パンネロのリベンジ!(FF12/R18)

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パンネロがいやいやと頭を振る度に髪がさらさらとシーツに広がる。自分を抱きしめる様に胸の前で交差した腕、ぴんと伸ばされた足。自分の物を喰いちぎらんばかりに締め付けて来るパンネロの熱に流されながら、こんな時でも何故この少女はこんなにも美しいのだろうとバルフレアは思う。
「もっと…見せてくれ。 」
忘我の体のパンネロにはバルフレアが何を言っているのか分からない。何?と問いかけようとすると、後ろを嬲っていた指が離された。
「……え?」
バルフレアは手を伸ばすと、窓を覆っていたカーテンを開け放った。薄暗い部屋に朝の日差しが差し込む。
「いやあぁぁぁぁぁぁ……っ!」
全てを陽の下に晒され、パンネロは誓いも忘れ、悲鳴を上げた。
「…いや…じゃないだろ…」
バルフレアの息が荒い。明るくなった瞬間、パンネロの膣内からおびただしい量の愛液がどろり、と分泌され熱を持った襞がより一層強くバルフレアに絡み付き、締め付けたからだ。
(溶けちまいそうだ…)
堪えきれず、バルフレアは欲望のまま腰を打ち付ける。パンネロも快感に耐えかねて激しく首を振る。
「あああああんっ!!!」
開かされた花びらの中の芯をきゅっと摘まれた。
「あっ!あんっ!あ———————っっ!!!」
バルフレアの射精を待ち切れず、パンネロは一人、絶頂を迎えた。身体中を何度も駆け抜ける痺れのリズムに合わせて、つま先がぴん、ぴん、と跳ねる。その熱が落ち着くのを見計らって、バルフレアは抱えていた足をそっと下ろしてやる。
「……ふっ…ぁ…」
達したばかりのパンネロには少しの動きにも敏感に反応する。バルフレアは体重をかけないように注意深くパンネロに覆い被さった。パンネロはバルフレアの身体の下で息を弾ませ、目を合わせようとしない。怒っているようだった。
(まぁ…当然だな。)
パンネロがバルフレアの身体を押し返さないのは指一本動かす事が出来ない程力が抜けてしまっていたからだ。
「…悪かった…」
これは意地悪が過ぎたせいか、それとも先に一人でイカせてしまったせいか…バルフレアが悩んでいると、
「両方…よ。 」
見透かしたかの様にパンネロが呟く。そしてまた口を噤んでしまう。
(これは…相当怒ってるな…)
「当然でしょ。 」
先を読んだかの様なパンネロの答えに繋がったままのバルフレアの物が萎える。パンネロは上を向いてバルフレアを正面から見つめる。
「フランの言った通り。バルフレアは顔に出るのね。」
つい、と手を伸ばし、バルフレアの頬に触れる。
「好きな子をいじめるのは、素直じゃないから。 どうしていいか分からないから。でしょ?でも…」
そうして、クスリと笑う。
「そんな事ばっかりしていると 好きな子に逃げられちゃうよ。 バルフレア、もう大人なのに…」
素直ではないバルフレアだが、この時ばかりはパンネロには敵わない、正直にそう思った。
「………ごめんな。 」
パンネロはにっこりと微笑む。
「“悪かった”って言われるより“ごめん”の方が好き。 」
バルフレアは相好を崩し、パンネロの肩口に顔を埋める。
「…どうしてこんな男に付いて来たんだ?」
子供の様に頭をぐりぐりと押し付けて来るバルフレアの背中をパンネロは優しく撫でてやる。
「“こんな男”でも、大好きなの。……続き、する?」
パンネロの中のバルフレアの物がまたもや首をもたげて来たのだ。
「いいのか?」
「うん、でも…カーテンは閉めて?」
バルフレアは手を伸ばしてカーテンを閉める。
「それとね…恥ずかしい格好はもう許して?」
「じゃあ、このままでどうだ?」
「素敵。あと…あんまり激しくしないで…だって…バルフレアは1回だけだけど、私は…何度も…」
「お望みのまま。 」
バルフレアは改めてパンネロの上にのしかかり、パンネロの細い腕が踊る様に宙を舞い、その首に絡み付く。ゆるゆると腰を動かし、その甘い肉でバルフレアの男根を意識的に締め付けた。
