アルコール。(DDFF/R18)

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2014年2月13日フリライの日おめでとう!の日に書き下ろした「肉食系ライトニングさんとタジタジなフリオニール。」に加筆、完結させたものです。


「えっと、ライト…これはどういう…」
風呂上がりにフリオニールがベッドでくつろいでいると、ライトニングが隣にやって来て、するりとシーツに潜り込んできた。フリオニールがその細い腰を抱いて引き寄せると、ライトニングは大人しく身体をすり寄せ、何度か啄む様なキスを交わした。頬を寄せ、お互いをぎゅっと抱きしめる。良い雰囲気になったところで、突然ライトニングがフリオニールの身体の上に跨った。
「…ライト?」
ライトニングはフリオニール両手首を取って、頭上でひとまとめにしてしまう。そして、自らのバスローブの紐を抜き、両手首を器用に括り、それを更にベッドヘッドに結びつけてしまったのだ。
フリオニールは何が起こったのか理解できず、気が付くと縛り上げられていた。情けないことにライトニングが紐をベッドヘッドに括りつけた時、はだけたバスローブからフリオニールの顔の真上に胸がぽろりとこぼれ落ちて来て、そこに目が釘付けになりライトニングの行動を阻止出来なかったのだ。
ライトニングはフリオニールに跨ったまま、顔を近づける。さっき飲んだ果実酒の香りが漂う。
「ライト…酔ってるのか…?」
ライトニングはご機嫌だ。さっき食べた夕食の時に一緒に出てきたグラスに入った葡萄色の酒、その匂いが鼻先を霞めた。
(まさか、一杯でこんなに酔っ払ったのか…?)
そもそもフリオニールの世界に「お酒はハタチになってから」などという概念はない。割りと幼い内から嗜んでいたからそれなりに飲める方ではあるけども。
「ああ、あれは…ウマかった。」
ライトニングは目をとろん、とさせて、ろれつも少々怪しい。そんなライトニングを見ているのは楽しい。しかも、仕草がいつもと違ってなよやかだ。小首を傾げてフリオニールの鼻を突いたり、時折一人で何やらおかしそうにクスクス笑っているのだ。
ライトニングの豹変にフリオニールはただただ驚くばかりだ。
「なぁにを見てい、るっ!」
ライトニングはフリオニールの身体の上に倒れこむと、その首筋にぎゅっと抱きつく。
「ららら、ライト…!?」
「どぉ〜だ、逃げられないだろ?」
ライトニングは得意気にそう言うと、フリオニールの頬にちゅっちゅっと音を立ててキスをし、そのまま真上からフリオニールの顔を覗きこむ。
「ライト、その…何を…」
「心配するな…優しく、してやるから。」
酔ったライトニングは小悪魔的とでも言うのだろうか、蠱惑的とでも言うのだろうか、
(別人…みたいだ…)
今正にフリオニールに口づけようとしているその表情は蕩け、うっとりとフリオニールを見つめている。だが、縛られているというのがどうにも不安で。
ライトニングはフリオニールの不安を感じ取ったのか、口角を上げてにーっと笑う。
「優しくしてやる、と言っただろう?」
そう言って押し付けられた口唇からは甘い果実酒の香りが流れこんで来た。
「んっ……、ライト、…っ!」
少し怯えて自分を見上げているのが堪らない。かわいくて、舌に歯を立て、噛みきってやろうかと思うほどだ。
戸惑い、逃げる舌を追いかけ、捕らえるとフリオニールは見開かれていた目をぎゅっと閉じる。そのまま舌をなぶり、口の中をかき回してやると、フリオニールは眉を寄せ、口から吐き出せない息を鼻から出し、肩を大きく上下させている。
ライトニングはもう昂ぶり始めているフリオニールの下肢に手を伸ばし、手のひらで覆ってやる。
「…っ、は、…ライト…っ!」
やわやわと撫でられるとあっという間に息があがる。積極的なライトニングは大歓迎だ。だがこのままでは男としての沽券に関わると、フリオニールは腰を弾ませ、身体の上からなんとかライトニングを退けようとするが、ライトニングは左手をフリオニールの首にしっかりと巻き付け、簡単には振り落とせない。
