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我に返ると、フリオニール自分を急き立てる情動をなんとかやり過ごそうとライトニングの顔中にキスをした。
ライトニングの手がそっとフリオの頬に添えられる。
うっすらと開いた唇がなまめかしい。
誘われるまま、フリオニールは顔ごと覆い被さる様にして口づけた。
ぽってりとした下唇をふくんでみると、柔らかくて口の中で溶けてしまうのではないかと思う程だ。
（こうやって、口と口を合わせているだけなのに…）
何故こんなにも気持ち良くて、愛おしいという気持ちが溢れてくるのだろう。
その事をライトニングに話すと、また笑うだろうか。
そんな事を考えていると、ライトニングが舌を出してフリオニールの唇を舌先で撫でた。
さっきから身体が火照ってどうしよもないのに、ますます、とりわけ下腹の辺りがカッと熱を持ったようで。
「…ふ…あっ……フリ…オ……」
お互いの舌を貪り合う間に漏れる声は甘くて。
これは制止ではないと確信して、右手を張りのある柔らかい曲線の太ももに這わす。
「ライトの足が…好きだ。すらっとしていて…」
相変わらず気取った言い方が出来ないが、下手に技巧を凝らした言葉よりも暖かい。
可愛いのはお前の方だと言ったら、またうるさいから言わないでおいているが。
太ももを彷徨っていた手が短いスカートの裾を潜り、上へ、上へと上がって来る。
スカートの下の黒いハーフパンツと下着を掴むと、ライトニングが腰を少し浮かせてくれる。
そのまま、太ももの途中くらいまで引き下げる。
実はライトニングはこの時が一番恥ずかしい。
中途半端に下衣を脱がされ、下着まで見られ。
おまけに、足の間に侵入して来た指に触れられたそこはぐっしょりと濡れそぼっていて。
絶対にそれを口にするだろうと思い、出来るだけ高圧的な視線でぎり、と睨みつけたらちゃんと伝わったようで、フリオニールがその事に対して言及した事はない。
秘裂に沿って滑らされていた指が、その先端をかすめる。
「んっ、あぁ……っ」
もっと触れて欲しいのに、閉じられた足の間では動きにくいのか、フリオニールは一旦そこから手を離すと、ライトニングの左股の下に手を入れると少しだけ持ち上げ、横に開いた。
待ちわびていたそこにまた触れられると、堪えきれない喘ぎ声が溢れる。
あんなに小さな部位に指先をあてがわれ、ゆるゆると動かされているだけなのに、そのわずかな動きだけで理性を徐々にそぎ落とされて行き、甘くて淫らな感覚で身体中が満たされていく。
「あっ……フリオ……」
全身にしっとりと汗をかき、頬や額に髪がはりつく。
「………もう………」
快楽の為か恥ずかしさのためか、顔が赤い。
目元に涙を浮かべ、小さな声で絶頂が間近だと伝えるライトニンの乱れた姿にフリオニールはうれしくなる。
最初の頃は痛いのではないか、辛いのではないかとオロオロしてしまい、ライトニングを困らせたのだけど。
不慣れではあったけど、ライトニングの反応を出来るだけよく観察した成果か、時には素直に教えを請うたお陰か、恋人をちゃんと絶頂まで導く事が出来る様になったのだ。
ぷっくりと膨らんだそこを、少しだけ爪を立てて引っ掻く様にしてやる。
「んんっ………」
ライトニングはフリオニールの膝の上で激しく身体をぴくぴくと痙攣させ、逞しい胸板に顔を埋め、まるで我がままでも言っているかの様にいやいやと激しくかぶりを振る。
やがて強い衝撃を受けたかの様にひと際大きく身体が反ると、一瞬硬直し、やがて小さな悲鳴を上げてフリオニールの身体の上に崩れ落ちた。
崩れ落ちた身体を、フリオニールは左腕でしっかりと支えた。