「は……ぁ…っ…」
パンネロがうっとりとした声を漏らす。バルフレアはパンネロの願い通り、ゆっくりと、そして再奥をぐっと抉る様にして動く。二人の動きはすぐにシンクロし、穏やかな快感にパンネロは満足げにバルフレアの逞しい背を撫でる。バルフレアもパンネロをきつく抱きしめた。今ならイク時は抱きしめて、というパンネロの気持ちが良く分かる。繋がった部分と触れ合った肌からお互いが蕩けて混じり合い、一つになれる気がするのだ。パンネロもバルフレアの事が少し分かった気持ちになり…そうして二人はそのまま何度も交わり続け…——気が付くと随分と陽が高くなっていた。それでもなんとなく離れがたくてベッドの中でぐずぐずとしていたが、不意にバルフレアが起き上がった。そして、バスタオルを腰に巻くと、一人、バスルームに消えて行った。シャワーのコックを捻る音がした。
(……また……)
せっかく分かり合えたと思っていたのに、また置いてけぼりにされてしまった。
(恋人同士って…難しいんだな…)
想いは言葉で伝えなければいけない。パンネロはそれをよく分かっていたが、
(それでも…ちょっと寂しいな…)
パンネロは頭からシーツを被ってしまう。シャワーの音を聞いていると、
(なんだか…もっと寂しくなっちゃいそう…)
二人で少し前に進んだ、そんな気持ちになった直後だったので寂しさもひとしおで。
「パンネロ。 」
不意に傍で声がした。パンネロがシーツから顔を出すと、バルフレアが立っている。
「いつまでそうしてるつもりだ?」
「え…?だって……?」
パンネロの答えを待たず、バルフレアはパンネロを抱き上げる。
「きゃっ…バルフレア…?」
慌てて胸と下腹部を隠すパンネロの頬にキスをするとそのままバスルームに連れて行く。バスタブにはお湯が張ってあり、バルフレアはパンネロをその中に注意深く下ろした。パンネロは目をぱちぱちとさせ、バスタブの中からバルフレアを見上げる。
「…どうして?」
「さぁな。そういう気分だったのさ。 」
背を向けてバスタブに腰掛けるバルフレアの背中を見て、パンネロに笑顔が戻る。
(ちゃんと…分かってくれたんだ…)
パンネロはバルフレアが巻いているバスタオルをくいっと引っ張る。
「わ…!こら…!」
体勢を崩してバスタブに落ちそうになる背中をパンネロが支えてやる。
「ねぇ、一緒に入ろう?」
少女から女性に羽化する直前の美しい肢体を隠す事なくパンネロが笑う。
「その誘いを断れる奴がいたら、そいつは男じゃないな。 」
バルフレアは降参だ、とばかりに肩を竦めて見せた。
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そしてその次の夜。昨夜はあんないやらしい事やこんないやらしい事も許してくれた。じゃあそんないやらしい事も大丈夫だろうと、バルフレアはいそいそとその行為を始めたが、
「……………………ぃゃ。 」
最初は蚊の鳴くような、小さな小さな声だった。だがそれはやがて、
「いやいやいやいやいやいやーっ!」
パンネロは勢い良く起き上がると、シーツを掴み、身体を隠してしまう。そして、涙がにじんだ瞳でバルフレアをキッと睨むと、
「バルフレアのばかっ!大嫌いっ!」
そうして、シーツを頭から被ってしまい、頑として出て来ない。呆然とするバルフレア。
「……冗談キツいぜ。」
“ばか”ってのは新しいよなぁ…とボヤきつつ、それでも“ばか”と叫んだ時のパンネロが
(……ちょっと…かわいいかったな…)
などと思ってしまい、自分はそんな趣味はないはずだと一人慌ててみたり。
(…女の子ってのは難しいもんだ…)
と、情けない気持ちになったり。ともあれ、バルフレアは隠れてしまった恋人を辛抱強く宥め、謝りと、漸く許してもらえたのは夜が白々と明けた頃だった。
おわり


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