「こぉら、大人しく、しろ。」
ライトニングはフリオニールの顎を捕らえ、薄く開いた唇を奪う。くぐもった声が口唇越しに聞こえてきて、ライトニングは満足気に笑う。
ライトニングは一旦触れていた下肢から手を離すと、鍛えられた胸の頂きにある小さな乳首を爪の先で引っ掻いてみる。そのタイミングで口唇を離すと、
「アッ……」
小さな声が漏れた。それはますますライトニングを上機嫌にさせる。フリオニールはひたすらうろたえる。思わず声が出てしまったが、あんな風にライトニングに軽く触れられただけで身体が反応してしまうなんて。
「うわ、ライト…!」
ライトニングが身体を倒し、フリオニールにぴったりと身体を密着させる。ライトニングの豊かな胸が腹の上の方に押し付けられて、二人の身体に押しつぶされ、むっちりとはみ出しそうだ。ライトニングは胸を押し付けているので、腰は自然と高く上がり、尻を付きだした様な姿勢になっている。その濃艶で肉感的な姿にフリオニールはじっとしていられない。なんとか紐を解いてライトニングを組み伏せたい、いや、このまま腕を伸ばして秘められた場所に指を入れて自分の身体の上で啼かせて跳ねる身体を強く抱きしめたい。
ライトニングは何かを企んでいる笑い方でフリオニールを見ていたが、そのつややかな口唇が開き、中から赤い舌が覗いたかと思うと、フリオニールの小さな突起を舌先で撫でた。
またゾクゾクした感覚がそこから湧き上がり、たったそれだけで全身に鳥肌が立つ。思わず身体を縮めようとするフリオニールに構わずライトニングはぷつんと立ち上がった小さな膨らみを舌先で転がしたり、舌全体を使ってざらりと舐め上げる。
「ん、ライト……っやめ…」
ライトニングは小さな舌でぴちゃぴちゃと音を立ててそこを舐める。フリオニールは身体をわななかせた。口唇が震えるのを必死で奥歯を嚙みしめてこらえ、未だそこをいたぶるライトニングを見てフリオニールは胸を突かれて思わず抵抗を止めてしまう。
ライトニングは手のひらをフリオニールの胸に乗せ、一心不乱にそこに舌を這わせていて、その様は小動物が一心にミルクを舐めている健気で、いたずら好きの妖精の様に可愛らしく、それでいてぴちゃ、と音を立てる舌がどうしようもなくエロティックで。
一方ライトニングは大人しくなったフリオニールを訝しげに上目遣いにちらりと見る。自分の顔を凝視しているフリオニールと目が合うと、にっこりと笑って見せる。いつもと違って目尻をふにゅっと下げた、幼い笑顔だ。
その笑顔にフリオニールは撃ちぬかれた。なんとしても、この可愛らしいライトニングを抱きしめたい。再び暴れだしたフリオニールにライトニングは一瞬面食らうが、すぐにその脇腹にカリっと歯を立てた。
「わっ…!」
思わず腰が跳ねるのに、ライトニングはクスクスと笑う。
「お前の身体はどこも固いな…」
ライトニングの関心は今度は脇腹に移ったようで、今度はそこを舐め上げる。
ライトニングの口唇がどんどん下へ、下へと下りてくる。腹の辺りで一旦止まって、臍の周りをちゅっちゅっと音を立てて口付けた。くすぐったさにフリオニールの腹が引きつるのにまたクスクスと笑う。
ライトニングはフリオニールの雄の先端にそっとキスをした。さっきのやり取りで少し萎えてしまったそこを手のひらで包み、そっと撫でる。すると、そこはたちまち硬さを取り戻し、ぐっと反り上がってくる。ライトニングはそこに手を添え、根本から頂上にむけてつっと舌を這わせた。そのまま何度も同じ場所を舌が舐め上げる。
「う…っ、あ、ライト…」
フリオニールの身体がびくびくと跳ねる。ライトニングは漸く機嫌を直し、今度は肉棒の竿の部分を赤い舌がちろちろと舐め上げる。フリオニールは大きく喘ぎ、首を仰け反らせた。