声を出せない分せめてもと、ライトニングがどれだけ膝の上で悶えようと、その大きな身体でしっかりと包み込み、逞しい腕で支えようとしてくれるのだ。
まだ絶頂の余韻で息の荒いライトニングを、フリオニールは両手で強く抱きしめた。
呼吸が落ち着いて来た頃をみはからって、汗で頬や額に張り付いた髪をそっとかき上げると、ライトニングが上気した瞳で見上げてくる。
喜悦の色に染まったライトニングの表情を見つめていると、それだけでひしひしとした幸福感に満たされる。
フリオニールはその瞼にキスをした。
ライトニングもそれに瞳で応えると、気怠げに身体を起こし、フリオニールの身体を跨ぐ様に膝で立つ。
フリオニールは自身を取り出すと、まだ余韻に震えるそこにあてがい、ぐっと腰を突き上げた。
抉られた最奥から背筋を抜け、頭頂部まで突き抜けるような刺激が駆け上り、ライトニングは嬌声を上げる。
「あっ…！フリオニール…！」
唇から嬌声が放たれると同時に膣壁がきゅっと蠢いてフリオニールを包み込み、全てを吸い込んでしまわんばかりに絞り上げる。
フリオニールも背筋を走る快感に息が詰まった。
仰け反った華奢な体に、さらに腰を擦りつけ、突き上げる。
腰が進むごとに聞こえてくる押し殺された声は、それだけで男が持つサディスティックな欲望を刺激する。
もっと啼かせたいけど、仲間と、なによりも目の前のライトニングの為に必死に耐える。
「もう少し…ゆっくりの方が…良いか…？」
フリオニールの肩に顔を埋め、そのマントに噛み締めていたライトニングがコクコクと頷く。
なんとか呼吸を整えると、フリオニールはゆっくりとした抽送を繰り返す。
しかし、それはじんわりとした快楽を長引かせるだけで、余計に二人を甘く苦しめる。
それに、どんなにお互いの声を抑えても、繋がった部分から漏れる水音がいやらしく響くのだ。
「ライト、すまない……」
何を言っているのだ、とライトニングが顔を上げた途端にフリオニールはライト尻を掴んで持ち上げると、そのまま激しく打ち付け始めた。
ライトニングは慌ててフリオニールにもう一度しがみつくと、声を押し殺す為の布を探した。
が、激しい抽送はあっという間にライトニングから身体の自由を奪う。
ライトニングはフリオニールにしがみつくしか出来ない。
「んっ……あ、あ、…ば…か…っ…フリオニール……！」
「すまん、もう止められない…」
「あ…とで、覚えて…ろ……っ…」
ライトニングは息も絶え絶えに毒づく。
「肩でも、首でも良い……歯を…立てて良いから…」
「え…？」
「…頼む…このまま……」
苦しげな声でそんな風に言われると、ライトニングは弱いのだ。許してしまうのだ。
かと言って、こんなに激しい責めでは声を抑えきれず敵に気付かれてしまう。
（……肩でも首でも良い、と言ったな…）
肩は肩甲がある。
ならばと、ライトニングはフリオニールの首筋に噛み付いた。
硬いと思っていた男の身体は、存外に適度な張りと弾力があった。
噛み付いた途端、体内のフリオニール自身がぐい、と鎌首をもたげたのが分かった。
途端にその部分からどろり、と愛液が溢れたのが分かり、甘い痺れに全身が絡めとられて。
初心な恋人との逢瀬が思いがけなく背徳的な感じになってきてしまい、ライトニングは慌てた。
「…ふ…フリオ…っ、やっぱり…、これは、だめ…だ…」
息も絶え絶えな中必死で抗議するも、フリオニールの耳には睦言にしか聞こえない。
激しい腰の動きとは裏腹にライトニングの名を何度も呼び、首筋に鼻先を擦り付けてくる様な仕草は幼い動物の子供を思わせた。
（もう…知るもんか…）
ライトニングはそう開き直ると、フリオニールの首と、僅かに露出している鎖骨の辺りに思う存分歯を立てた。
