空気が読めないクラウド

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昨夜、カーテンを閉め忘れたせいか、眩しくて目が覚めた。
ティファは、“わぁ、いいお天気”と小さく呟くと隣に寝ている男を見る。
男は逞しい腕をティファの身体に回し、子供の様な顔でまだ寝ている。
その寝顔を見て、ティファはくすりと笑う。
昨日、甘い言葉でさんざん自分を鳴かせた人物とはとても思えない。
子供達が泊まりがけでバレットの所に行っているので、お誘いがあるのは分かっていたが、
昨日は少し張り切り過ぎたようだ。
どことなく甘えた表情でティファの肩に額をくっつける様にして眠っている。
巻き付いている腕をそっとほどき、起こさない様にそっと上体を起こす。
男が寝ているのをいい事に、何も着ていないまま、うぅ〜んと大きな伸びをする。
ついてに、腕だけでストレッチの様な、踊りの様なポーズを取ってみる。ふと胸元を見ると、ミルクの様に白く滑らかな肌に紅い跡が付いている。
いや、胸元だけではない、肩、鎖骨…
シーツを捲ればそこにも付いているのだろうが、ティファにはとてもそれを確認する勇気がなかった。
自分の身体に花びらの様に散った跡が情事を思い出させ、ティファは一人赤くなる。
(やだ…)
腕を胸の前で交差させても、朝の明るい光が見逃さないぞ、と言っている様で。
(…もう!)
ティファはぷぅっと頬を膨らませると、隣に眠っている男に声を掛ける。
「クラウド。」
反応はない。
「ねぇ…いいお天気だよ、起きて?…きゃっ!」
気が付くと、視界がぐるりと入れ替わり、目の前にクラウドの顔があった。
「おはよう。」
そうして、顔中にキスの雨を降ってくる。
「ん…もう、起きてたの?」
「あぁ。お陰でいい物を見させてもらった。」
「見てたの…?」
ティファが抗議の声を上げると同時に唇が塞がれた。
それは“おはようのキス”とはほど遠い濃厚な物で。
こんな朝からと必死でクラウドの身体を除けようと突っ張る腕もあっという間に押さえつけられる。
クラウドは自分の身体の下から逃れようとするティファを身体ごと押さえ込み、やがて、ぐったりとキスを受け入れるのを確認すると、漸く唇を離した。
ティファは目尻に涙を浮かべながら恨めしげにクラウドを見上げる。
クラウドはフッと笑うと、再びティファの唇を塞ぐ。
逃げる舌を追い、絡めとる。
息苦しいのか、ティファがいやいやと首を振り、唇が離れると今度は首筋に舌を這わせる。
「やっ…だめ…ぇ…」
ティファが息も絶え絶えに抗議する。
「も…う…こんな…に明るいのに…」
「ティファが悪い。」
耳元で囁かれ、くすぐったくて身体を縮めるティファの耳たぶを柔らかく噛む。
「きゃっ!」
甘い悲鳴を上げて、きゅっと自分にしがみついてくる腕の中の恋人が可愛くて仕方がない。
「朝っぱらから、誘惑するからだ。」
朝日を受けて白い身体が輝いていた。ティファの細い腕が軽やかに舞うのを、クラウドは息を詰めて見つめていたのだ。
しがみついて来る腕の隙間を縫って固く閉じられた胸元に指を忍び込ませると豊かな乳房を手で包み込み、指先で乳首を転がす。
「…んっ…あぁっ…!」
昨夜さんざん嬲られたそこは敏感になっていて、ティファは声を必死に噛み殺す。
が、もう片方を口に含まれ、軽く歯を立てられただけであっけなく声が漏れる。
「んっ…あ…んっ…」
もうとろとろに蕩けているのに、それでも恥じらって声を堪えるティファの初々しい所がクラウドには溜まらないのだ。
だが、同時に苛めてみたい気持ちも押さえられない。
クラウドの右手が胸を離れ、ゆっくりと降りて行くのをティファは両手で手首を掴み、必死に止めようとする。
「ティファ…?」
「ね…ダメ…」
「本当に?」
