彼ニット。(FF12/R18)

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いつもなら真っ先に唇が塞がれるのだが、今夜に限ってバルフレアは耳たぶや首筋に口づける。キスをしてしまうと、ふわふわのセーターに包まれたパンネロが見えなくなってしまうからだ。

「あ……ん……」

くすぐったさにパンネロは体をすくませた。自然と、自分が着ているバルフレアのセーターに顔を押し付けることになる。ほんのわずかな愛撫で、パンネロがうっとりと半分だけ目を閉じ、自分のセーターに顔を埋めているのを、バルフレアは頬にキスをしながらその姿を楽しむ。

たった3日の留守番だが、よっぽど寂しかったのだろう、パンネロは潤んだ瞳で、じっとバルフレアを見つめている。バルフレアはやわらかな唇を優しくふさいだ。パンネロの手がすぐにシャツの袖をきゅっとつかんでくる。愛らしい仕草が、自分の帰りをどれだけ待ち望んでいたのかを伝えてくれて、いじらしさと愛おしさで胸が詰まる。

口づけはどんどん深くなる。舌を差し入れると、待ち構えていたかのようにパンネロの舌が絡みついていた。いつもより急いているような気がする。そんなに俺の帰りが待ち遠しかったのか?と今すぐ聞きたい。その答えをパンネロの口から直接聞きたい。だが、あまりにも熱心に口づけを返してくるので、それに応える方が先だとバルフレアはパンネロを抱く腕に力をこめた。

「ん……ぅん……」

パンネロが小さく鼻を鳴らした。腕の中の柔らかな体を掻き抱き、バルフレアは口腔の隅々までを舌で探る。寂しかったのは自分も同じだ。バルフレアはその隙間を埋めるかのように、唾液を送り込み、パンネロの舌に絡め、吸い上げる。

「ふ……あ、ぁ……」

ほんのわずか、口が離れた瞬間にもパンネロは愛らしい声を漏らす。あっという間にくったりと力が抜け、うっとりとバルフレアに口内を蹂躙させるに任せ、それでも袖を掴んだ指を離そうとはしない。

「もう酔っちまったのか?」

ちゅっと音を立てて鼻の頭にキスしてやると、目を細めて頷く。その様を見ながら、酔っているのは自分のほうだ、とバルフレアは思う。柔らかな毛糸で織られた自分の服に包まれ、バルフレアに早く体中を愛してほしいの、とうったえかけるパンネロは本当に愛らしい。まるで雲のような衣裳に包まれた甘やかな体を味わいたいと、バルフレアはセーターの襟を、指先で、くい、と引っ張った。

「あ、ダメ……!」

パンネロが驚いたように声を上げた。

「襟が伸びちゃう……バルフレアのお気に入りなのに……」

突然の拒絶に驚いたが、パンネロはバルフレアのセーターを痛めてしまうのではないかと心配なようだ。そうなると、バルフレアの悪い癖が頭をもたげてくる。パンネロをもっと困らせたいという、戯れに小さな生き物をなぶり、いじめるて楽しむ肉食獣のような質の悪い癖だ。にやり、と口の端を上げて笑うと、

「俺は構わないさ。」
「で、でも……もう、しわくちゃ……あ!あん…!」

不意にパンネロが甲高い声を漏らした。バルフレアが健気な抗議を最後まで聞くはずもなく、襟をさらに引っ張り、そこにふるん、と現れた白い膨らみにの先端にくちづけたのだ。

「やっ……ん……あぁ……んん、っ……ダ、メ……っ……」

パンネロは思いがけない刺激に手の甲で口を覆う。バルフレアは構わず、ぴん、と尖った可憐な乳首にそっと歯を立てた。

「……あぁ、……バルフレア…………っ」

白い柔らかな生地から覗くまろやかななふくらみに、バルフレアが吸い付く様子は、パンネロにはひどくなまめかしく見えた。

「や、や、…っ!ね、お願い……待って…ぇ……っ……」

言葉で抗うものの、キスだけで蕩けてしまった体では強く拒絶することはできない。それを良いことに、もう片方の手がセーターの裾から中に潜り込み、無遠慮に反対側の胸を揉みしだく。

「んっ…、あ、…だめって……あっ……ぁん、ね……お願っ、……」

ふっとバルフレアの顔が離れた。襟からはみ出したような乳房と、まるで花の蕾のように赤くなったその先端が唾液に濡れて光っていて、パンネロは慌ててきゅっと目を閉じた。セーターの中から腕が引きぬかれ、バルフレアがゆっくりと体重をパンネロの体にかけてきたのを感じた。

