媚薬。(DDFF/R18)

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ライトニングの反応があまりにも激しいものだったので、フリオニールはゆっくりと指を引き抜こうとするが、ライトニングが思わずその手首を掴む。
「…あ……」
自分の行為に気付いて慌てて手を離し、シーツに顔を伏せてしまう。ライトニングの身体はまだまだ熱くて、彼女の意思とは裏腹にフリオニールの指を離すまいとぎゅっと締め付けているのに。どうしたものかとフリオニールが考えてると、
「…せ…。」
「え?」
達したあとの甘ったるい吐息はいつもより荒く、激しい。身体にまだ絶頂の残滓をその合間に途切れ途切れにライトニングが何かうったえている。
「灯り…を消…して…」
感覚が鋭敏になっているライトニングには、いつも以上の快感を与えられているところに、ランプのほの明るさすらすらまぶし過ぎてつらいのだ。
「わ…分かった…」
このままの姿勢だと手が届かないのでフリオニールは一旦ライトニングの胎内から指をゆっくりと引き抜いた。
「…あ……」
ライトニングは身体を震わせ、切なげな声を上げた。フリオニールは自分の手を濡らすその蜜の多さに驚いてしまう。ライトニングはとても辛そうだが、乱れに乱れ、それでもその感覚に抗おうとしている様はフリオニールの男としての情念を激しく燃え立たせる。どうすれば彼女と獣みたいに全てを忘れて快楽の縁まで落ちることが出来るのだろう、ふとそんなことを考えながらベッドサイドランプを消した。
部屋が暗闇で覆われたとき、ライトニングは闇が濃くどろりとした液体のように自分の身体を覆ったように感じで身震いをした。視界が奪われたことで、皮膚の感覚がよりいっそう鋭敏になったのだ。
「あ…あ、フリオ…!フリオニール…!」
得体の知れないものに身体を撫でられているような感覚がおぞましくて、フリオニールの身体を手探りで探す。
「ライト…ここだ。」
フリオニールはすぐにライトニングの手を取り、優しく引き寄せた。ライトニングはフリオニールにしがみついた。早くもっと愛して欲しい。もっともっともっともっとだ。フリオニールに抱きしめられて、触れ合っている部分はあのおぞましさを感じない。暗闇からの恐怖から守ってくれて、未だ激しく身体を焼くような淫欲を沈めてくれるのはフリオニールだけなのだ。
その時、背中に何か柔らかい物がぴた、と吸い付いた。
「ひ…っ…!」
ライトニングはそれだけで背中をしならせ、ますます強くフリオニールにしがみついた。
「ライト…どうした?」
「な…っ…なにか、居る…っ!」
背中に吸い付いた物は人肌ほどの温度を持ち、弾力のある柔らかいもので、ライトニングの背骨にそって下へ下へとゆっくりと降りていくのだ。
「…?何も居ないが……」
「何を…何を言っている…確かに…」
「気のせいだろ?香りのせいで、そんな風に感じるだけだ。」
フリオニールは事も無げにそう言うと、恐怖にわななき、振り返って自分の背中に触れる物の正体を見ようとするライトニングの顎を捕らえ、深く口づけた。
「んっ!んっ!んんんーっ!」
唇を塞がれたままライトニングは悲鳴を上げた。背中に吸い付いているあの感覚は間違いなく誰かの唇で、それは今度は腰の辺りから肩甲骨にかけて、ライトニングの背中をぞろり、と舐め上げたのだ。
「んんっ…!あ、ふ…フリオ…っ!」
暗闇で表情が良く見えないが、フリオニールの口元が笑ったのが分かった。と、またキスされた途端に今度はフリオニールの手が後頭部に回り、しっかりと固定され、ライトニングが逃げることを許さない。そのままライトニングの口内を舌で撫で、逃げ場のない舌を捕らえ、絡める。フリオニールの舌は狭い口内を巧みに蠢き、むさぼる。
ライトニングは恐怖のあまりフリオニールの胸を押し返し、身体を離そうとするが、そのたくましい腕はがっちりとライトニングを捕らえ、逆にきつく抱き寄せられてしまう。腰と腰が密着し、フリオニールの昂ぶりが太ももに押し付けられる。ライトニングはその熱を感じ、こんな訳の分からない状況で、それでもその熱を早く取り込みたいと強く願い、蜜がとろとろと太ももを伝うのを感じ、めまいを起こしそうだ。
