まるで恋人みたいな。(FF12/R18)

この記事を読むのに必要な時間は約 14 分です。

「髪を梳かしてあげるわ。いらっしゃい。」
シャワールームから出てきたフランはそう声をかけてくれて、パンネロはネグリジェの裾をひるがえして、鏡台の前に座った。フランはパンネロの後ろに立つと、目の粗い櫛でほつれたところから、髪を引っ張らないように少しずつほぐしていき、それからブラシで梳かしていく。
「ありがとう、フラン。」
フランは微笑むと、毛先に脂肪分の多い果実から作ったヘアクリームを丁寧に塗り、それを髪の毛全体に行き渡るよう、今度は目の細かい櫛で梳く。フランの木製のメイクボックスには、遮光瓶やブリキの缶、ブラシ、櫛がきちんと整理され、収められているのが見えた。
(私もフランみたいにきれいになるなら、ああいうのが要るのかな。)
横目でちらりと箱の中に何が入っているのか見てみる。あの、小さな小瓶には何が入っているのだろう?フランのパンネロの髪の手入れを念入りにしてなかなか終わらない。申し訳無さを感じつつも、パンネロは鏡に映る自分の髪が徐々に艶めき、部屋の光を跳ね返して光るのがうれしい。
フランが櫛を箱に片付けたので、もう終わりなのかなと思っていると、梳かした髪に指を通し、仕上がりを確かめているようだ。髪を指に滑らせ、そしてじっと鏡越しにパンネロを見つめる。フランの指はやがてパンネロの頬に触れ、手の甲で首筋をくすぐり……パンネロはさすがに落ち着かなくなってきて、
「フラン……あの、ありがとう。ね、もうそろそろ休まない?」
自分を見上げ、それでも遠慮がちに言うパンネロを、フランは今度は直接見つめ返し、そうね、と頷いた。だが、指は首筋をつたい、顎に沿って上に上にゆっくりと上ってきて、パンネロの唇を優しく撫でた。
「ふ、フラン……」
「黙って。」
長い背を折り、フランはパンネロの耳元に囁いた。声はパンネロの耳を優しくくすぐり、体をふる、と身震いさせた。ドレッサー用の椅子には背もたれはない。この頃になると、フランの体はぴったりとパンネロに体に密着していて、豊かなバストを肩の辺りに感じ、パンネロは落ち着かない気持ちになる。フランは虫の繭からとった光る糸で織った薄い素材のタンクトップとフレアパンツにガウンの夜着でだ。パンネロは薄衣越しに弾力のあるバストトップの感覚もしっかりと感じていて、
(な、なんてフランに言えばいいの……?)
席を立ちたいのだが、いつの間にかフランの左腕が体に巻き付いていて、それは強い力でパンネロの動きを封じているわけではないのだが、耳にさっきからおかしな吐息を感じていて、パンネロはあまりにも驚いて身動きができなくなっていた。
「は……ぁ、……あぁ……」
フランの悩ましい声が吐息とともに耳に吹き込まれ、パンネロは体がカーッと熱を持つのを感じた。ショックのあまり動けないのだが、辛うじて眼球だけを動かし、そっと後ろを見ると、フランの手は自らの股間に伸びていて、もぞもぞと動いているのが見えた。
「フラン……」
「あぁ……かわいいわ、パンネロ……」
悩ましい声とともに、耳たぶをねろり、と舐められた。
「きゃっ……!」
驚きとショックで、パンネロはぎゅっと目を閉じた。そうすると、耳に響くフランの吐息が頭に直接響くようで、何が起こっているのかわからず、パンネロはただ時が少しでも早く過ぎてくれと、さらに固く目を閉じた。
吐息とともに、フランの体がゆっくりと波打ち、豊かなバストはゆさゆさと揺れながらパンネロの肩を優しく叩いた。
「あぅ……あ、はぁ……あっ!」
吐息がどんどん早くなっていったかと思うと、不意にフランの声が高くなり、体を大きく震わせた。
「あぁ……」
うっとりとした声と共に、優しく背後からパンネロを抱きしめる。何が起こったかわからないパンネロ、泣き出しそうになりながらも、フランの中で何かがピークを迎え、そして終えたことを感じた。
「フラン……お、お願い……もう離して、私……」
姉のように慕っていたヴィエラの謎の行動に、パンネロはこらえ切れず涙をぽろぽろと零しながら懇願する。フランは未だにパンネロを抱きしめたまま、今度は足を開き、パンネロの体を挟むようにし、そして、股間の、恥丘の辺りをパンネロの背中に擦りつけた。
