彼ニット。(FF12/R18)

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パンネロはキッチンカウンターの上にぺたん、と座ったままだ。ニットからはむっちりとした太もも、形の良いふくらはぎ、そして、かわいらしい足の裏が白い大理石の上に無造作に投げ出されている。賢そうで控えめな瞳は鳴りをひそめ、妖しい光を宿してバルフレアを見つめている。唇の端をきれいに上げて微笑むと、胸の真ん中のやや左、ちょうど心臓の上の辺りにそっと唇を押し付けた。バルフレアは眉間をぎゅっと寄せた。パンネロが触れるところから生暖かい欲望が湧き上がるような感じがする。凄まじいほどの色香を感じ、すぐさまパンネロをその場に押し倒し、体を開かせたいという欲望がこみ上げてくる。

そんなバルフレアの欲求に気付いているのかいないのか、パンネロはぐっと盛り上がった胸の筋肉の山に一心に唇を押し付けている。膝をついて背中をきれいにしならせ、伸ばし、唇は鼓動を感じる場所から左へ左へと移動し、やがて小さな突起にたどり着いた。パンネロがうれしそうに小さく笑ったのを真上から見下ろす。その表情の艶やかさに、背中をゾクゾクとした感覚が駆け上がった。パンネロは口を薄く開き、舌を出し、舌先で周りの肌よりも濃く色づいたそこをそっとくすぐった。

「…っ、パンネロ……」

パンネロは知っているのだ。自分がその様をじっと見ているのを。バルフレアの胸が大きく上下し、息を吐き出しながら名前を呼んだときの顔を、パンネロは上目遣いに見ていたのだ。目が合ったときも笑っていた。

「やぁだ…見ないで……」

甘ったるい声でしなを作り、バルフレアの胸に頬を寄せるパンネロは、いつもの清楚さとは真逆の愛らしさだ。バルフレアはもうとっくに、さっきの気まずさや、ベッドに置いてけぼりにされた寂しさは忘れていた。蠱惑的なパンネロを愛でる余裕も出てきた。むしろ、こうこうと明るいキッチンで、カウンターの上に座ってパンネロが自らイケナイコトをするなんて、絶対にないことだ。この機をのがしてなるものか、と思う。

「見て欲しいんじゃないのか、パンネロは?」

バルフレアは手を伸ばし、パンネロの頬をくすぐる。パンネロは今度はバルフレアの手の甲に頬をすり寄せ、チュッチュと音を立てて口づけ、

「だぁってぇ……バルフレアがいつまでもベッドに連れてってくれないんだもん……」

酔っていて、舌足らずなしゃべり方がまたかわいらしい。

「パンネロが、お行儀が悪いからだろ?」
「今日は、私、悪い子?」
「悪い子だな。」

パンネロがまたうれしそうに、くすくすと笑う。このかわいらしい笑い声は体のどこから出てるのだろうと思う。酔うと笑い上戸になるのだろうか。

「バルフレアも、悪い子だよ。」
「俺が?」
「だって…さっき、言ってたでしょ?私が…居ないから、一人で――何度もって。」

さっき、バルフレアがベッドで耳打ちして、パンネロが「もう!」と怒ったのはそのことらしい。

「お前のことばかり考えてたからな。」
「ねぇ、見せて。」

いつものペースが戻ってきたと思ったところにこの不意打ちで、思わずバルフレアはパンネロの顔を、目を見開いて見つめた。

「ね、見たいの。ねぇ?」

見せるのは問題ない。パンネロの媚態で、もう一生萎えたままではないかと思っていたバルフレア自身はむくりと勃ち上がっている。そして、パンネロの目の前で自分で慰めるのもやぶさかではない。だが、パンネロの挑発にそのまま乗るのでは、せっかくのイベントの盛り上がりに、水をさすような気もして。

「いいさ。だが、もっと楽しみたいだろ?」

バルフレアはパンネロの耳に息を吹き込むようにして囁きかける。パンネロはくすぐったそうに体をすくめた。

「なぁに?どうするの?」

バルフレアは密かに心の中で拳を握りしめる。いつもなら「ダメ」「イヤ」「恥ずかしいの」これらの言葉で涙をのんで諦めたり、言葉を尽くして説き伏せた挙句のご褒美だった、あれやこれやが今夜はオールパスだ。夢ではないかと頬をつねってみたくなる。

