列車の旅。(FF12/R18)

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衣服を脱ぐのももどかしくて、窓にカーテンを閉めただけで、お互いを服の上や隙間から指や唇で愛撫する。
ベッドの中でバルフレアはいつも優しくて、時々意地悪で、全てを任せきっていたけど。
バルフレア自身を手で包み込む様にして撫でてやると、“パンネロ”と呼ばれる声がいっそう熱を帯びた気がする。それはパンネロの胸と、下腹部を熱くした。
お互いを愛撫しているのに、少しの間ですら唇が離れるのが寂しい。重なった唇の隙間から漏れる息すら逃したくない。いつもより貪欲に求め、求められているのが分かる。
ただベッドに横たわり、バルフレアにしがみついていた時とは違う充実感をパンネロは感じていた。
パンネロは夢中になって、唇をバルフレアの耳元に当てる。バルフレアが呻く様に息を漏らした。と、バルフレアの手が胸元に忍び込む。柔らかい胸を手のひらで覆われただけでパンネロは可愛らしい声を上げた。
お返しにと耳元に当てていた唇を首筋に移したいのに、シャツの襟が邪魔だ。
「…バルフレア…ずるい…」
バルフレアはパンネロの言いたい事を察したのか、パンネロから一旦身体を離し膝で立つと、ベストとシャツを脱ぎ捨てた。パンネロの大好きな、筋肉質だが心地よい弾力を備えた逞しい上半身があらわになり、パンネロはうれしそうに両手を伸ばす。バルフレアは招かれるままにパンネロの身体めがけて自らの身体を沈ませる。パンネロの手が即座に広い背中に回り、背骨にそって優しく指を這わせる。
「パンネロ…」
低い声で呼ばれる。それだけでパンネロは簡単に蕩けてしまい、恍惚とした表情でバルフレアを見上げる。
「おまえから、甘い匂いがする。」
バルフレアが冗談を言っているのだと思い、パンネロが笑う。
いつもなら、ただただバルフレアにしがみついているだけのパンネロが、心から安心しきって自分に身を任せている。ぎゅっとしがみついている指が、今日は優しく背中や脇腹を撫でてくれる。うっとりとした表情と甘える仕草は蜂蜜の様な甘く優しい色香を放っている。
「本当だぜ。ほら、ここだ。」
バルフレアの唇が首筋を這う。
「ここもだ。」
首筋から鎖骨へ。
「甘いの?どんな味?」
「蜂蜜みたいだ。」
そう言って、柔らかい胸の頂にある淡い色をした乳首を優しくふくむ。
感じるよりもくすぐったさが勝つのか、まだクスクスと笑っていたパンネロだが、その声は徐々に艶を帯びる。ぴん、と尖った頂を舌で転がされ、もう片方の乳房を大きな手の平ですくい上げる様にして揉まれ、パンネロの喘ぎ声が高まる。
「あっあっ…んっ……は…ぁ…」
パンネロは大きく背中を反らせ、胸元にあるバルフレアの頭を抱き、優しく撫でる。
こんな風に抱き合うと、いつもは背の高いバルフレアに抱きしめられているのが、逆に抱きしめているみたいでなんだかうれしい。バルフレアがいつも自分にしてくれるようにパンネロは優しく頭を撫で、切ない吐息を耳元に吹きかける。
「んっ……あ、バルフレア…」
さっきバルフレアは自分のことを蜂蜜みたいだ、と言った。優しい愛撫と名前を呼ばれる低い声で、本当に蜂蜜みたいにとろとろと正体をなくして蕩けてしまって、赤いアラビアンパンツがいつの間にか下ろされていたことに気付かない程だ。
バルフレアの唇が胸から腹へと下がってくる。脇腹に軽く歯を立てられた。パンネロの身体はそれだけで柔らかくしなる。
そこも甘いの?と尋ねようかと思ったが、身体の中を巡る熱を吐息にするのに忙しくて出来ない。
バルフレアは柔らかく脂肪がのった腹の中心にある可愛らしくくぼんだ臍をそっと舌で撫でた。
「やぁ……ん…っ」
今度は脇腹を優しく撫でられながら、舌先が臍を探る。
「ん…っ…あ、…ゃぁ…っ…。」
下半身がどんどん熱くなって、今すぐその熱の中心にバルフレアが欲しくて腰をくねらせる。
「嫌か?」
早く欲しいのを知っているのに、そんな意地悪を言う恋人が憎らしい。こっちはそんな一言にすら思考が溶かされてしまうというのに。
「ん……やっ、早…くぅ……!」
パンネロは子供の様にいやいやと首を振り、ねだる。なんて可愛いのだろうとバルフレアは有頂天になる。いつもなら意地悪の一つでも言ってさらに啼かせてみるのだが、そんな余裕が簡単に吹き飛ぶ程だ。