「い、いや……フラン……」
フランの腰がゆっくりと上下する。パンネロの背中に、恥ずかしい所を擦りつけ、さっきより高い声を上げ始めた。
「フラ……ン、お願い……」
「……ごめんなさい。」
とろけるような声で、フランはパンネロの耳に囁きかける。
「あなた、とてもかわいいんですもの……我慢できないの。だから、先にさせて。」
「我慢……?」
「でも……安心して……このあとで、たっぷり愛してあげ……あ、あっ!」
ああ、と甘やかな声を上げ、フランが背をしならせ、喉を反らせた。パンネロは何が起こっていのかわからず、ただそれが自分の知らない大人の、何か性的なことだとわかり、慌てて席を立とうとしたが、フランが体ごとパンネロにもたれかかるように崩れ落ちてきて、前のめりにつんのめった。
「怖がらなくて、いいのよ。」
「きゃ…っ!」
パンネロが思わず声をあげたのは、フランがパンネロの形の良い耳たぶに優しく歯を立てたからだ。フランの手のひらがパンネロの顎をとらえ、優しく上を向かせた。その顔がもう涙でぐしょぐしょだ。フランはフッと笑うと、
「これはね、素敵なことよ。あなたは知らないから“怖い”って思っているだけ。」
「でも……」
フランにそう言われると、パンネロは自分が間違っているような錯覚に陥る。だが、亡くなった母親から、こういったことは、(その時は“こういったこと”がどんなことなのか、パンネロには予想もつかなかったのだが)大人になって、結婚してからだと教わったのだ。
「だめ、フラン……私が、もっと……大人になってから……」
「私のこと、嫌いかしら?」
それは違う、とパンネロは慌てる。大人になるとかそれ以前に、フランも自分も女同士ではないか。
「違うの。嫌いとかじゃ……」
言い終える前にフランの顔がゆっくりと近づいてきた。不思議な赤い瞳に映った自分の驚いた顔がどんどん近づいてきた。フラン独特の甘くて濃い体臭がむせかえり、気が遠くなりそうだ。ふっと口からもれた吐息が唇をくすぐったかと思うと、柔らかくて弾力のある塊がぴったりと自分の唇を覆うのを感じた。
(初めて……なのに……)
目を見開いて涙をぽろぽろと流すパンネロに、フランは優しい視線を送る。しばらく唇を合わせたあとで、フッと顔が離れた。
「……泣かなくて、いいのよ。」
「でも……でも……」
しゃくりを上げるパンネロの頬を伝う涙を、フランは優しく舌先で掬ってやる。
「ヒュムの男と、ヴィエラは違うでしょ?」
屁理屈だ、パンネロはそう思うが、フランが言うと何故か説得力があった。
「ああ、本当に、かわいいわね。」
フランは自分の頬をパンネロの頬に寄せ、そしてまたキスをする。フランは今度はパンネロの唇を存分に味わう。唇を舐め、舌が歯に触れ、その表面を舐める。
(え?これってキスじゃ……)
お芝居でも物語でも、口づけは唇と唇を合わせるだけだ。なのにどうしてフランは舌を自分の口の中に入れようとするのだろう。驚きで歯を食いしばるパンネロの歯を、フランは丹念に舌でなぞる。
「ふ……」
だんだんと息が苦しくなってきて、息継ぎをしようとほんの少し口を開いた隙をぬって、フランの舌が自分の口の中に潜り込んできた。あ!っと思って咄嗟に舌を奥に引っ込めたが、それはあっという間にフランの舌に囚われた。
「んんっ……!」
舌を絡めとられた瞬間、どうしてだか下腹の、自分でも触れたことのない場所がつん、と疼いた。
(や……やだぁ……)
フランは繰り返しパンネロの舌を吸い上げ、口蓋を舐め、思うままその口内を蹂躙する。息が苦しくて鼻で息を吸うのだが、その度にフランの匂いを吸い込んでしまい、意識が朦朧としてくる。
フランは唇を離そうとしない。丹念に長い時間をかけ、パンネロの口の中を舌で探り、自分の吐息と唾液を送り込む。
(は…なして……)
女性同士とか、ヒュムとヴィエラとか、嫁入り前とか、それ以前にもう息が苦しい。フランの口づけは執拗で、いつまでも終わることがない。男性経験のないパンネロが、それがヴィエラの性交そのものがそうであることを知るのは、もう少しあとのことなのだが。
(もう……だめ……)
ふっと意識が遠のきかけ、椅子から崩れ落ちそうになった体をフランが抱きとめてくれた。
