その後の二人。【エピローグ】(DDFF/R18)

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「あっ?い、や、だっ、…フリオニール!」
さっきの決意はあっけなく崩れた。ライトニングはなんとかフリオニールが手首を掴んでいるのを引き抜こうとする。フリオニールの目の前で、足を開き自らを慰めるところを見せるなんて、これ以上恥ずかしいことはごめんだ。
「お前…が、いい……お前に触れられたい……」
いじわるをされればされるほど、どうしてだかフリオニールにすがり、甘えたくなる。うんとワガママを言って、いやだとダダをこね、そうしてお仕置きされたくなる。フリオニールもそう思っている。甘えて欲しくていじわるをしているのだ。だったら、彼の望み通りにすればいい。
「ライト……」
フリオニールが笑う。優しい笑顔なのに瞳が怪しく光っていて、これからの攻めを思って、ライトニングは身震いをした。フリオニールの右手はライトニングの秘部に指を引き抜いては奥へと突き立てている。
「俺は、ここにも触れたいんだ。」
フリオニールの中指が、つ、と尻をすべり、その奥に届いた。そして、後ろのすぼまった蕾を、指の腹でぬるり、とひと撫でする。
「ぁ、やあ……あぁ、あ……っ……!」
ライトニングは目を見開き、喉を反らせて嬌声を上げた。ライトニングが嫌がると思ったのか、フリオニールは後ろの蕾に指を入れようとはしない。きゅっと閉じられたそこを、尻を伝って滴り落ちてきた愛液を塗りこみ、指の腹でそこを中心に円を描くようにして刺激する。前と後ろ両方の孔を緩急つけて刺激され、腰が抜けそうなほどの快楽を生んだ。
「あぁっ!ふ、フリオ…だめ、あ……あぁ、ああ、あ!」
気が付くとライトニングは腰を高く上げていた。フリオニールの作り出す快楽は全身を駆け巡り、ライトニングは我を忘れ、声を張り上げてそれに溺れた。自分で自分を慰めるどころではない、シーツをぎゅっと掴み、頭をめちゃくちゃに振る。その度に胸が大きく左右に揺れ、髪の毛先からは汗が飛び散った。
「…フリオっ…!もう……っ!」
ぴん、と足をつっぱらせ、ライトニングは達した。フリオニールが蜜壺の中の一点をぐっと押し込んだ、そこから湧き上がった愉悦に、ふっと意識が遠退き、そのあとで脳天まで貫く、閃光のような快感がやってきた。
「あぁっ!あぁっ!フリオ…!フリオニール!!」
頭のてっぺんをベッドに擦り付けるほど背を大きく反らし、何度かひくひくと痙攣したあと、ライトニングはぐったりとベッドに崩れ落ちた。苦しげな息の下で、ゆっくりとフリオニールに手をのばすと、それに応えるようにフリオニールはライトニングを抱きしめた。
激しい絶頂に、ライトニングの身体はまだ小刻みに痙攣し、時折、あっ!と小さく叫んではフリオニールにしがみつく。そんなライトニングにフリオニールはますます駆り立てられる。さっき、彼女が自身で弄ることができなかった花芯に手を伸ばした。そこはまだぷっくりと膨らんだままだ。フリオニールはそこにそっと中指をあてがい、そこを中心に弧を描くようにしてゆるやかに撫でる。その度にツンとした甘い痺れが広がり、ライトニングは内腿をひくつかせた。
「……っ、ん……ぁ……」
敏感な部分ではあるが、さきほどの鮮烈な絶頂に比べるといくらかは穏やかだ。ライトニングは甘ったるい声をもらし、フリオニールにしがみついた。
「フリオ………」
「んん?」
「すごく……いい……」
そう言うと、ライトニングは大きく息を吐いた。さっきはそこを目掛けて快楽という快楽が我先にと集まってきていたが、今は、まるで大河の流れのようにゆったりと官能が流れ込み、昂っていく。ライトニングの言葉がうれしかったのか、フリオニールはライトニングを抱く腕に力をこめた。
「ライト……俺の方こそたまらない。」
自分はフリオニールにしがみついているだけで、何もしていないというのに?ライトニングはけぶる瞳でそう尋ねる。
「ずっと夢見てた。こうして君を抱きしめることを。ずっと、ずっとだ……」
ライトニングはゆっくりとフリオニールの瞳をのぞきこんだ。いつもの優しい光をたたえた琥珀色の瞳が穏やかにライトニングを見つめている。
(優しい……フリオニールだ……)