背後に居る何かはざらざらとした舌で首筋、背中、脇腹を余すことなく舐め上げる。いやだ、おぞましいと感じても、身体は否が応でもその感覚を余さず拾い、快感としてライトニングの脳に伝える。助けを求め、フリオニールにうったえようにも唇は塞がれ、顔もロクに見えない。おかしい、と思う。いくら部屋が暗くても窓からわずかだが光りが入ってきているはずだし、暗いにしても目が慣れれば顔の輪郭くらいはぼんやりと見えたりするのに。その直後にライトニングはパニックに陥った。背後の何かが遂にその身体を押し付けてきたからだ。背中にその者の猛った雄を感じる。
(これは…いや、そんなバカな…)
背後に居るのはライトニングがよく知っている相手だ。
(じゃあ…これは…誰だ…)
ライトニングは必死で頭を振って、フリオニールから顔を離した。
「フリオニール!」
「ライト…どうしたんだ?」
「何をそんなに驚いているんだ?」
確かに感覚が鋭敏になっているせいで声は多重に聞こえてきていた。だが、今のは明らかに前後別の人物から言葉が発せられていた。
「フリオニール…お前…」
声が震えた。
「お前…が、二人…居る…」
闇の中でフリオニールがうっすらと笑ったのがわかった。まるで暗闇に唇だけが微かに輪郭を浮かび上がらせたようにライトニングには見えた。
「おかしなことを言わないでくれ。」
「きっと、香りのせいだ。」
どちらも確かにフリオニールの声だった。自分を抱きしめている腕も、背後にぴったりと寄り添う逞しい胸板も、確かにどちらもライトニングがよく知るフリオニールだ。
「いやっ………!」
背後のフリオニールが腕を回し、両手でライトニングの胸を優しく揉みしだき、捏ねた。時折先端を優しく指の腹で擦る。首筋に吸い付き、時にはそっと歯を立てる。耳たぶを優しく食み、舌で耳腔をねぶりながら自分を呼ぶ声はまさしくフリオニールのもので。
正面に居るフリオニールはライトニングに口づけ、その自由を奪う。舌でかき回され、唾液を流し込まれる。それはまるで強いアルコールのようにますますライトニングを甘く優しくその逞しい身体に縛り付ける。
「ん〜っ…!んん……っ!」
二人のフリオニールにがっちりと挟まれ、身体を跳ねさせることも声を上げることも出来ず、ライトニングはくぐもった声を漏らすだけだ。快感は触れられれば触れられるほどくっきりと身体に刻み込まれるようで、ライトニングはこんな異様な状況で、どうして自分が正気を保っていられるのかが分からない。
手が、おそらく正面から自分を抱きしめているフリオニールのだろう、その手が腹の上をなぞり、細い腰を撫で、ライトニングの尻に伸びた。
「んんんっ!はぁ、んっ……」
張りのある丸い二つのまるみをゆっくりと揉みしだく。二人のフリオニールの腕がライトニングの身体の上で交差し、身体の前と後ろの柔らかい双丘を同時にその大きな手で覆い、揉み、捏ねる。二人してライトニングの身体の柔らかい部分の感触を楽しんでいるかのようだ。だが、今のライトニングの身体はそれだけの刺激ではもう物足りないのだ。逆に焦らされているようでそれが苦しい。早く早く早く、と頭の中はそれでいっぱいだ。その時、ふと唇が解放された。
「はぁ……っ!」
ライトニングは息継ぎをするかのように大きく口を開け、肩で息をした。
「ライト。」
背後のフリオニールが優しく耳元に息を吹き込みながら囁きかける。
「どうして欲しいんだ?」
それを受けて正面に居るフリオニールがライトニングの額に額を合わせ、瞳を覗き込みながら、
「言っただろ?ライトが欲しがってさえくれれば、俺はいくらでも与えることが出来るって。」
ライトニング耳たぶを囓りながら、背後のフリオニールが更に続ける。
「ライトの口から、ライトの声で聞きたいんだ。」
フリオニールの声はまるで魔力のようだ。抗えず、何もかもを投げ出して懇願したくなる。思う存分犯して欲しい、めちゃくちゃにして欲しいと、そう叫びたくなる。だが、ライトニングは戦士としての訓練を受けてきた。こんなおかしな状態を受け入れることなどとても出来ない。ましてや香りのせいで淫らになって、フリオニールに懇願するなんて。
