。
バルフレアもやっと自分のペースを取り戻し、ゆっくりとパンネロの服を脱がせていく。
ついでに、きっちりと結わえられた髪もほどき、髪飾りも外してサイドテーブルに置くと、自らも着ているものを全て脱ぐ。
二人して一糸まとわぬ姿になり、10日ぶりのお互いの感触を確かめ合うように肌をぴったりと寄せ、強く抱き合った。

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