情けないクラウド(FF7/R18)

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「きゃああっ……!!」
ティファは悲鳴を上げた。
フイと身体を離したかと思うと、クラウドはティファの足を大きく開かせたのだ。
クラウドの頭がゆっくりとその部分に近付く。
膝頭を閉じようとしても、がっしりと押さえられてそれも出来ない。
「クラウドっ!やめて………あああっ!!」
言いかけたティファの身体がのけ反り、そしてベッドに深く沈んだ。
達したばかりのそこを、クラウドの舌がノックする。
敏感になっている部分をさらに刺激され、快感が背筋を駆け上がり、頭の中で弾ける様だ。
こんなこと、今までしたことがない。
「おねがい……やめて………」
恥ずかしくて、頭がおかしくなりそうだ。
彼女の懇願も悲鳴も耳に入らないのか、クラウドは彼女の太腿と腰をがっちりと押さえ、その愛撫を止めようとはしない。
ベッドの上で跳ねる、すらりとした左足を器用に右肩で押さえると、ぱっくりと開き、愛液の滴るそこにゆっくりと指を埋めた。
やがて指が2本に増やされる。
体内で蠢く指が、くちゅっといやらしい音を立てる。
「ぅんっ…あ…!」
ティファは絶え間なく押し寄せる快感を逃そうと身を捩る。
いつもと違うクラウドに驚いていたが、
それ以上に飽きることなく感じる自分の身体にも戸惑いを隠せない。
(だって…また…)
息が苦しくて、どうしようもなく身体が熱い。
早く、早く、楽にして欲しい。
クラウドだって、もう分かってるはず。
「クラ…ウド…もう、ダメ…なの…」
微かにクラウドが頷いた気がする。
やがて、ティファの甲高い悲鳴が7th Heavenに響き渡った。
余韻に浸り、切なげな表情のティファをクラウドは抱きしめた。
この時のティファは儚げでいやらしくて…
そしてこの表情を独り占め出来るのは自分だけなのだ。
一度に色々な感情がこみ上げて、抱きしめられずにはいられない。
「ティファ…」
腕の中で、ティファが微かに身じろぐ。
「…いいか?」
「…無理……だよ…」
息も絶え絶えにティファが呟く。
「だって……私……」
あれほどの快楽を味わった後だ。
これ以上、事を進めると、自分の身体はどうなってしまうのだろう?
しかし今のクラウドにはティファの言葉は甘い睦言にしか聞こえていない。
ゆるく足を開かせ、どうしようもなく、熱く猛りきった塊を
ティファの最も柔らかい場所にあてがう。
「大丈夫だ…」
何が大丈夫なのかと呆れてしまうが、この熱を鎮める方法は一つしかないのだとティファも覚悟を決める。
クラウドがゆっくりと侵入してくる。
「ん…」
ティファが小さく喘いだ。
奥まで収めてしまうと、クラウドは大きく息を吐き、最初はゆっくりと動き始めた。
クラウドの動きが早くなるにつれ、ティファは嫌がおうにも押し上げられていく。
もう、声さえ出ない。
力なくクラウドに揺すぶられているだけだ。
なのに、体内に感じるクラウドを締め付け、そこから余す事なく感覚を吸い上げようとする。
「…ティファ…」
名前を呼ばれ、うっすらと瞳を開くと、すぐ近くにクラウドの顔があった。
気が付くと背中に手を回され、繋がったままで身体を起こされた。
「……あぁぁぁぁ!」
より深く貫かれ、クラウドの膝の上で大きく身体がのけ反る。
なだめる様にクラウドが引き寄せる。
ティファは泣きじゃくりながらクラウドの名を呼ぶ。
その様子が愛おしくてたまらない。
「ティファ…ティファ…」
忘我の体でクラウドの肩に顔を埋めていたティファがゆっくりと顔を上げる。
吸い込まれそうな青い瞳に見つめられた。
「すごく…………」
何?と聞き返そうとした途端、クラウドの動きがより激しいものになる。
「……やっ……待っ…て……もうっ……あっ……!」
クラウドの首にしがみ付く。
耳元で彼の荒い呼吸が聞こえる。
繋がったその部分でクラウドの放った熱を受け止めた。
目の前が真っ白になり、
身体の中で何かが一気に弾けた。
「ティファ…」
優しく呼ばれ、汗で額や頬に張り付いた髪を優しく梳いてくれる。
顎を軽く持ち上げられ、クラウドの唇が近付いて来た。
うっとりと受け入れかけたそれを、ティファは反射的に押しのけた。
驚くクラウドを後目に、彼に背を向けると毛布を頭から被る。
「ティファ…???」
さっきまであんなに可愛い声を上げ、自分にしがみついていたティファが何故急にこんな態度を取るのか、クラウドにはさっぱり見当が付かない。
「どうしたんだ…?」
オロオロと、ティファの背中に話しかける。
「…………怒って…いるのか?」
信じられない…という口調に、ティファも黙っていられなくなる。
くるりとクラウドの方に向き直ると、文句の一つでも言ってやろうと口を開きかけた。
すると。
クラウドの青い瞳が、まるで置いてけぼりを喰らった子供の様に不安げに自分を見つめているのだ。
ティファは怒りがすぅっと鎮まり、逆に笑いがこみ上げるのを必死で堪えた。
(だけど、このままじゃ…ね?)
