その後の二人。【エピローグ】(DDFF/R18)

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フリオニールが切羽詰まった様子に、ライトニングはようやくフリオニー自身を両手で立たせ、まるで口唇にキスする時と同じ仕草で裏筋の辺りに口づけ、ゆっくりと舌を這わせ始めた。竿の部分や先端に残った精液をきれいになめとる。その作業が終わるころ、フリオニールはシーツにを握りしめ、奥歯を噛み締めていた。ライトニングの身体を思う様むさぼりたい衝動を、最後の一線で堪えていた。
こんな風に愛情をこめてた舌戯にフリオニールの雄が反応しないはずがない。硬直し、直立した陰茎を、その先端からゆっくりとライトニングは口の中に飲み込んでいく。
「ライト……、ライト……」
フリオニールは熱に浮かされたように恋人の名前を呼び続ける。目の前に恋人がいて、自分を愛してくれるのがうれしい。反面、性器を口にふくまれ、愛撫されることに落ち着かなさも感じる。彼女に再会できて心からうれしいのに、目の前の欲望に溺れているようで。
「は…っ…う、……」
鈴口の小さな小さな穴を舌先がひらひらとくすぐったかと思うと、その入口に潜り込んできた。フリオニールは思わずうめき声を上げた。つんつんと控えめにそこをノックされ、狭いその洞にどうぞ入れてくださいとお願いされているようだ。ライトニングがその愛らしい唇の奥に隠している小さな生き物は、どうしてこんなに自分を気持ち良くしてしまうのだろう。
みるみるうちに下半身が熱くなる。熱はライトニングの舌を喜ばせたいと我先にそこをめがけて集まっているようだ。
「ラ…イト……もう…っ…」
さっき放ったばかりなのに、もう次の波が来ていた。それをやり過ごそうとフリオニールは頭を振り、天井を仰ぎ、息を荒くして熱を逃そうとする。ライトニングの言葉がなければ、とっくの昔に我を忘れていただろう。いや、今も限界だ。針はとっくに振りきれている。
「……ん……っ!」
そろそろ勘弁してもらえないだろうか、そう言おうとしたところで、ライトニングが鼻にかかった声をもらした。口淫をするライトニングを見るのはためらわれたので、なるべくそこを見ないようにしていた。だが思い切って目をやると、ライトニングは左手でフリオニールのモノを支えてそれを扱きながら、口を上下させていた。それだけでも扇情的なのに、ライトニングは右手を自らの下肢に伸ばしていた。もぞもぞと動く肩とその紅潮した頬を見て、ライトニングが何をしているかフリオニールはすぐに察した。
「ライト……っ……!」
どうしてライトニングが自分を愛撫しながら自らを慰めているのか分からない。どうして自分にはさせてくれないのだろう?だが、驚いた声で名前を呼ばれ、フリオニールを見上げたライトニングはどこか懇願するようで。混乱する頭で、とにかくライトニングのしたいように、と更に堪えることに決めたフリオニールだが、ライトニングのその様があまりにもみだらで。じゅぷじゅぷと音をさせて口唇がフリオニール自身を滑り落ちては上りを繰り返す合間に漏れる声だけで、その熱を今にもライトニングの口の中に放ってしまいそうだ。
「ふ……ぅ、……ぁ、…ああっ!」
突然ライトニングが背中をぴん、と突っ張って身体を震わせ、頭をのけ反らせた。それは淫靡さと清らかさの両方を合わせ持った表情で、フリオニールは興奮の最中にありながらも、これはライトニングに必要なことだったのだと妙に腑に落ちたのだった。
ライトニングもよほど高い極みに達したのだろう、絶頂の余韻にびくびくと身体が何度も跳ねさせる。が、口の中のフリオニールに歯を立てないように優しく舌で包む。だが、口唇で男根を愛しながら自らを慰めて達してしまったライトニングにフリオニールが興奮を覚えないはずがない。包んでくれた舌を押し返さんばかりに、一度放ったばかりとは思えないほどの精をライトニングの口内に吐き出した。