炭火のように温かい眼差しと、情熱的な言葉に心がふるえた。
「フリオニール……」
どちらからともなく、口唇を合わせ、舌をからめ合う。ライトニングは花芯からの刺激と、フリオニールの体温を同時に感じようと神経を研ぎ澄ました。小さな肉芽から波紋のように広がる快感と、フリオニールの鼓動がシンクロした瞬間、ライトニングはぴくん、と背をのけぞらせた。驚いて口唇を離したフリオニールに、ライトニングはまるでうわ言のようにささやきかける。
「ん……いい、はぁ、あぁっ……フリオ……」
フリオニールはゆるやかに刺激を送りつづける。視線が絡み合う。指先の陰核は弾けるのを待つばかりだ。花芽をぐっと押しこむ。
「ぁあっ――!」
目がくらむほどの愉悦が弾けた。すると今度はさっき達した蜜壺の最奥がきゅん、と甘く疼く。フリオニールの逞しいもので早く貫いて欲しいという欲求は強くなるばかりだ。フリオニールの欲望が尽きないように、ライトニングのそれもまた無尽蔵だ。
「フ…リオ……」
ライトニングはゆっくりと足を開いた。フリオニールは言葉の代わりにライトニングの下肢に身体を割り入れた。さきほどのからのライトニングの痴態に、フリオニールの雄は腹につくほどの角度でそそり勃っていた。それを2、3度軽く扱いてから、はしたないほど愛液を滴らせているそこにゆっくりと押し入れた。
「っ……ぁあ……あ…い…ぃ……」
待ち構えていたフリオニール自身がぬめぬめとした狭い道を押し広げ、奥へ奥へとのみ込まれていく。指とは違うずっしりとした質量を持つそれに、貪欲な蜜壺はそこから精を搾り取らんとばかりに一斉に絡みついた。
「…ライト……っ、すごい……」
フリオニールも息を荒げ、腰の動きを速めた。寄せられたフリオニールの眉間の皺が、ぞくぞくするほど艶めかしい。だが、ライトニングはそれを愛でる余裕はなかった。良すぎるのだ。フリオニールがぐっと腰を押し付け、逞しい剛直が奥に届く度に今まで感じたことのないような悦楽が止まらず、ライトニングは身体を小刻みに痙攣させながら、絶頂を迎え続けていた。
「……と、…まら、……ないっ……」
まるで弓が引き絞られるように、ライトニングは背中を何度も仰け反らせた。全身が快楽にからめとられて、瞬きすら自由にできないのに、腰だけはフリオニールの槍が引き抜かれると引き、押し入ってくると押し付ける。フリオニールはそれに力強い律動で応える。ライトニングの細い腰をがっしりと掴んでより深い所をぐっと刺激する。
「ライト……っ!」
完全に理性を失い、フリオニールの身体の下で乱れるライトニングは凄絶に色っぽい。フリオニールも次第に我を忘れていく。2人の激情が絡みあい、よりいっそうの快楽を生む。恍惚の嵐に放り込まれ、翻弄され、ライトニングは涙を流す。息は絶え絶えで声も出せず、鼻にかかった吐息をフリオニールの律動に合わせてもらすだけだ。
力の入らないライトニングの身体はそのままだと上へ上へとずれてしまうので、フリオニールはライトニングの潤みきった身体をしっかりと抱きしめていた。そのせいで、汗と、繋がった所からあふれた体液と、フリオニールの先走りの液が交じる。
フリオニールの肉棒はライトニングの蜜壺の入り口から再奥までをまんべんなく擦り上げ、そして最奥を突くのではなく、グリグリと抉るように動かした。もっと深い場所を犯したいと、フリオニールは繋がったまま身体を起こす。力の入らないライトニングの背に手を回して座る。胎内の奥深くにフリオニールを感じたいとライトニングは結合部を押し付け、身体を逸らした。すると、2人の間に挟まれていた乳房がふる、と上下しているのがフリオニールの目に飛び込んだ。口を開け、ライトニングの乳房ごと頬張るようにぴんと張り詰めた乳首をねぶる。
「フリオ…!それ、あぁ……だめ、イク……」
フリオニールはライトニングの身体を横たえて、乳首に歯を立て、片足を持ち上げ、より深く挿入する。ずん、と体重をかけて押し入ってきたそれに、ライトニングは目を見開き、絶叫した。
「あっ……すご……い、!」
ベッドに身体を投げ出し、無防備なまま晒されている腋にも舌をはわせる。
「やっ……あんっ、あっ!ああっ!フリオ……フリオニール!」