パンネロのむっちりとした太ももに手をかけ押し上げる。
いつもなら恥ずかしがって暴れるのが、今日は潤んだ瞳でバルフレアを急かす。
バルフレアは温かく湿るそこを舌全体で覆い、ざらり、と舐め上げた。
「あっ、あ、あ……!」
バルフレアの舌がうねると、合わせてパンネロの身体が大きく波打つ。
「きゃあっ!」
舌を尖らせ、先端にある花芯をつついてやると、待ちかねた刺激は瞬く間に身体中を駆け巡り、パンネロに呼吸すらさせる事を許さない。
「あん…っ……あぁ……バルフレアっ…」
よっぽど感じているのだろう、パンネロは身体を震わせ、きゅっと閉じた目尻からぽろぽろと涙を零す。バルフレアは跳ねるパンネロの腰をしっかりと押さえ、そこへの愛撫を続ける。
「あ…ぁ…っもう……だめぇ……っ…」
パンネロは堪えきれずに、少女の声で泣き出しそうな悲鳴を上げる。
柔らかい腹が波打ち、涙をたたえた茶色の瞳が見開かれる。
パンネロはバルフレアの髪をくしゃくしゃにかき乱し、身体を大きく痙攣させ、ぐったりとソファに崩れ落ちた。
バルフレアは直ぐさま口元を拭い、優しくパンネロを抱き寄せた。
パンネロはうっすらと目を開き、バルフレアを見上げる。
「ふふ、髪がくしゃくしゃ。」
「誰のせいなんだ?」
「あぁん、だってぇ…」
パンネロは甘い声でバルフレアの逞しい胸板に頬を擦り寄せ、頬に触れたバルフレアの乳首にそっと歯を立てた。驚いて反射的に身体を引いてしまったバルフレアに、パンネロはまたクスクスと笑う。
「今度は私が食べるの。」
「俺がどんな味がするのか確かめるのか?」
うれしそうに頷くパンネロ。好奇心の塊になって、セクシャルな雰囲気は全く感じられず。
(まぁ、それも良いさ。)
バルフレアの返事を待たずに、パンネロはバルフレアの胸元から腹にかけて筋肉をなぞる様に舌を這わせる。さっき自分がされたのと同じ様に脇腹に歯を立てたり、臍を舌でなぞったり。
(ちょっと、しょっぱい…かな?)
パンネロはそう言おうとしたが、バルフレアの腹筋がひく、と引きつったのを見て慌てて口を噤んだ。そのままベルトを外しファスナーを下ろす。
パンネロは注意深く中からバルフレア自身を取り出すと、その先端に優しく口づけた。その先端からは既に精液が溢れていて、
(今度は…少し、にがい…)
パンネロの思っている事が分かったのか、バルフレアが苦笑いを浮かべる。
いつもと立場が逆転しているのがなんだかおかしくて、何よりも自分の愛撫に反応してくれているバルフレアが愛おしくて。
先端に溢れたいた物を優しく舐めとりながら、両手で茎の部分を優しく撫でる。
思わずどこで覚えたんだと言いたくなるような繊細な手技に、バルフレアは大きく息を吐いた。
パンネロは小さな舌で、今度はくびれた部分から根元にむかって丹念に舐める。
口の中に苦い味が残っているし、顎が疲れるけど、触れる度にバルフレア自身が蠢き、硬く張りつめていくのに夢中になっていった。
「…こら。」
不意に肩をつかまれ、そっと身体を離された。パンネロは不満げに顔を上げ、バルフレアを見上げる。バルフレアは唇をへの字にして眉を顰め、何かに耐えている様な表情だ。パンネロがその表情に見とれている隙に、バルフレアはパンネロを膝に乗せると、中指を膣内に滑り込ませた。
「あっ、やんっ……!」
バルフレアは先ほどの仕返しとばかりにパンネロの内を責め立てる。
「あ……、あっあ…」
いたずらな表情は成りを潜め、パンネロは再び艶っぽい声を上げる。
下腹部でくすぶっていた熱にふいごで空気を送り込まれた様だ。
でも、もっと熱を煽りたいのに、もう指なんかでは足りなくて。
パンネロは息も絶え絶えになってバルフレアに懇願する。
「バルフレア…ね……もう…」
もしさっきのイタズラのせいで、また焦らされたらどうしよう…そんな不安が過る。
しかし、バルフレアはパンネロをソファに横たえると、目を細めてその瞳を覗き込む。
パンネロはうれしくて、そっと足を開き、バルフレアを受け入れた。
「あぁ……っ!」
ゆっくりとバルフレアが押し入ってくるのに、パンネロはうっとりとした声を上げた。そうして、何度も何度も恋人の名を呼ぶ。
肉欲が満たされるだけでなく、バルフレアが自分を愛おしく思ってくれるのが分かって切なくなる。バルフレアが好きで好きでどうしようもない。どうすればこの気持ちが伝えられるのだろう?
