彼ニット。(FF12/R18)

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何度目かの絶頂のあと、崩れ落ちたパンネロを、バルフレアはしっかりと抱きとめた。力が入らないのだろう、完全にバルフレアに体重を預け、ぐったりしている。荒い息で肩と可憐な乳房が上下し、華奢な体は途切れることのない強い快感の余韻に未だに小刻みに震えている。バルフレアが太ももに腕を通して押し開き、キッチンのライトの下に晒した秘所からは愛液が滴り落ち、物欲しげにぴくん、ぴくん、とひくついている。

バルフレアが2本の指をぐいと差し入れると、パンネロは声もなく喉を反らした。

「ここに欲しいんだろ?」
「バルフレアの、意地悪……さっき、…から、ずっと……言ってる、のに……」

苦しげな息の下で、パンネロは途切れ途切れにそう言うと、恨めしげに頬を膨らませた。小悪魔パンネロはまだ健在のようだ。

「じゃあ、次は見せてくれ。俺が欲しいって、な。」

パンネロはけぶるような瞳でバルフレアを見つめ返した。どうすれば良いのかを考えているようだ。やがて、バルフレアに向き合うと、膝で立って首に腕を回し、口づけた。そうしながら、ゆっくりとバルフレアの体を引き寄せる。バルフレアの体が傾くにつれ、パンネロの体もどんどん傾いていき、終いにはカウンターの上に正座したまま、そのまま完全に仰向けになってしまう。パンネロの体の柔らかさが成せる技だ。そこからゆっくりと膝を立てて開き、足を優しくバルフレアの腰に巻き付けた。バルフレアはパンネロの体の横に肘をつき、小さな頭を包み込むようにしてその顔を真上から見下ろした。

「来て。」

一瞬、酔いが覚めたのではないかと思うほど、はっきりとした言い方だった。表情も、とろん、と目を細め、口元を緩めていたのが、バルフレアの瞳をじっと見つめている。その表情は男をねだる淫らさは一片もなく、まるでお告げを厳かにバルフレアに伝えているかのようだ。わかるでしょ?決まっていることなの、まるでそう言ってるかのようにバルフレアには思えた。

逆らえるはずもないバルフレアは、言われるまま、膝をさらに押し開いた。パンネロの性器が灯りの下ではっきりと見えた。淡い色の陰毛は薄く、とてもその役目を果たしているとは思えない。淡い色でふっくらとしたそこは、早くバルフレアの雄が欲しいと喘いでいるかのようにぴくぴくと痙攣していた。バルフレアはいつもより硬く、大きく膨らんだ自身に手を添え、早く早くと囁きかけてくる、まるで水蜜桃のようなそこに、ゆっくりと腰ごと分け入っていった。

「……ふ…ん、ぁ、あ……っ……」

幾重にも重なった肉襞の奥にある、愛液にひたひたに濡れた蜜壺に、自らの熱杭が招き入れられていくのをバルフレアは息を飲んだ見つめた。繋がったところからは愛液が溢れ、パンネロの秘裂をさらに濡らした。ぐちゅぐちゅと卑猥な水音がした。

「あ、ぁ……」

パンネロも、じわじわと押し入ってくる男根を、包み込んでいる膣壁で感じる。留守番の間焦がれて止まなかったそれが、寂しさごと一緒に埋めてくれるようで、うっとりと甘い声を上げた。バルフレアの腰に巻き付けた足で、体ごと引き寄せ、さらに深く受け入れる。

「んんっ……、あ、す…ごい、の……ああ…」

敏感な肉がバルフレアの雄に巻きつき、もっとちょうだい、とねだり、淫らにうごめき始めた。凄絶なほどの色香をパンネロは発していた。

「パンネロ……」

バルフレアはさらに腰を進め、己を全てを置くまで収めてしまうと、大きく息を吐いた。良すぎるのだ。パンネロも感じ入っているのか、あっあっと短い声を上げる。声に混じった吐息がバルフレアの鼻先をくすぐった。

「すごいな……絡みついてくる……」
「んんっ……だってぇ……」
「“上手にできなかった”から、物足りなかったんだろ?」

そんなひどい言葉を投げかけられても、それはもうパンネロの耳に届いていなかった。胎内でまるで鋼のように硬く反り返ったそれは一番気持ちのよい所に届いていて、パンネロはもう我慢できないと、自ら腰を持ち上げ、バルフレアに押し付けた。

「…そぉ、なのぉ!バルフレアじゃないと、イヤなの!早くぅ!」

泣き出しそうな顔で男をねだる、そんなパンネロを、バルフレアは見たことがなかった。我を忘れて乱れるパンネロは、わがままで貪欲で甘えん坊だ。バルフレアはパンネロの背中に腕を回した。固い大理石でパンネロのきれいな体を傷つけたり、痛い思いをさせたくはなかったからだ。