「俺は、構わないって言ってんだろ?」

そう耳元に囁くと、耳たぶに歯を立てた。

「きゃ…ぁ……、んっ!」

それだけで背中をゾクゾクとして感覚が駆け上がり、バルフレアの胸に顔を押し付けた。そのまま耳たぶを舌で嬲られ、パンネロは体をぴくぴくと震わせる。

「ふっ…ん、だ、ダメって……あ、もう…っ、毛玉…できちゃう…でしょ…」

セーターのことが気になればなるほど、何故か体が敏感になってしまい、耳への愛撫だけでパンネロは息を弾ませる。このままではいけないと、なんとかバルフレアの体を押しのけようとするのだが、大きな体はびくともしない。バルフレアは構わず、今度は襟から手を潜らせ、乳房を手で覆い、やんわりと揉みしだく。

「ぁ…ん……っ」

パンネロは甘い息を漏らした。揉みしだきながら、バルフレアの指は先端を人差し指と薬指で挟み、てっぺんの小さな領域を中指で擦る。

「あっ!あっ!ぁ、はぁ……っ、ん……だ、め……っ」

3日ぶりにバルフレアに抱かれて、バルフレアの愛撫と与えられる快感に身も心も委ねたいのに、意地悪なバルフレアはわざとセーターを乱暴に扱い、そのくせパンネロの敏感なところを執拗に責めるのだ。もう我慢の限界だと、理性を手放そうとしたタイミングを見計らって、バルフレアはセーターの襟をぐい、と強く引っ張り、顕になったもう片方の乳房に吸い付く。

「んっ!……あ、あ、やぁっ、そんな……引っ張っちゃ、もう……、ダメ、ダメ……ぇ……っ……」

引っ張られた襟はいびつな形で左右に引っ張られ、パンネロはなんとかそれを止めさせなければと思うのに、両の乳首を同時に指先で撫でられ、舌でねぶられ、びくびくと体を跳ねさせることしかできない。

「そんなに暴れると、服が傷んじまうぜ。」

胸を愛撫していた唇が離れたかと思うと、直ぐさまそんな意地悪を言ってパンネロを困らせる。

「も…ぉ…!バルフレ…ア……っ!」

愛撫の最中だというのに、上目遣いで頬をふくらませてバルフレアを窘めようとするのは、見ているだけで笑みがこぼれそうなほどかわいらしい。

「パンネロが大人しくしてればいいんだろ?」

そう言って、セーターの裾を腰の辺りまでまくり上げ、そのまま小さなショーツの脇をつかんで引き下ろした。

「やっ!」

パンネロは思わず半身を起こし、バルフレアの手を掴もうとしたが、すぐに大きな体に阻まれ、組み敷かれた。バルフレアの顔が、自分の顔のすぐ真上にあった。パンネロがぎゅっと唇を噛み締め、バルフレアを睨んでくる。

「そんな顔をしたって、かわいいだけだぜ。」

バルフレアはニヤリと笑うと、固く閉じられた太ももの間に手を潜りこませた。

「だめっ!」
「思ったとおり、びしょびしょだ。これじゃあ俺の服が汚れちまうな。」

からかうように言われ、パンネロはぎゅっと目を閉じて顔を伏せた。そこはもう愛液があふれていて、ぬるりとバルフレアの指先を濡らした。バルフレアの指はくすぐるかのように秘裂を何度か往復し、それだけで手はしっとりと濡れそぼった。パンネロはもう抗議することもできないのか、セーターの袖口をきゅっとつかみ、その手で声を漏らすまいと口を覆ってしまう。

「そんな風に意地を張ったところで、俺を煽るだけなんだが?」

あんまりな言葉にバルフレアに文句の一つでも言ってやる!という決意をこめてパンネロは目を開いたのだが、艶めかしい瞳でじっと自分を見つめる視線に射抜かれ、すぐさま視線を反らせてしまう。羞恥のあまり、涙が出そうだ。同時に、淫らな感覚がこみ上げてきて。

「パンネロ?」

胸がドキドキと鳴り響き、パンネロはまた唇をきゅっと噛み締めた。目と鼻の先に整った顔があり、それが悩ましげに自分を見つめているのに、心臓が壊れるほど高鳴る。知らず、パンネロは小さく頷いていた。それは、触って、という言葉の代わりだ。

「いい子だ……」

もう意地の悪い響きはなかった。優しく言って、バルフレアは顔を背けたパンネロの頬にキスをした。淫らな谷間に指を這わせ、ぴったりと閉じられた柔らかな淫唇を、左右に押し開いた。にちゃっと水音がし、粘液が糸を引く感覚にパンネロは身を震わせた。

バルフレアはびっしょりと濡れそぼった秘裂を指や手の甲で何度も撫でた。じんわりと焦らすような動きに、パンネロの胸が大きく上下し、切なげに大きく息を吐いた。まだバルフレアじっと自分の顔を見つめている、その視線を感じると、それだけで顔も体も熱くなって、はしたないほど、秘所から蜜が溢れた。