ライトニングは今度はくびれた部分を舌でなぞる。舌先でくすぐったり、舌を平らにしてぺろりと舐め上げる。フリオニールは、はっはっと短い吐息を漏らし、合間に口にたまった唾をごくりと飲み込み、ライトニングの美しい顔がうっとりと自分のグロテスクな肉塊を愛撫するのを眺める。
今まで行為の最中にライトニングにこんな風に口でされた事は何度もあったが、いつも自分が耐え切れずに中断させてしまったので、ここまで堪能したことはなかったのだ。
ライトニングの紅い口唇が開き、フリオニール自身を先端からふわりと優しく口で覆い、そのままゆっくりと上下に動かし始めた。口の中で更にフリオニールの雄に舌を絡め、敏感な先端の小さな小さな窪みに舌先を差し入れた。
「…っ、あ、だっ…だめだ…ライト…!」
さっきまでの余裕は消し飛んだ。射精を促すための扱き上げる動きと、敏感な部分を刺激され、フリオニールは慌てて腰を引こうとするが、ライトニングは逃さない。鈴口の辺りを舌でめちゃくちゃに刺激しながら、口唇で吸い上げる様にしながら上下させる。
「……………クッ……ッ」
フリオニールがかすれた声でせぐなげな声を漏らし、ぶるっと大きく身体を震わせた。かと思うと、ライトニングの口の中に生暖かい液体が溢れだした。
ライトニングはゆっくりと口からフリオニールの雄を引き抜くと、口の中のフリオニールが放ったものをコクリ、と飲み干した。
「ライト!何をして…!」
と、フリオニールが叫んだと同時にバキッという音が頭上でした。
フリオニールが振り返り、口元を拭いながらライトニングが音の方を見ると、フリオニールが驚いた勢いで起き上がった拍子にベッドヘッドが引っ張って折れてしまったようだ。フリオニールが呆然と自らの手元に視線を下ろすと、折れてしまったベッドヘッドが手首からぶら下がっていた。フリオニールは自分の歯で器用に自分を拘束している紐の結び目を解き、漸く自由を取り戻した。
ライトニングはというと、フリオニールがベッドヘッドを破壊したのに驚いて酔いが覚めたようだ。フリオニールがじっとライトニングを見る。ライトニング、反射的に後ずさろうとするが、それよりも先にフリオニールがその腕を引き、自分の方に引き寄せた。
おそらくフリオニールは怒っているのだろう、思わずぎゅっと目を閉じたライトニングの口唇をフリオニールは優しく塞いだ。そうして、ライトニングの口内に残るさっきフリオニールが放ったものを拭い取るようにして舌を蠢かせる。その動きも優しくて、ライトニングはうっとりと目を開き、フリオニール見る。銀糸を引いて口唇が離れると、
「…ライト、あんな無理はしないでくれ。」
フリオニールが困ったように言う。ライトニングはフリオニールが怒っていないことにホッとしたものの、さっきまでの酔っ払った自分の振る舞いを思い出し、いたたまれないでいる。
「べ…別に無茶なんて…確かに酔っててバカはしたが…フリオニールが…喜ぶかと…思って…」
フリオニールはライトニングの額に自分のをコツン、と合わせる。
「俺は…うれしい…というより、驚いた…かな。酔っ払ったライトは可愛かったけど…その、いつも通りで満足というか…十分過ぎるくらいで…」
フリオニールの言葉が優しくて、ライトニングは素直な気持ちになる。
「…悪かった。その…酒は…気をつける。」
「縛られる意外は大歓迎だ。ライト、すごく可愛かったから。」
ライトニングは顔を顰める。
「頼むから、酔った醜態を思い出せないでくれ。」
その言葉にフリオニールが笑い、それに釣られてライトニングも笑った。
フリオニールはゆっくりとライトニングを押し倒し、その顔を真上から覗き込む。鼻と鼻を擦り合わせてからゆっくりと口付ける。
フリオニールは膝で立って、はだけてしまったローブを脱ぎ、ライトニングのも背中に手を差し入れて脱がせるのを手伝う。一糸まとわぬ姿になって、ライトニングは両手を広げ、フリオニールはライトニングの身体に自らを沈めていった。

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