パンネロはバルフレアの背中に回した腕に力をこめた。いつもなら恥ずかしくて出来ないけど、自らも腰を浮かせ、バルフレアをより奥へと促す。深い所で繋がると、意識して内部を締め付けた。
バルフレアも応える様にパンネロを強く抱きしめる。頬、胸、腕、腰、身体の全ての部分がぴたりと合わさる。
バルフレアを深く受け入れようとすると、今度はバルフレアが愛撫を返してくれる。
穏やかな波が幾重にも重なるようで、身体だけでなく心まで満たされていく。
どうして今まで躊躇っていたのだろう?もっと早くに気付けば良かったとその事を告げようと口を開いた所で、不意にバルフレアが動き始めた。
「あぁんっ!」
奥の一番敏感な部分を突かれ、パンネロは一瞬で意識が飛んでしまいそうになる。
それでもパンネロは唇を噛み締め、バルフレアの動きに合わせて腰を動かす。
「あっ…!バルフレア…バルフレア…!」
さっきバルフレアが自分の方がパンネロの事が好きだと言っていた。それに応える為に自分の方がバルフレアを好きだと言ったけど、
「…っ……そんな……こと、…ない…っ」
パンネロはバルフレアの耳元に唇を寄せ、忙しない吐息の合間に必死に囁きかける。
「わたし…達、同じくらい…すき……」
身体を密着させ、深い場所で繋がり、動きがシンクロして。
「…でしょ?」
「…そうだな。」
バルフレアが答える。
「だが生憎と、俺は負けず嫌いなんだ。」
バルフレアはにやりと笑って見せるとパンネロの身体を抱え、ぐいと身体を起こした。
「きゃぁあっ、あ、あっああ!」
一気に深まった結合にパンネロは悲鳴を上げた。
そのままバルフレアはは一気に腰の動きを速める。
パンネロの最奥を擦り、強く腰を打ちつける。
容赦のない責めににパンネロの喘ぎ声はかすれ、バルフレアにただただ揺さぶられるだけだ。
そしてバルフレアが一際強く自身をぐっと捻じ込む。
「あっ、あああーっ……!」
パンネロは喉を大きく反らせ、バルフレアの肩に爪を立てて達し、その時の激しいうねりがバルフレア自身を溶かし、飲み込んだ。
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肩で息をしながら、バルフレアが優しく抱きしめてくれる。
事後の後に漂う嗅ぎ慣れた汗の匂いと体臭、整髪剤の香り。
この瞬間、パンネロはとても幸せな気持ちになる。
「バルフレアの、負けず嫌い……」
そう呟いて笑うと、バルフレアは優しく髪を梳いてくれる。
心地よい疲労と汽車の振動で、パンネロはまたとろとろと微睡みかけ、慌てて頭を振る。
「どうした?」
「ダメなの。このままだと寝ちゃう…」
「さっき昼寝しかけてただろ?丁度良い。」
「だって、着いた先で眠くなっちゃったら…」
可愛らしい台詞にバルフレアも幸福感に満たされ、パンネロの額に優しく唇を落とす。
「それなら心配いらない。」
パンネロが驚いて顔を上げる。
「着いたら、果樹園のハンモックで昼寝だからな。」
パンネロはうれしそうにバルフレアに身を預ける。
「素敵!それなら安心ね。」
そう言って、バルフレアに気付かれない様に小さくアクビを一つ。涼しい木陰のハンモックも、この心地良さには敵わないだろうな、と思いながら。
「ねぇ…バルフレア?…どうしてバルフレアは…私をあちこち連れて行ってくれるの?」
ふと思った事を口に出したら、バルフレアの手が止まった。
「ラバナスタは……あまり…好き…じゃないの?」
声がだんだん小さくなる。もう眠りに落ちる寸前なのだろう。
正直に話したものかと、バルフレアは少し悩んだ。
両親を亡くし、戦争で辛い目にあった幼い恋人をこれ以上悲しませる物は何も見せたくない。楽しくて、幸福そうな物だけを見せたいからだと言ったら、甘やかさないでと怒るだろうか。
「おまえが居れば、どこだっていいさ。」
そう呟いてパンネロを覗き込むと、思った通り、既に穏やかな寝息を立てていた。
バルフレアはパンネロの頬をそっと撫で、ソファの下に落ちていた自分のシャツを拾うとパンネロにかけてやる。
それから自分もその横に横たわり、蜂蜜みたいなパンネロの髪に口づけて抱きしめた。
良い香りのする果樹園のハンモックも、この心地良さには敵わないだろうなと思いながら目を閉じた。



しりお様が作中の作中でくつろぐ二人を描いてくださいました!(クリックでイラストのページへ)
掲載先にて「列車の旅」の二人はこんな感じとコメントされてましたので、図々しくもこちらも掲載させていただきました。2人の間にとても優しい時間が流れてるのが伝わってきて本当に素敵です!(2人のページは7ページめ。R18です)
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