ゆっくりと腰をパンネロに押し付ける。昂りきった熱の塊で、パンネロの蜜壺の、臍のあたりを目がけて突き上げる。だが、あくまでもゆっくりと動く。柔らかいベッドの上ではない。カウンターの上で、自分の体がどれだけパンネロに負担になるのかを見極めようと思ってのことだ。

「あぁっ……ぁんっ……」

ようやく動き始めたバルフレアに、パンネロは満足げにうっとりとした声を漏らす。焦れったいような、それでいて頭に重く響くような淫猥な感覚は、繋がったところから瞬く間に全身に広がった。

「あっ……バルフレア…っ、……いっ、…いいっ…の、あ……っ」

激しい抜き差しではない、剛直の硬く滑らかな先端で、感じやすいところを優しく突かれ、あまりもの気持ちよさにパンネロはすぐ真上にあるバルフレアをうっとりと見つめる。

「……俺もだ。」
「ふ……、ぁ、気持ち、いいの……?」
「柔らかくて、ぴったり絡みついて、油断すると、すぐ持ってかれそうだ。」
「いやいや!もっと、いっぱい欲しいのに……」

あまりにも愛らしくて、バルフレアは思わずパンネロの頭を撫でた。

「お前の“もっと”は……最高に、かわいいな……」

バルフレアも劣情をこらえているのか、声に余裕がない。バルフレアの言葉と、愛する人を歓ばせているのだという幸福感にパンネロは目を細めた。

(うれしい……)

腕を伸ばし、バルフレアを引き寄せた。バルフレアはすぐにパンネロの唇を塞いだ。分厚い舌がするりと滑り込んできた。

「……んっ……」

舌と舌を絡めると、バルフレアを受け入れた蜜壺が大きくうねる。

「……っ、……パンネロ……っ」

苦しげなかすれた声がうれしくて、パンネロは意識的に胎内のバルフレアをぎゅっと締め付ける。すると、バルフレア自身がその鎌首をさらにぐいと持ち上げた。締め付ければ締め付けるほど、鎌首の先端はパンネロの弱いところをぐりぐりと刺激するのだ。パンネロは夢中になって舌を絡め、繋がった下肢を貪欲に締め上げる。

「あっ、あっ…すごい…の……」

あまりもの快感にのたうつパンネロの体がカウンターに打ち付けられないよう、バルフレアはパンネロの体を半ば浮かすようにして抱きしめる。まるで淫魔のようだ。バルフレアはごく僅かしか動いていないのに、パンネロは自ら腰を揺らしてバルフレアを受け入れ、温かく粘りのある液を陰茎にまぶし、絞り上げる。それはバルフレアに腰が抜けそうなほどの快楽をもたらした。

「……んっ!……んっ……!」

もう達しようとしているのに、パンネロはバルフレアから唇を離そうとしない。その様子がひたむきで健気で、バルフレアはもうこらえ切れないと、激しく最奥を突き上げ始めた。

「んん――……っ!!んっ……!はっ…あ、…バルフレア!」

強すぎる律動に、パンネロはさすがにキスを続けられず、顔を反らせて悲鳴と共にバルフレアの名を呼んだ。キスをしながらの挿入はパンネロの官能を一気に高めた。こみ上げた快感がどんどんと積み重なり、瞬く間に決壊し、パンネロの体を駆け抜けた。

「――あぁあぁぁ……っ!!」

パンネロは首を大きく仰け反らせ、何度も体を跳ねさせた。頭のなかで火花が弾けるようだった。絶頂の波が押し寄せ体が跳ねる度に、パンネロの蜜壺は猛り切ったバルフレア自身を狂おしいほど引き絞る。バルフレアも息を詰め、出口を求めて我先にと集まった欲望をパンネロの最奥に放った。と、同時に頭が痺れるような愉悦が湧き上がった。さっきもパンネロの口の中に放ったというのに、その熱はとても鎮まりそうにもない。

「……あぁっ、……バルフレア……っ」

バルフレアは精を放ちながらも、尚もパンネロの奥深くを蹂躙する。

「う…そ…っ、バル…フレア、イッてるのに…っ…、まだ……おっき…ぃっ…」

パンネロは驚きの声を上げる。繋がったそこも、受け入れたバルフレア自身も、まるで火が点いたかのように熱い。絶頂は奔流となって止まることなくパンネロの体を焼き尽くす。その熱から逃れようがなく、パンネロはのしかかる大きな体にしがみつき、悲鳴を上げるしかできない。