さすがにむせて咳き込むライトニングを慌てて引き寄せ、コップを倒しそになりながら、ベッドサイドテーブルの上にあった水差しから水を汲み、ライトニングの口元に当てる。ライトニングは素直に水を飲み、あっという間にグラスは空になった。
「…ライト……」
「怒るな。」
端的に言い放つくせに、ライトニングはまるで叱られたかのようにしょんぼりとした表情になる。
「ち、違うんだ……!驚いて……」
フリオニールは慌てて言うと、ライトニングの口の周りを拭ってやる。己の精液がライトニングの可憐な口唇の周りにこびりついているのが、とても申し訳なく思えてしまう。
「……驚いた、のか?」
ライトニングは瞳を伏せ、おずおずと尋ねる。
「うん。でも……」
言葉がするりと出た。
「うれしかった。」
ライトニングは瞳を伏せたままだが、両の口端を上げ、はにかみながらもうれしそうだ。
「でも、やっぱりびっくりした。聞いてもいいか?…どうして?」
「言わないとダメか?」
「……う〜ん……」
フリオニールは考えた。ライトニングは恥ずかしがっているようだが、
「うん。びっくりしたけど、うれしかったから。だから知りたいな。」
ライトニングはきゅっと瞳を閉じ、フリオニールにしがみついた。しばらく何も言わずそうしていたが、やがて、ぽつりと呟いた。
「……確かめたかった。」
「うん。」
「それと……ずっと後悔してた。」
「……?何を?」
「もっと……」
「うん。」
「……してやりたかったって……お前に。」
フリオニールは堪え切れずにライトニングを強く抱きしめた。
「……俺もだ。」
腕の中のライトニングがうなずいたのが分かる。
「ずっと考えてた。」
「うん。」
「君に、もっと、したいって。」
「お前が言うと、いやらしい。」
「ライトだって。」
ライトニングが怒ったのか照れたのか、胸の中でじたばたと暴れる。
「ずっと君を想ってた。」
その言葉にようやくおとなしくなる。
「ときどき、泣いてた。」
「ときどき?」
「ごめん。毎晩。」
ライトニングが吹き出した。そして顔を上げ、目を細めて愛おしげにフリオニールを見つめる。
「私なんか、一日中だ。」
フリオニールは微笑んで、ライトニングがしたように、頬を両手で包み、眉間に長い長いキスをした。ライトニングは心地よさげに目を閉じている。口唇が離れると、また額と額を合わせ、お互いの目をのぞきこむ。そのままどちらともなく身体を横たえしっかりと抱き合った。
「フリオニール……」
ライトニングがおずおずと名前を呼ぶ。呼ばれてすぐにフリオニールはライトニングの鼻先にチュッと口づけ、真上からその顔をのぞきこんだ。薄明かりに浮かび上がるその顔は、ほんのりと頬を朱に染め、涙がこぼれ落ちそうな瞳がじっとフリオニールが見つめている。きれいだ、と口に出そうになってシャントット博士の言葉を思い出し、あわててそれを飲み込んで、ごまかすように口唇をふさいだ。
「ふ……ぅ、……」
ライトニングは鼻にかかった声をもらす。先ほどの行為で2人とも興奮しきっていて身体はもう熱かった。お互いの熱を与え合うように肌と肌をぴったりと寄せ、口唇を合わせ、舌を差し入れ、くちゅくちゅと音を立ててからめ合う。その音は口の中と外耳の両方から聞こえてきて、それに煽られるようにしてより深くお互いをむさぼり合う。
口の端からあふれる唾液をすすり、舌でなめとり、歯や頬の裏、口蓋、舌の付け根、すべてを舌先で探り、擦る。もっと味わいたい、もっと深くまでだ。そう思うのに自分の舌が届かないもどかしさすら感じる。
フリオニールの手が2人の身体に挟まれ、押しつぶされている乳房を覆った。性急にもみくだしながら、指先で胸の突起を転がす。
「んっ……、んん……!」
ライトニングが思わず顔を横に振り、フリオニールから口を離そうとしたのだが、フリオニールは身体ごとのしかかってそれを押しとどめる。胸を愛撫しながら、口唇を解放させる気は少しもないようだ。飽きることなく口唇をむさぼりながら、片方の乳房をくにくにと揉みしだき、指と指の間にもう勃ち上がった乳首を挟んで扱く。
