ファング×ライトニング

この記事を読むのに必要な時間は約 2 分です。

「#嫌いな食べ物あてれた人に適当な落書きプレゼントする」で、見事「しいたけ」を当てた コインLさんからのリクエスト。


引き寄せられると、汗の匂いがした。
ファングは体臭がキツい。
鼻にツンとした刺激なのに、再び息を吸い込むと若木のような生命力に溢れる匂いになる。その香りに包まれると、性欲という言葉では語れない、もっと原始的な本能がどくんと波打つのを感じる。体臭も汗も唾液も、それら全てが繭の中で育った自分を野生へと戻してくれる気がするのだ。ライトニングはうっすらと唇を開いた。
はやく
ここに
おまえの
舌が
ほしい
声にならない声でうったえかける。この時の自分は自分ではないと思う。あさましく、貪欲な餓鬼のように彼女の体液と体温が欲しくなるのだ。
褐色の肌の恋人は、ふん、と鼻で笑うと、見せつけるように、自分の唇をぺろりと舐めた。
ぞく、と背筋を興奮が駆け上がった。はやく、と目を細めると、あごをとらえられ、乱暴に舌をねじ込んでくれた。
欲が満たされたのは一瞬だけだった。ファングはすぐに唇を離し、にやにやと笑ってライトニングを見る。なんてやつだ、とライトニングは心のなかで毒づく。だが、体の奥底から湧き上がる衝動に抗うことなどできないのだ。
ライトニングはファングの体に腕を回し、熱くなった体を押し付けた。
ここまで!