パンネロのあくび。(FF12/R18)

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ベッドに入ってさっそく組み敷いたパンネロがか細い腕で必死に自分を押し返し、何やら言っているなと思っていたら、
「…いつもと違う事がしたい…?」
パンネロは漸く攻撃の手を緩めたバルフレアを押しのけると
「そうよ。だって…バルフレアって毎晩…それ…ばっかりで…」
あっという間に解かれていた寝間着の胸元のリボンを結び直しながらパンネロが答える。
“それ”と言った時に声が小さくなって俯いてしまったのがかわいらしく、バルフレアはちょっとからかってみたい気分になる。
「へぇ…それって…こういう事か?」
正面からパンネロを引き寄せて、そっと耳たぶを噛んでみる。
「きゃ…っ」
パンネロは小さく悲鳴を上げて身体を竦ませると、慌てて身体を離し、キッとバルフレアを睨む。
「もう…!だから、そういう事よ。」
「なるほど。…で、違う事の代わりに何をするつもりだ?」
からかう様な物言いを気にするでもなく、
パンネロはうれしそうに、
「あのね!お話。」
「お話ぃ〜?」
明らかに不満げなバルフレア。
「そうよ。パパとママは私が“おやすみなさい”って言いに行くと、いつもソファに並んで座って二人でお話していたの。パパはお酒を飲みながら。ママは編み物をしたり…」
パンネロの目が遠くを見ている物になる。
きっと平和だった頃の家族との団らんを思い出しているのだろう。
パンネロにとって両親は理想的な夫婦だったようだ。
自分もその様になりたい…そんな幼い願いからの提案だろうが、
(…お話…ねぇ…)
未だ蜜月気分のバルフレアとしては出来れば身体でお話したいのだが。
しかし、女性からのお願いは出来るだけ断りたくない。
ましてや、しっかりしているようで、まだまだ夢見がちな幼い恋人の願いだ。
「分かった分かった。」
降参だ、と言わんばかりのバルフレアにパンネロは満足げだ。
安心した様に頭を肩に預けて来る。
その小さな頭を優しく撫でてやると、ほんわりと甘い香りがしてクラクラする。
さて、どうやって主導権を自分に取り戻すか…
バルフレアは頭を巡らせる。
思い付いた方法は、パンネロの願いを逆手に取った物だ。
三つ編みをほどいた後で緩やかなウェーブが残る髪を指に絡めながらさり気なくパンネロの身体を引き寄せる。
バルフレアが邪な考えを持っているとは思いもよらないパンネロは素直に身体をバルフレアに預けて来る。
「で、何を話すんだ?」
耳元で囁くと、くすぐったいのかパンネロは肩を竦める。
「もう…!だめって言ってるでしょ?」
「悪い悪い。じゃあこれでどうだ?」
バルフレアはパンネロの肩を抱えると、正面を向かせる。
今度は顔が近すぎて、パンネロはもじもじと顔を伏せてしまう。
「うん?どうした?」
「そんな…近くで見つめられたらお話なんて出来ないよ。」
なんだか思っていたのと違うし、今夜は“しない”事になっているはずがどうしてこんないたずらばかりするのかパンネロには理解出来ない。
「じゃあ、これでどうだ?」
今度は反対側を向かせると、背中から覆い被さる様にして抱きしめる。
「バルフレア…」
パンネロは不安げに肩越しにバルフレアを見る。
二人の間にまるでジャッキの様に自己主張しているモノがあるのだ。
「話をするんだろ?どうして黙り込む?」
バルフレアが二人の間にあるモノをパンネロの腰にぐいっと押し付けると、その塊の熱と硬さにパンネロは思わずきゅっと目を閉じる。
それに気を良くしたバルフレアは首筋にかかる髪を掻き分けて現れたうなじに唇を付ける。
「だめ…っ!バルフレア…」
逃げようとする身体をしっかりと抱きしめ、左腕を腰に回し、右手で柔らかい胸をわし掴みにする。
肩越しにパンネロの柔らかい頬にキスをし、そのまま舌は耳朶を舐める。
いつもならすぐに可愛い声が漏れるのだが、パンネロも意地になっているのだろう、声を出すまいと唇を噛み締めている。
(やれやれ…強情なことで。)
寝間着の薄い生地越しに乳房の先端がつんと立ち上がっているのが分かる。
それを摘み、指先で転がしてやる。
「やぁ…っ…あっ…」
これだけで力が抜けてしまい、パンネロぐったりと身体を預けてくる。
「バルフレア…ずるい…」
肩越しにうらめしげに自分を見上げる瞳がもう潤んでいる。