「あ……」
思わずその体にしがみついてしまう。フランはそのままパンネロの軽々と抱き上げた。
「ふ、フラン…!」
「ベッドに行きましょう。そこで、一晩中愛してあげるわ。」
「ひ、一晩中!?」
フランはパンネロをベッドに下ろすと、起き上がってベッドから下りようとするパンネロの細い手首を容易く捉え、そしてその豊満な体を華奢な体の上に重ね、また唇を重ねる。
(ああ……また……)
また、長い長い口づけをされた。フランは急かすことはしない。今度は自らの唇でパンネロの下唇を挟んだり、甘噛をしたり。唇を歯と歯茎くらいしかないそこを、何百通りもの舌使いで愛撫し、パンネロがこらえ切れず口を開くのを待つ。ほんの僅かでも口が開いたが最後、舌が入り込み、今度は延々と口内を愛撫される。
キスだけで何度も気が遠くなりかけ、何も考えられなくなる。逃げ出すことも、誰かに助けを求めることも思いつかないまま、どれくらいの時間、唇を貪られたのだろう。
スッと肌の表面を冷たい風が撫でた。
「きゃっ……!」
驚いて目を開けると、いつの間にか手首を縛られ、ベッドヘッドに括り付けられたいた。夜着はいつの間にか脱がされている。
「や、フラン…!なにこれ……離して!」
フランはベッドに腰掛け、まるで風邪をひいて寝ている子どもに言い聞かせるように、
「いい子にしていて、パンネロ。今からあなたを可愛らしく、飾ってあげるから。」
「で、でも…!私、ハダカ……」
「ええ、本当にきれいよ。」
会話が噛み合わない。さっきからずっとだ。
(フランは…いつも私が話しかけたら……ちゃんと話を聞いてくれるのに……)
フランは、ベッドサイドテーブルの花瓶に生けられた花をとると、花びらを千切ってはパンネロの体の上にのせ始めた。小さいが、張りのある乳房と、その上に花の蕾のような乳首の上、腹の上や、陰毛がきれいな逆三角形を象る辺りに丁寧に。
しっとりとした花びらを肌の上にのせられると、最初はひんやりとして、パンネロはその度に体を跳ねさせてしまう。すると、普段あまり表情のないフランの口元が、心なしか緩むのだ。
「どうして……こんなこと、するの?」
「初めての夜だもの。あなたをきれいに飾りたいの。」
「それから、どうするの?」
フランはパンネロの鼻の上に人差し指を置くと、
「ヒュムとヴィエラが愛し合うには、準備が要るのよ。」
「……準備?」
「私たちはヒュムとまぐわうことは出来るけど、その欲はヒュムよりずっと強いし時間も長いの。だから、あなたの体をゆっくり慣らすの。」
「慣らす……?」
「私たちが愛し合うために。」
目を細め、パンネロの幼い裸身を愛でていたフランがドレッサーに置いてあったメイクボックスを持ってきた。中から透明のボトルを取り出すと、ポン、という音と共にコルクの栓を抜いた。
「それ、な…なにっ……?」
「あなたの好きな果実からとったオイルよ。」
フランはパンネロの胸に顔を近づけると、ふぅ…と息を吹きかけて、乳房の上に散らされていた花びらを飛ばした。それからオイルの入ったボトルをパンネロの胸の真上まで持ち上げ、ゆっくりと傾けた。細い細い線を引いて、瓶の口からオイルが垂れ、パンネロの乳首の上に滴り落ちた。
「きゃっ……やん!」
オイルはまるで菓子の上にかけられたシロップのように、パンネロの乳首から乳房に広がり、流れ落ちていく。
「今度は、こっち。」
「い…いや…っ!フラン!」
パンネロの制止などお構いなしに、フランは反対側の胸にもオイルを垂らした。
「今から、あなたの胸を愛してあげる……でも……」
フランはその細く長い指で、そっとパンネロの乳首に触れた。
「今から咲く花の蕾みたいね…淡い色で、とてもきれい。」
「フラン……離して……これ、解いて……」
「胸も、右と左が同じ形……きれいだわ……」
「やだ……やだ……フラン、お願い……聞いて……」
フランはゆっくりと手のひらでオイルを塗り広げた。
「きゃ…ッ、や…やだやだ!」
「一晩中、ここをいじって、愛してあげる。でも、ここはとてもデリケートだから、だからオイルを塗ってあげたの。」
フランは瑞々しくも、柔らかい曲線を描く幼い乳房をゆっくりと揉みしだき始めた。
つづきます。