「ええ。怒っているわ。説明してくれる?」
すると、クラウドは気まずそうに顔を伏せてしまう。
「私、“こんなのは嫌よ”って言ったわよね?」
クラウドは必死に言葉を探している様で、時折口を開きかけては頭を振り、申し訳なさそうに頭を掻いたりする。
長い長い沈黙の後、やっと、
「ティファが…」
「うん?」
よほど話し辛いのか、目が泳いでいる。
「いつも……その、余裕だから。」
「え?」
話が見えて来ない。
「どういう事かしら?」
ここで追い詰めると、クラウドが何も言えなくなってしまう。
ティファはそう判断すると、起き上がってクラウドの顔を覗き込む。
「ティファは…なんでもお見通しだし、俺が誘っても気乗りしない風で…」
「え?」
「いや…!気乗りしないんじゃなくて…その…」
「つまり…私が積極的じゃないってこと?」
「そうじゃない。」
ますます分からない。ティファは小さく溜め息を吐いた。
「クラウド、言葉を選ぶのはいいけど、正直に話さないと何が言いたいのか分からないわ。」
この後、クラウドから言葉を引き出す労力は大変な物だった。
「いつも自分から誘うがティファは素っ気ない。」
「どうやって誘おうか悩んでいるのも見透かされているようだ。」
「抱いてる時も、目の前の自分よりも子供達の事を気にして自制している。」
乱暴だが、要約するとこんな感じだ。
(笑っちゃ…ダメ…)
ティファはこみ上げる笑いをごまかす為にコホンと咳払いをする。
「誘った後の反応すら見ないで、勝手に一人で照れてシャワールームに消えてしまったのはどこのどなたかしら?」
しゅん、と項垂れていたクラウドがおずおずと顔を上げる。
「あの後、私がどれだけ真っ赤になっていたか…クラウドに見られなくて良かったわ。それに…」
クラウドの頬にそっと手を当てる。
「ねぇ、クラウド。私、あなたと二人きりの時だけ…コロンを着けるのよ。トワレって言って、香水の軽いのだけど。あなたは知ってたのかしら?」
クラウドは小さく首を横に振る。
「ね?私も、あなたと同じくらい…ううん、あなた以上にドキドキしているのよ。だからそんな風に考えたりしないで?ね?」
そして、優しくクラウドにキスをした。
こういう時のクラウドは子供みたいで、そこが愛おしくてたまらい。
「ねぇ…さっき…“すごく”って言いかけたでしょ?」
「…あぁ。」
「あれは、なんて言いかけたの?」
「…言わなきゃ、だめか?」
「でなきゃ、許してあげない。」
クラウドは大きく溜め息を吐くと、ティファの耳元に何やら囁いた。
「………」
「本当?」
ティファの顔がぱっと華やぐ。
「うれしいわ、クラウド。でも…あんな時に言われると、ちょっと恥ずかしいな。」
ティファにつられて、強ばっていたクラウドも漸く笑顔に戻ったのだった。
この話はここまでなのだが、翌日、事の経緯を思い返し、結局、自分がティファに甘えていただけだと気付いたクラウドがどんよりずっしりと落ち込んでティファを困らせるのだが、それはまた別のお話で。
おわり。
 


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