「やっと口をきいてくれたな。どうしてずるいんだ?」
「だって…ぁ…お話…するって…」
「話なら今している。」
首筋を愛撫する合間にバルフレアは端的に答える。
「違う…の…こんなんじゃ…なくて…」
ともすれば流されてしまいそうになる中、パンネロは漸く気が付いた。
確かに両親は仲良さげに会話をしていたが、
(パパとママは何を話していたのかしら…)
ここに至って漸く自分がその雰囲気に憧れていたのであり、バルフレアと何を話すかまで考えが及んでいなかった事に気が付いた。
しかし、今更それを言い出す事も出来ず、途方に暮れてしまったパンネロ。
その困り果てた表情に、バルフレアは自分の思惑通りに事が進んでいるのを知る。
パンネロにとっては不本意かもしれないが、ベッドの中でのこうした悪戯でいつもは涼しげなその瞳が泣き出しそうになり、抗議する様に自分を見上げる瞬間がバルフレアにはたまらないのだ。
バルフレアはパンネロの顎を軽く掴んで上を向かせると、自分の唇をパンネロのそれに重ねる。
「…んんっ」
バルフレアの舌が小さな唇を割り、歯列をなぞり、更に奥へ、奥へと入っていく。
舌を吸われ、口内を蹂躙され、パンネロはくぐもった悲鳴をあげた。
これ以上余計なお喋りが出来ないようにとパンネロの唇を塞いだまま、左手は襟元から忍び込ませ、乳首を指で転がしたり、挟んだりして刺激する。
右手は寝間着の裾から中へと潜り込ませ、ゆっくりと内股を伝い、既にしっとりと濡れている下着越しに指を滑らせる。
そこから淡い疼きが走り、そのタイミングを見計らって唇を解放されたパンネロは小さく“あぁ”と声を漏らす。
異なる場所を同時に責めるバルフレアの指遣いにパンネロの身体はあっという間に快感に支配され、声を押さえる事も出来ない。
「は…あぁっ……バルフレア…い…や…こんなの…」
ほんの僅かな指の動きで身体をぴくんと跳ねさせ息も絶え絶えなパンネロが必死に何かをうったえている。
バルフレアはほんの少しだけ指の動きを緩め、それを聞いてやる。
「…お願い、灯りを消して…」
「ダメだ。」
「それに…着たままって、なんだか…却って恥ずかしい…の…」
「“いつもと違う事がしたい”んだろ?」
パンネロの耳許でからかうような口調で囁く。
「…!い、意地悪っ…!」
真っ赤な顔をプイッと逸らし、恥ずかしそうな口調でパンネロの表情があまりにも可愛らしくてバルフレアは思わずパンネロの唇にキスをする。
今度のは先ほどのとは違い、優しいものだった。
唇が銀色の糸をひいて離れると、バルフレアはそれを指先で優しく拭ってやる。
「…やっぱり、バルフレア、意地悪。」
唇が離れた途端に怒るパンネロにバルフレアは吹き出しそうになる。
「…何の事かな?」
そう言うと、緩めていた動きを再開させる。
「やっ…!だめ…ぇ…っ…!」
薄布の下着をずらし、直接そこに触れたバルフレアはぐっしょりとそこを濡らす愛液の量に思わずほくそえむ。
クリトリスの周りの表皮を人差し指と薬指で器用に剥いてやると充血してぷっくりと膨らむ突起が顔を出す。
蜜を中指に絡めとり、優しく上下させて擦ってやる。
乳首を弄っていた指も先端を強く揉み、より一層強い刺激を与え続ける。
「あっ…っ…あ…ダメ…ぇ…イっちゃ…う…!」
後頭部をバルフレアの胸に擦り付ける様にし身体を仰け反らせてよがっていたパンネロの全身に痙攣が走る。
程なく感電したかのようなピリピリした刺激が小さな突起から全身に広がり…
やがてパンネロはぐったりと崩れ落ち、バルフレアはその身体を抱きとめてやる。
が、快楽の余韻に浸り、ひくひくと震えているパンネロの肉芽をなぶる指は止めない。
痛みと快楽の両方がパンネロを襲う。
それまではなんとか声をひそめていたパンネロだったが、これには溜まらず悲鳴を上げた。
「バ…バルフレア…っ!そ…そこは…もう…だめぇ…!」
バルフレアは腕の中で暴れ、あられもない声を上げるパンネロをしっかりと抱え、逃げ出す事を許さない。
「あ…!あ…!お…願い……あぁっ!」
そして、二度目の絶頂がパンネロの身体を駆け巡り…
「やぁっ!も…っ…、あぁっ、あぁぁ——っ!」
バルフレアはあっけなく達してしまい、ふるふると小刻みに震えるパンネロの身体を正面向きに抱え直した。

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