クラウドの笑顔に、ふっとティファの手から力が抜ける。
その隙に茂みの奥に指を這わせると、そこは既に十分に潤っていた。
それを知られるが恥ずかしいのか、ティファはクラウドの顔に埋め、きゅっと目を閉じている。
「ティファ。」
呼ばれて、ティファがおずおずと顔を上げる。
クラウドは触れるだけの優しいキスをしてやる。
「可愛いよ。」
恥ずかしい場所に手をあてがわれたままで、落ち着かない状態でそんな事を言われても。
「ずるいよ。いつもそうなんだから…」
クラウドは唇を尖らせるティファにまたキスをする。
「悪い。でも、本当の事だろ?」
さらりと言ってのけるクラウドにティファはまた赤くなる。
「…なぁ、本当にダメか?」
真剣な顔。
じっと見つめられると、分かっていてもダメとは言えなくなる。
(でも、いいって言っちゃったら…その…私もしたいみたいだし…)
クラウドは目を反らさせてくれない。
ティファはきゅっと唇を噛み締めると、クラウドの腕にしがみついていた手をほどき、ゆっくりと腰に回し、少し悩んでから、硬く勃ち上がっているクラウド自身にそっと触れる。
両手で包み込む様にして撫でると、ゆっくりと動かす。
クラウドは素直ではないティファに苦笑いを浮かべる。
だが、ティファの柔らかな手が自分のモノを撫でるだけで身体中の熱がそこに集まる様だ。
クラウドは少し眉を寄せ、小さく息を吐くと、クリトリスをそっと撫でる。
「あぁっ…!」
大きく身体をのけ反らせるティファのそこを中指で優しく擦り上げる。
「あっあっ…あぁ…っ!」
キュッと軽く摘んでやると、一際大きな声が漏れる。
自分の身体の下で快感に溺れるティファの姿と、流されながらも、つたなく動く手。
(これだけでイッちまいそうだ。)
クラウドは名残惜しげにティファの手を優しく退かせると、ティファの膝を大きく開かせた。
明るい室内で全てを晒され、ティファは悲鳴を上げる。
クラウドの顔がそこに近付いて来るのに、ティファは必死で足を閉じようとするが、太腿をしっかりと押さえられ、それも出来ない。
「いや…っ!お願い、クラウド…ああああああっ!」
ぷっくりと膨らんだクリトリスを舌で突つかれ、蜜の溢れる場所に指を埋められ、ティファの上体が大きく波打つ。
やがて指を入れたその場所から蜜が流れる様に溢れ出し、拒絶と懇願の言葉は甘い吐息に変わる。
「んっ…あぁ…ん…クラ…ウド…っ」
吐息が忙しげに漏れ、大きくのけ反ったかと思うと不意にがくんと力が抜ける。
ぴくんぴくんと身体が痙攣している。
絶頂の波に押し上げられている時だ。
「ね…クラウド…わ…たし…」
「うん?」
わざと唇を離してみる。
「や…っ!」
「止めないで欲しい?」
イク寸前ではでさすがに意地を張り続けられないようだ。
「イキそうか?」
今度も素直に頷く。
クラウドは再びそこに顔を埋めると、愛撫を再開させる。
「んっ…あっあっ…もうっ…だめ…っ…」
舌先に触れる真珠がひくひくと蠢く。
しがみついてくる腕に力が籠る。
「あああああああーっ!」
ティファはクラウドにしがみついたまま、大きく身体をのけ反らせ、やがてぐったりと崩れ落ちた。
「…ん…あ…」
余韻に小刻みに震え、しがみついてくるティファに、もう我慢出来ないとクラウドは己自身を突き立てた。
「だめぇっ…まだ…あっ…あーっ!」
達したばかりのティファは嬌声を張り上げ、クラウドにしがみつく事しか出来なかった。
その後、すっかり拗ねてしまったティファのご機嫌を直すのは大変だった。
しかもうっかり、
「でも、すごく良かったんだろ?」
などと言ってしまったので、その日一日口をきいてもらえなかったクラウドだった。
おわり。


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