「はぁっ!あぁんっ!あぁっ!あぁぁ……っ!」

バルフレアは確かにパンネロの中で射精したはずだった。激しい抜き差しとともに、放たれた精が、ぐぷっと音を立てて繋がったところから溢れ、尻をつたっていく感触がする。なのに、バルフレアの猛りは衰えることがない。パンネロは怒張したそれ自身の形や、大きく湾曲した反りをしっかりと感じている。

(バルフレアの…方が、寂しかったんだ……)

パンネロを涙が出そうなほどうれしくなる。疲れているのに飛ぶように帰ってきて、こんなにも自分を求めてくれるなんてと、愛おしさが胸を満たした。今だって体ごと揺さぶられても、自分の体を支える腕は緩むことはない。

「……んっ、……バルフレア……っ、だい…好き……」

もっと欲しい、そしてもっと与えたい。パンネロは強く思った。だが、自分の体を気遣いながらする今の姿勢ではバルフレアが動きにくいのではないか?一突きされるごとにまるで脳が焼き付くような興奮に溺れながらも、パンネロは気になって、バルフレアを見上げた。眉根を絞り、唇を噛み締めている。時おり漏らす苦しげな声は、パンネロに感じて吐精をこらえるときの声だと知っている。

胸が締め付けられるほど愛おしい。体と心の両方で愛されていると感じる。

「……バル…フレア……っ」

パンネロは喘ぎ声の合間に、必死に呼びかける。

「……、から、……して……」

よく聞き取れなかったのか、バルフレアが顔をパンネロの肩口に埋め、口元に耳を寄せた。

「……ふ……っ、……ぁっ……しろ、……うしろ、から、…して……!」

返事がないまま、バルフレアの動きがゆっくりと止まった。体は汗まみれで、雫となってパンネロの体の上に滴り落ちた。バルフレアの息も荒い。あまり余裕もないのだろう、自身を一度引き抜くと、パンネロを抱えてカウンターから下ろすと、後ろを向かせて尻を突き出すようにしてカウンタートップに手をつかせた。だが、さすがに性急すぎと思ったのか、

「うしろは、恥ずかしいんじゃなかったのか?」
「バルフレアこそ。」

パンネロは肩越しにバルフレアに振り返ると、

「知ってるよ。うしろからすると、気持ちよくてすぐイッちゃいそうになるの。」

バルフレア驚いたように眉をぴん、と跳ねさせパンネロを見つめた。が、すぐにニヤリ、と笑い、

「……言ったな。」

バルフレアはパンネロのむっちりとした尻をつかむと、のしかかるようにして背後から覆いかぶさった。己の昂りを、蜜と自らが放った精液を溢れさせる蜜口に、ぐいと押し込む。

「ああっ……!」

その衝撃で、ふる、と小ぶりな乳房が揺れた。だが、激しい挿入もパンネロはしっかりと受け止めた。パンネロの柔らかい膣壁は食いちぎらんばかりにバルフレア自身に絡みつく。バルフレア小さく舌打ちをし、パンネロを抱きしめた。額をパンネロの背中に押しつけ、ぐっと奥歯を食いしばると、それを振り切るように、肉棒をさらに奥へを押し込んだ。

「ああ……んっ……!」

そのまま激しく抜き差しを繰り返す。さっきのように、パンネロの胎内に収めたままの動きではなく、自らをギリギリまで引き抜き、そして最奥までいちどきに貫く。自分の腰とパンネロの尻がぶつかりるパンパンという音がキッチンに響き渡った。

「あっ!ああっ!……激しっ………!」

パンネロのは手をついたカウンタートップの縁を強く掴む。と、バルフレアに体を引き起こされ、口づけられた。ぶつかる腰と尻はべとべとになり、バルフレアの吐く息は獣のようだった。そして、自分を貫くバルフレア自身は正に獣のそれで、パンネロの胎内で暴れまわり、咆哮し、暴力的な愛撫で満たしていく。

「バルフレア……もっと、ね……もっとぉ……!」

さっき、「お前の“もっと”は最高にかわいい」と言われたことを思い出したのだ。間髪いれずに、唇が塞がれた。噛み付くようだった。長い腕が伸びてきて、激しい交歓でぷっくりと立ちあがった花芯をキュッとつまみ上げられた。

「きゃああああ!」

突き刺すような強い刺激にパンネロは悲鳴を上げ、体を大きく仰け反らせ、達した。あまりにも急激に押し上げられたせいでパンネロは意識を失い、そのままゆっくりと、真っ白な世界に落ちていったのだった。

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