「教えてくれ。お前は、どうだったんだ?」

パンネロはきょとん、とバルフレアの顔を見て、そしてほんの一瞬だが視線を逸らした。もうこの表情で答えを教えてもらったのも同じだ。バルフレアはパンネロを引き寄せた。華奢な体はすぐにバルフレアの腕の中にすっぽりとおさまってしまう。セーター越しに胸を手で覆い、ぴんと張り詰めた小さな乳首を指と指の間に挟むと、パンネロはすぐに切なげな息を漏らした。

「やぁ…あぁ…ん、……教えて……あげない。」
「じゃあ、見せられないな。」

いつもなら否定は恥じらいだが、今のこれは挑発だ。

「代わりに俺が答えてやろうか?毎晩、俺の服を持ちだして、何をしていたんだ?」
「……やっ……ん……あっ……ぁ……」

セーターの生地を押し上げる感じやすい突起をいじり、耳を甘噛みすると、体を跳ねさせ、もう甘い声がこぼれてくる。

「一人でヤッて、感じたのか?ちゃんと一人でイケたのか?」
「ふ……あ、やっ、言わない…で…、あん…っ……」

柔らかな体からくったりと力が抜け、完全に体をもたれかけたところで、バルフレアは不意に手を止めた。気持ちのいいことをいきなり止められ、パンネロが切なげに、そしてぷう、と頬を膨らませてバルフレアを見上げる。

「パンネロ、“順番こ”だ。」

だが、バルフレアの提案に、不満気だった顔がたちまち好奇心に溢れたものになる。

「ただし、お前が先だ。さっきの“おいた”のペナルティだ。」

パンネロは半ば夢の中にいるかのような顔のまま、少し考えこんだが、

「……いいよ。」

そう答えると、何がおかしいのか一人でひとしきりクスクスと笑うと、

「でも、ね…胸とか、……触って欲しいの……」
「お安いご用だ。」
「うん……だって……、……一人だと……上手にできなかったの。」
「そうなのか?」
「うん。ちっともよくないの。……バルフレアに……してもらう方が……」

パンネロはここで言葉を切って、俯いた。奔放になったようで、いつもの恥ずかしがりなところが顔を出すと、これはこれで最高のスパイスだ。

「いいのか?」
「すごく、いいの。」

さっきの会話から、パンネロが自分のいない間に一人遊びをしていたのはわかったのだが、こうやってちゃんと言葉にされると、それだけで下半身にクるものがある。しかも、自分にされると「すごくいい」なんて言われると、さっきの置いてけぼりの屈辱が癒され、天に昇って星になるのではないかと有頂天になる。さらに、

(“一人で上手にできない”……か……)

寂しさのあまり、バルフレアの服を持ちだしたり、自分なりにがんばってベッドで試行錯誤したものの、満足できずベッドで呆然としているパンネロを思い浮かべた。かわいらしいやら、いじらしいやらで、今すぐにこのまま組み伏せて自分の手でたっぷり満足させてやりたくなる。だが、こんなにご機嫌にいやらしいパンネロなんて、何年に一度、あるかないかの希少な機会だと自分に言い聞かせる。

「じゃあ……見ててね?」

パンネロは膝を揃えて正座し、そのまま膝を少し開いた。そして、バルフレアの胸に頭をもたれさせると、自分の股間に手を滑り込ませた。惜しいことに、手はセーターの奥に潜ってしまい、よく見えないのだ。だが、バルフレアは脱がせようとは思わない。その内暑くなって、自分から脱がせてとおねだりしてくるのを待つことにする。手首がゆっくりと上下し、パンネロがきゅっと唇を噛み締めたのを合図に、バルフレアはパンネロの顎を捉えて上を向かせると、その唇をふさいた。

「……んんっ……!」

上手にできない、と言っていた割にには手は淀みなく滑らかに動く。手が恥骨から奥の方にすべると、腰が引け、逆に動くと腰が少し浮く。下着を着けていない胸はセーターの下で腰の動きにシンクロして揺れている。自慰をして唇を貪られるパンネロの顔を、バルフレアはしっかりと目に焼き付ける。感じるときゅっと目を閉じるのがパンネロの癖なのだが、酒に酔ったパンネロは、こみ上げる快感にうっとりと半ばまぶたを開いている。まぶたの隙間からこぼれそうな涙が光を反射してすうっと光っているのがたまらなく色っぽいのだ。

パンネロはバルフレアのガウンを左手できゅっとつかんでいたのだが、前屈みではやりにくいのか、その手を後ろについた。後ろ向きに倒れそうになるのを、バルフレアは慌てて右手で支えてやると、パンネロがその顔を蕩けそうな顔で見つめ返してくる。