ライトニングは狂ったようにフリオニールの名前を呼び始めた。強すぎる快感で、まるで何もない空間に放り出されたように不安になったからだ。抱きしめられていることを忘れ、闇雲に腕を伸ばし、フリオニールを探す。フリオニールは逃げる身体を自らの身体で押さえると、
「ライト…!大丈夫だ!」
小さな頭を腕で包み、ライトニングを愛する心のすべてをこめて伝える。
「一緒にいる!絶対にだ!ずっとだ!」
涙と快楽でくしゃくしゃになった顔が、ふっと緩んだ。悦びに満ち、笑みを浮かべたライトニングに、嬉しくて涙が出そうだ。愛おしいよりも、もっと彼女を大切に想っている言葉はないのだろうかとフリオニールはもどかしくなる。せめてその言葉の代わりにと、ライトニングを強く抱きしめ、2人で同時に昇りつめた。それは2人が離れていた時間を忘れるほどの深い陶酔だった。
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ふっと良い匂いが鼻をくすぐった。ライトニングは激しい空腹を感じ、目を開いた。ベッドにフリオニールは居らず、部屋の扉が閉まる音がして、良い匂いがどんどん近づいてきた。
「ライト。」
ライトニングが目を覚ましたのに気が付いたフリオニールが声をかけた。手には大きな盆を持っている。まるで持ち運びできる小さなテーブルのように、それには短い4本の足がついていた。
フリオニールはそれを持ったまま、盆の上のポットや皿をひっくり返さないように身体を屈め、ライトニングにキスをした。
「朝飯だ。起きれるか?」
気だるく身体が重いが、空腹が勝って、ライトニングはシーツを胸元まで引っ張りあげ、ゆっくりと身体を起こした。ベッドヘッドに背中をもたれさせ、フリオニールが隣に座れるスペースを作ってやる。
フリオニールは大きな盆をライトニングの前に置くと、クロゼットからガウンを出し、ライトニングの肩にかけてやる。部屋のランクに合わせられたのか、薄く、濡れたように光る乳白色の生地に、袖にたっぷりとしたボリュームがある。肩にかけられたそれは、なめらかで心地よくむきだしの肩を覆ってくれる。
だが、ライトニングはぎゅっと眉を寄せ、運ばれてきた盆を注視している。真面目な顔をして料理を睨んでいるのがなんだかおかしい。フリオニールは盆を倒さないように気をつけてライトニングの隣に座ると、その肩を抱いた。
「朝食、気に入らないか?」
「いや……そんなことは……」
果物を搾ったジュース、サラダには赤や黄色の穀物や果実が添えられていて華やかだ。横に添えられたパンは干した果物や木の実が生地に織り込まれ、ご丁寧に粉砂糖が振りかけられている。素焼きの小さな瓶には手作りのジャムだ。だが、ライトニングの顔はくもったままだ。好き嫌いはなかったはずだし、文句のつけようのない立派な朝食だ。フリオニールの世界では贅沢とも言える。だが、フリオニールはその理由がすぐに分かった。
「ライト、ひょっとしてあのサンドイッチを食べたいのか?」
ライトニングが口唇を少し尖らせ、フリオニールを見上げる。サンドイッチが食べたかったのがバレたのが悔しいのか、わかっているなら何故とでも言いたげだ。
「ごめん。今、街道で手強いモンスターが暴れているらしくて。」
「それで物資が止まってるのか……」
ライトニングはフォークを手に取り、サラダに突き立てた。皿がカチャン、と小さな音を立てた。
「すまない…せっかくの朝食にケチをつけるつもりはなかった…」
「楽しみにしてたんだな。」
「そういう…わけじゃ……」
ライトニングは突き刺した青い葉を口元に運ぶ。柑橘系のドレッシングなのか、口の中を酸味のあるさっぱりとした味が広がる。だが、ライトニングの気持ちは晴れない。
「……ライト?」
「サンドイッチじゃなくて……」
「うん。」
「2人でかぶりつくのが……好きなだけだ。」
フリオニールはサラダを彩る、赤い小さな実を摘んで、ライトニングの口元に運ぶ。
「明日、ハントに行こう。」
「今日じゃダメなのか?」
「俺と一日、この部屋で過ごすより、サンドイッチの方がいいなら。」
ライトニングはいたずらっぽく笑うと、フリオニールが差し出した赤い果実に、カリっと白い歯を立てた。

おわり。

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