異世界の恋人。(DDFF/R18)

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この男は不思議だ、と抱かれる度にライトニングは思う。
自分に恋い焦がれているまだ若いはちきれそうな性欲と、掛け値なしの優しさと。
飾らずにライトニングが美しいと褒め、気どらずにどれだけ惹かれているのかを屈託なく話す。
歩く武器庫のような風貌と鋭い目つきとは裏腹に、無邪気で愛らしい恋人だ。
自然とフリオニールがライトニングに甘え、ライトニングがそれを甘受する形になる。
が、長い戦いの経験故だろうか、愛情が込められたまなざしに見え隠れする強い光はライトニングを強く惹き付けた。
首筋を這う熱い唇に、ライトニングの息が少しずつ上がっていく。
胸元まで下げられたニットのファスナーの間に、大きなごつごつとした手が忍び込んで来た。
下着の中を潜って、その豊かな胸をまさぐる。
ライトニングはきゅっと身体を縮め、唇を噛む。
敵にも味方にも、声を聞かせるわけにはいかない。
だが、その仕草が恥じらっているとフリオニールには思えて、普段の気の強い恋人が健気で可愛らしく映るのだ。
「…この時の、ライトが好きだ。」
身体を縮められては、もう首筋は愛撫できない。
フリオニールは唇を耳元に移し、形の良い耳たぶに息を吹き込むようにして語りかける。
フリオニールの息も、とっくに荒い。
「…すごく…可愛いんだ。」
フリオニールの勘違いを否定したくて必死で頭を振るのだが、それがまた恥じらっているように見えるらしい。
だが、フリオニールの指がぴんと立った小さな突起に触れ指先で優しく転がされると、そんな事はどうでも良く思えてくる。
フリオニールは右手で形の良い乳房への愛撫を続け、左手でライトニングの腰を引き寄せた。
戦場を駈けるにはあまりにも細いその腰に、フリオニールは持って行き場のない無力感に襲われた。
堪えきれず、下着を乱暴にたくし上げ、胸にむしゃぶりついた。
「…あっ…」
突然の乱暴な行為に、押し殺した声が溢れた。
そこからわき上がる熱に身体が瞬くまにとろけた。
ねっとりとした舌で乳首を愛撫されると、たまらずフリオニールの頭を抱きかかえる。
ライトニングの反応に駆り立てられフリオニールの愛撫がより一層激しくなる。
空いた手で服の上からもう片方の乳房を鷲掴みにする。
声を立てられないもどかしさで、ライトニングはその髪に指を立ててくしゃくしゃとかき乱した。
「…んっ……そこ……は、もう……」
ライトニングが制止したらその時の愛撫は直ちに終了、というのがいつの間にか出来た暗黙の了解だった。
うっかりと声を立ててもし敵に見つかれば、自分たちだけではなく仲間まで危険に晒す事になるからだ。
フリオニールは名残惜しげにそこから唇を離した。
本当はライトニングが泣いて許しを請うても、そこに意地悪をしてもっと蕩けさせたいのに。
フリオニールは身体を伸ばし、快楽の涙が滲んだライトニングの目元にそっと口づけた。
ライトニングはフリオニールの胸に顔を埋め、身体に溜まった熱をなんとかやり過ごそうとしている。
肩で息をして、辛そうに眉を顰めているのを見ていると、なんだかライトニングの方が負担が大きいような気がする。
以前、それを言って謝った事があった。
「じゃあ、止めるのか?」
と、切り返されて何も言えなくなってしまったのだ。
ぎゅっと眉を寄せ、フリオニールの服を硬く握りしめて歯を食いしばっている恋人を見ているのは辛い。
でも、この腕に抱けないのはもっと辛い。
そんなフリオニールのジレンマを、ライトニングはお見通しなのだ。
女性とは言えやはり軍人だった人だ。それ故の厳しい言葉かと思って、
「手厳しいな。」
「私の事なら気にするな。それより、お前とこうして抱き合えない方が辛い。」
ライトニングの言葉に、フリオニールはものすごい感動を覚えた。
あまりにも感動し過ぎたのか、手を止めて目を見開き、ただただライトニングを見つめている。
喜びが身体中から溢れてきていて、それを抑えきれない様だ。
「どうした?」
「前言撤回だ。やはりライトは可愛い。」
フリオニールはライトニングを強く抱きしめ、顔中にキスをした。
「お前はまた、馬鹿の一つ覚えみたいに…」
ライトニングの照れ隠しの皮肉にも、フリオニールは決して不機嫌になることはない。
気を許してくれるからこその言葉で、ライトニングはそういう風にしか言えないのだとちゃんと分かっているのだ。
「だけど俺は本当にそう思うんだ。言葉だともどかしいな。うまく言えない。」
まじめにそう伝えると、恋人は今度こそはにかんで俯いてしまった

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