「パンネロ、最高だ。」

もう我慢できないと、空いた手でセーターをたくし上げた。

「あっ、やぁ……………」

口では嫌がってみせるが、パンネロは抵抗もしない。自分を慰めるのに夢中のようだ。

「ね、………もう、脱がせて……?」

バルフレアは頷くと、胸の上で丸まっていたセーターを引き抜いてやる。隠されていたところが暴かれ、バルフレアは息を飲んだ。真上から見ると、パンネロは中指でクリトリスをいじっているようだった。中指の関節がするすると上下し、その指は自らの愛液で濡れて光っている。悩ましく腰をくねらせ、息を弾ませている。こんなにもいやらしくて可愛らしいパンネロを、バルフレアは見たことがなかった。

すぐに左手で控えめな膨らみを覆い、やわらかな頂のてっぺんにある淡い色の突起を指で転がす。

「う…ん、あ、あぁ……ん……っ……」
「……いいのか?」

返事をきかなくったてわかっていた。バルフレアの愛撫が加わり、手の動きは滑らかさを増す。指が動く。腰が跳ねる。胸の上の乳房がその動きに合わせて揺れる、そんなことをパンネロは延々と、楽しそうに、気持ちよさそうに、そして、バルフレアに見られて、それはそれは幸せそうに続けるのだ。

「あっ、あっ…ん…、いいのっ……!一人で、…する、よりも……すごく、あ、もう…っ…!」

指をこすり付けている真っ赤な肉芽がぱんぱんに膨らんでるのが隙間から見える。もう絶頂が近いのだろう。バルフレアは首を伸ばし、乳房の上で痛いほど張り詰めた乳首にカリ、と歯を立てた。

「きゃ、やっ!!噛んじゃ、…っ、あ、あぁっ……、はぁっ、ああっ――……っ!」

内ももをびくびくと震わせ、パンネロは大きくのけぞった。バルフレア跳ねる体が固い大理石に打ち付けられないよう、しっかりと支えてやる。

「あ、…ぁあ……は、……ん……」

体に力が入らないのだろう、パンネロはバルフレアに完全に体を預け、絶頂の余韻に体を震わせる。はぁはぁと忙しなく肩で息をし、しっとりと汗で覆われた肌は匂い立つように甘やかだ。

「ね、起こし……て、ぎゅって、して……」

バルフレアはパンネロのおねだりの通り、体を起こし、しっかりと抱きしめてやる。パンネロが自慰にふけったあとには、秘裂から流れた愛液の水たまりが残っていた。パンネロはバルフレアの体に頭をこすり付けるようにして甘える。

「ね、ね、次は、バルフレアでしょ?」

バルフレアは黙ってローブの裾を開いた。バルフレアの髪の色よりも濃い色の陰毛の下で、パンネロの痴態で、男根は痛いほど張り詰めていた。先走りの液をどろどろと先端に溢れさせている。

「ふふ、素敵……」

パンネロは手を伸ばし、そこにそっと指を這わせた。それだけでバルフレア自身はビクビクと上下に震える。指先にぬるりとした液がついたのを、パンネロは舌先で舐めとった。

「にがい……」

そう呟くと、バルフレアの男根に目を落とし、ショーが始まるのを待つ子どものように、わくわくとその時を待っている。バルフレアはやれやれ、と肩をすくめ、自身を握りしめ、上下に動かした。

「……ぅっ」

バルフレアが小さく呻いたのが聞こえてきて、パンネロは自分の下半身に再び熱が集まったのを感じた。眉根をぎゅっと絞り、どこか不機嫌そうな表情なのに、大きな胸板が上下し、たくさんの節に分かれた腹筋がときおり引きつるのや、漏れる息が切なく響いて。

パンネロはカウンターの上で膝で立って、ぴったりとバルフレアに寄り添った。自分の下半身に再び熱が集まったのを感じた。

「ね、気持ちいいの?」
「……まずまず…ってところだな。」
「……私が、する方が好き……?」
「もちろんだ。」

パンネロはバルフレアの手の上に自分のを重ねた。バルフレアの手を止めると、その場によつん這いになって、顔を見上げる。

「ねぇ、どんな私を思い出してしてたの?」
「お前が一番、かわいくていやらしい時だ。」

パンネロはその言葉に、うれしそうにバルフレアの陰茎の、竿の部分を優しく捧げ持った。

「ね、いつもより、ずっと大きいの。」

バルフレアは苦笑いをして答えない。パンネロはびくびくと蠢くその先端に、ちゅっと音を立てて優しく唇を押し付けた。

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