「離……せ……。」
声を絞り出すだけでも息苦しい。だが、確かめずには居られない。これは本当に幻覚なのか、それとも。
「…ライト…」
二人が同時に呆れたように呟いた。
「本当に止めていいのか?」
「正直に言ってくれないのか?」
だって、怖い。
「怖がらなくていい。」
「頼むから今は強がらないでくれ。」
俺たちを受け入れてくれ。」
重なった声にライトニングの中で違和感を察知するセンサーが大きく反応した。
「今、なんて……あぁっ!」
ライトニングが悲鳴を上げたのは、正面に居るフリオニールがライトニングの膝を割り、その足を自分の肩にかけるようにして大きく開いたからだ。ライトニングがベッドに派手に崩れ落ちないように背後のフリオニールが優しくライトニングの身体を受け止めた。
「 は、離せっ……!」
暗闇の中なのに秘められたところに両のフリオニールの視線を感じる。見えるはずがないのに、この異様な状況だとそれすらも怪しくて。正面に居るフリオニールはライトニングの身体を折りたたむようにして顔を近づけてくる。唇が触れ合うほど顔が近い。背後のフリオニールは相変わらず耳元に唇をつけ、その吐息がライトニングの耳をくすぐる。恥じらいと違和感と恐怖でパニックに陥っているのに、唇にフリオニールの唇から漏れる吐息が当たる度に身体は切なくうずき、その厚ぼったい唇で自分のを覆い耳たぶを噛んで、さっきのように同時に存分に蹂躙して欲しいと思ってしまう。
「ライトは強がりだな。」
「でも、そこが…可愛い…」
いつものように言葉は優しく、行動とは裏腹にはにかみがちだ。足を開き支えている方のフリオニールが内ももに唇をつけ、そっと吸い上げた。
「あぁっ!」
ライトニングは呆気なく声を上げ、脚をぴん、と跳ね上げた。フリオニールはそのまま内ももに舌を這わせ、筋肉の流れに添って唾液でラインを引き、時折その張りのある感触を楽しむように吸い上げ、歯を立てたりする。背後から胸への愛撫も再会され、ライトニングは身体を震わせ、跳ねようとする身体を背後から押さえこまれ、足首をがっちりと掴まれてその自由すら与えられない。少しでも身体から快感を逃そうと背後のフリオニールの胸に後頭部を押し付けるようにして悶える。
「フリオ…っ!ぁっ!あぁっ!…やぁっ…!」
「ここも。すごく欲しがってる…」
「本当だ。シーツまでこんなだ…」
この暗がりでどうして見えるのかとか、今あからさまに二人で会話をしただろうとか、色々言いたいことはあるのだが、恥ずかしい箇所に顔を寄せられ、フリオニールが何かを話すときのわずかな呼気にもライトニングのそこはひくひくと反応してしまうのだ。
フリオニールは漸く内ももへの愛撫を止め、物欲しげに蜜を流し続ける下肢の付け根に顔をうずめた。
「んぁ……っ!」
幾重にも重なった襞の奥にある、濡れた花芯を指で押し広げると、舌を這わせる。
「はぁっ……あぁっ……んっ……!」
待ちわびていた刺激にライトニングは大きく背をのけぞらせた。そこに触れるフリオニールの舌はいつもよりもずっと熱くて、花芯に触れられる度にその熱を与えられ、そこが硬くどんどんと膨らんでいくのが自分でも分かった。背後のフリオニールもライトニングの身体を横たえると、ぴちゃ、といやらしい音を立てて痛いほど張り詰めている乳首を舌で舐る。
「……んっ〜〜……、ああっ……!」
えもいわれぬ快感が全身にさざ波のように広がる。さっきまでは強すぎる刺激に身体が跳ね、弾けそうだったのに。二人がかりの愛撫はどこまでもドロドロとしたこの暗闇に身体が溶けて交わるような深い深い快楽を与える。まるで全身が性器にでもなったかのようで、それは底も果てもなく、ライトニングはますますフリオニールを求める気持ちが強くり、ライトニングはこらえきれずにイカせて、と叫んだのだった。

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