ライトニングは声を漏らすことすら許されず、息苦しさか快楽のためか、ポロポロと涙を零している。だが、苦しげなライトニングを見ても、フリオニールは己を止めることができなかった。会えなかった長い時間、そしてさっきのライトニングに慈しみをこめ、深く愛されたことが引き金となって、とても歯止めなど効かない。
胸を弄っていた手を触れ合ってる身体を押し広げるようにして下へ下へと移動させる。ぐっしょりと塗れそぼり、そのしずくをシーツまで滴らせているライトニングの秘裂に、ぬるりと指を滑らせた。
「ふぅっ……、ん……!」
指を何度か往復させると、先端のみだらな芽はぷくりと膨れ上がっていてた。フリオニールはなんの前触れもなく、そこをキュッと摘む。
「ん……ぅんんっ!」
もう充分熟れきっていたのだろう、それだけでライトニングはあっけなく絶頂に達し、押さえられた口唇の中でくぐもった声を上げた。フリオニールはさらに蜜を流しつづけているその源泉に指を差し入れる。そこはもう前戯の必要などないほど潤み、柔らかくとろけていた。ライトニングが苦しげに顔を横に振るのを、フリオニールはようやく解放してやる。
「フリオニール……!」
呼ばれたのは請われたからだと、フリオニールはライトニングの両の膝を乱暴に押し開き、その間に身体を割りこませた。鮮やかな赤と朱を帯びた花びらのような襞に、何度も精を放ったとは思えないほど、いきり立ったそれを押し入れた。
「あっーーーーーーー!」
叫んだかと思うと、そのあとは声すら出せず、ライトニングは喉を開いてのけ反った。挿入だけで達してしまったのだろう、ライトニングの秘部はうねうねとフリオニールの陰茎を絞り上げる。だが、まだ足りないと、それを振り切るように最奥に己を突き立て、引き抜いてはまたぐっと力を込めて挿す。
「ひっ!……うんっ…!…やっ……あ、ああっ!」
ライトニングは達したばかりの蜜壺に、まるで喉元まで達するような深い挿入をされ、悲鳴を上げた。シーツをかきむしり、無意識にフリオニールの身体の下から逃れようとするのを、大きな手が細い腰をガッと掴み、強く引き寄せた。
「ああっ!ああっ!」
身体を激しく揺さぶられる度に頭の中で火花が散るかのようだ。限度を超えた悦楽に、どこが絶頂なのかその切れ目すら合っという間にあやふやになる。
「んっ……うっ……んんっ!」
息もできないほどの激しい性交なのに、フリオニールはまだ足りないとライトニングの口唇をふさいた。比喩ではなく気が遠くなりりかけるが、フリオニールがライトニングが最も感じる小さな領域をかき回す度に意識は呼び戻される。
荒々しく、獣のようにフリオニールはライトニングを攻め、貪る。激しい攻めはまるで拷問のようだ。気を失うと無理やり覚まされ、さらに強い責め苦が待っているのだ。だが、ライトニングはそれにどうしようもないほど溺れ、幸福感を感じていた。もっとめちゃくちゃにして欲しい。フリオニールがそこをかき回し、抉ると、自分は恋人の思うがままに感じ、いとも容易く達してしまうのだ。フリオニールの満足のためにその身を投げ出すことのうれしさを、支配される悦びを、どう言葉にすれば良いのだろう。
「…リオっ……フリオっ……!」
口唇が離れるほんの僅かの間にその名を呼ぶ。苦しければ苦しいほど心は満たされる。どこまでもフリオニールに愛され、その灼熱を受け入れたいと切に思う。
「もっと………、あ、もっと……だ、……」
「ライト……っ!」
くすぶっていた熱が唐突に弾けた。真っ白な光の中に放り出されたようで、それは脳髄に焼きつくような鮮烈な快感だった。ライトニングはフリオニールの背中にしがみつき、爪を立て、歯を肩に突き立てた。腕の中のフリオニールはぶるっと何度も身体を震わせ、その度に温かい液体が、一番奥の奥に吐き出された。

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