「顔……、み、見ちゃ……イヤ……」
「いやだね。」

バルフレアはきっぱりと言い切る。唇を尖らせるパンネロに至極真剣な顔で、

「言ったろ?俺だって寂しかった。」

息が止まるかと思った。意地悪をされたかと思ったら、突然真剣な顔で寂しかったなどと言う。こんなにも自分を翻弄し、恥ずかしがらせて、

「それで……寂しかったなんて……ズルい……。」

見開かれた瞳の表面を涙が覆って、零れ落ちそうになる。さすがに意地悪が過ぎたかとバルフレアは下肢から手を離した。パンネロを優しく抱き起こした。セーターの肩の辺りを両手でつかんで引き上げる。パンネロは袖が抜けるように素直に両手を上げてくれたので、容易く脱がせることができた。まばゆいばかりのみずみずしい裸体に、バルフレアはフッと口元を緩めた。引き下ろしただけで太ももの途中に引っかかっているショーツも引き抜いてやる。

一糸まとわぬ姿になって、パンネロは胸と下腹部を手で覆う。恥ずかしがってはいるが、やっと服を脱がせてもらえてホッとしたようだ。バルフレアは恥じらう様を横目で眺めまがら、脱がせたセーターを床に落とそうとし――パンネロが汚れると目でうったえて来たので、ベッドサイドテーブルの上に置いた。

「脱がせてくれ。」

パンネロは頷くと、バルフレアの体を正面から抱きしめ、首に腕を絡めた。そのまま手を伸ばし、ベストの留め具と外し、シャツの背中のボタンを外す。ウエストの辺りのボタンは一旦体を離し、今度は胴に腕を巻きつけて外す。最後に手首をとって、カフスの外した。肩からベストとシャツを同時に引き抜いて脱がせた。筋肉でぐっと盛り上がった肩、腕、胸板が顕になると、パンネロはポッと頬を染めた。そしてはにかみながらも、うれしそうにキュッとしがみついてくる。バルフレアはパンネロに忙しなく口づけながら、片手で革のパンツのホックを外し、脱ぎ捨てるとパンネロを横たえた。

視線を絡め、何度も口づけ、舌を絡める。慈しみ、愛おしさを込めたキスだ。パンネロは幼い動物のようにかわいらしく、子供のようにあどけなく、そうして強く抱きしめて、体で押しつぶしてしまいたくなるほど劣情をそそる。華奢な体を抱きしめ、仕切り直しだと胸を愛撫し、恥骨の辺りを手で覆う。

「あっ………!」

恥骨の上にある花芯は、もうぴんと尖っていて、バルフレアの指が掠めただけでパンネロは甘ったるい声を漏らした。蜜壺から止めどなく溢れる愛液を指で掬い、そこに塗りつける。

「……ぁっ、……バルフレア……っ」

ゆるゆると指でそこを撫でると、パンネロはバルフレアの名を呼び、はっはっと短く息を吐いた。

「あっ……あっ……」

指をほんの数ミリ、小さな肉芽の上で滑らせるただけでパンネロは顎を反らせ、押し殺したような声を漏らした。こみ上げる快感がさざ波のように押し寄せ、溜まっていくのが見てとれた。弾けるその直前、パンネロは充填されていく快楽を丹念にたおやかな体にかき集める。その時のパンネロはこの上なく淫らで可憐だ。そして、突然花開くかのように達する。その瞬間を見るのが、バルフレアはたまらなく好きだ。

「ふっ……あ、ぁ、もう、ね……あ、あぁっ……」

か細い体を震わせ、ぐっと力が入ったかと思うと力が抜ける。もうすぐだ。

「い、…いい…の、も、っ…あ、…イッちゃう……の……」

唇をわななかせながら、甘えた声をもらし、バルフレアの胸に頬を擦りつける。

「あぁっ……あ、あぁっ……」

声がひと際大きくなった。小さな肉芽はバルフレアの愛撫で充血してパンパンに膨らんでいる。そこを、バルフレアは少し強めに摘んだ。

「――――あ、ぁぁぁあああ……っ!」

刺すような鋭い刺激にパンネロは体を仰け反らせた。

「あっ、バルフレア…!バルフレア…!!」

びくびくと体を跳ねさせながら、バルフレアの体にしがみつくのをしっかりと受け止め、抱きしめてやる。

「ぁっ……や、あっ…ん……はぁ……」

余韻は長く続き、達してぴくぴくと痙攣する肉芽はバルフレアの指を押し返し、その刺激で快感がいつまでも続く。たわむれに、達したそこをもう一度摘んでやると、パンネロは悲鳴を上げた。

「ま、…待って……今は、ダメ……ダメなの……ぉ……!」

快楽の余り、涙をぽろぽろと零しながら、パンネロはいやいやと顔を左右に振る。バルフレアは手を離してやり、まだ余韻で体を小刻みに震わせているパンネロを横たえた。膝の下に手を入れ、足を開き、ゆっくりとその間に体を割り入れた。忘我の体だったパンネロは、はっ…と目を見開いた。

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