年上の人。(ヴァン✕フラン)(FF12/R18)

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ヴァン✕フランです。一度書いてみたかった若い男の子と年上の女性。


「あれ?バルフレアは?」
バルフレアとフランの部屋を訪れたヴァンは部屋を見回し、フランに尋ねた。
「飲みに行ったわ。それより、部屋に入るときはちゃんとノックをなさい。」
ヴァンは今さらながら、フランが部屋着、しかもとても薄い、ほとんど肌が透けるスリップ一枚だけだったことに気付いた。褐色の肌よりひときわ濃い色の小さな乳首がレースから透けて見え、ヴァンは息を飲んだ。
「ご、ごめん!」
慌てて部屋を出ようとするヴァンを気にもとめず、フランはガウンを羽織った。
「気にすることないわ。ここで待ってなさいな。」
ヴァンは振り返りもしない。
「あのさ、フラン。そんな格好でそばに居られたら、俺、落ち着かないし。」
おや、とフランは興味深げにヴァンを瞬きもせず見つめる。子どもだと思っていたのに。フランはベッドに腰掛けると、ヴァンを手招いた。
「なんだよ。」
「彼がいなくて退屈なの。少し話していかない?」
「ヘンだ。」
「どうして?」
「……フランは、そんなことを言ったりしない。」
思っていたほど単純な子どもではないようだ。では、正攻法だ。
「そうね。あなたを誘っているのよ。」
「……マジかよ。」
「女に、恥をかかせるものじゃないわ。」
ヴァンが小さく何かを呟いたが、フランの耳には届かなかった。
「私が、うんと年上だから、イヤかしら?」
すると、ヴァンが驚いたように顔を上げた。
「なぁに?」
「そんなの、関係ねーだろ?フランは、きれいだ。」
フランは目を丸くしてヴァンを見て、そして、フフッと声を上げて笑う。
「なんだよ。」
フランはカウンをはだけ、肩を見せた。
「好きよ、ヴァン。」
ヴァンの喉が鳴った。
「来て。」
言われるまま、ヴァンはフランの前に立った。だが、どう動いていいのかわからない。棒立ちのまんまだ。フランが腕を伸ばした。ヴァンはその腕と自分の腕を交差させるようにして、フランの体に倒れこみ、そのままベッドにもつれ合うようにして横になった。
頭の装飾具の間から覗いた額が前髪にかくれて、フランをいつも以上に大人っぽく見せていた。豊かな髪がヴァンの肩や腕にかかってくすぐったい。果実酒のような色の瞳が、じっと自分を見つめているのに、ヴァンの鼓動は高鳴るばかりだ。
「ふ、フラン……」
フランは優しくヴァンの頬を撫でた。それだけでヴァンは何かを堪えるようにぎゅっと目を閉じた。
「目を閉じないで。」
ヴァンがおそるおそる目を開ける。
「私を見るの。」
ヴァンが眩しそうに目を細めた。フランはゆっくりと顔を近づけると、きゅっと閉じた唇に自分のを合わせた。かたく結ばれた唇を舌先でくすぐると、顔を背けようとする。その頬を両手で包み、逃げられないようにすると、フランは唇を舌で開き、すべすべとした前歯を舌先でくすぐった。
「誰か、思っている女の子がいるのかしら?」
唇を離し、からかうように言われ、ヴァンはムッとしてフランに自分の顔を押し付けるようにして乱暴に唇を塞ぎ、舌をねじこんだ。
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胸のふくらみをつかみ、押しつぶすような乱暴な愛撫を、フランは何も言わずただ受け入れた。余裕のある仕草が、まだ性的には幼いヴァンを苛立たせる。どうすればいいのかわからない。よくわからないから、こみ上げてくる猛り狂った熱を目の前の美しいヴィエラに叩きつけることしかできない。
「…っ、痛く、ないのかよ。」
「痛いわ。」
「じゃあ……っ!」
思わず声を荒げるヴァンの唇の上に、フランは優しく人差し指を置いた。ヴァンの熱が一瞬だが、鎮まる。
「優しくして。」
言われるまま、力任せに揉みしだいていた手を緩め、力を抜いてみる。フランの手がヴァンの手の位置をずらし、ぴん、と尖った胸の先端に導いた。
「ここも。」
そっと指先で転がしてみると、フランが小さく、あ。と、声を漏らした。
「こ、こうか?」
「ええ。」
ぎこちなかった愛撫が、フランの吐息と、ゆっくりと大きく上下しだした胸に背を押されたかのように、滑らかになっていく。フランは、いい子ね、と言わんばかりに頭を撫でてやる。
ヴァンはやがて、突き動かされるかのように、まるで木の実のように楕円形にふくらんだそれを、フランに言われた通り、優しく口に含み、舌先で転がしてみる。
「……あ……!」
片手で、むっちりとした胸を揉みしだく。フランが顔を伏せた。普段の取り澄ました表情とは違い、艶めかしいその媚態に、ヴァンの胸が熱くなった。
「目、閉じるなよ。」
ヴァンは胸から顔を離し、ぐっとフランの顔に自分の顔を寄せる。
「フラン、きれいだ。」
フランが目を見開いた。そのままヴァンをじっと見つめる。
「きれいだ。」
心の底から、なんのためらいもなく告げられた言葉に、フランからも笑みがこぼれる。
「ありがとう、ヴァン。」
自然に唇が重なった。ヴァンがフランに恋したのだ。同じようにフランもヴァンを愛おしく感じた。そうして交わした口づけは、お互いの心も、お互いを隔てていた硬い殻をも簡単に溶かしていまうものだった。
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ヴァンはかわいかった。何度も先に達してしまったのに、フランがほんの少し手助けをするだけで、すぐに勢いを取り戻し、挑みかかってくるのだ。
フランを貫いている若い男根は萎えるということを知らなかった。女神のように美しいヴィエラを相手に、その欲望はとどまることはない。最初はただむきだしの欲望で押し入り、目もくらむような射精の快感にだけ突き動かされていたが、何度か欲望を放ったあと、フランの導きで、何度かに一度はフランを喜びの極みに導けるようにはなった。
フランはうっとりと、嵐のような陶酔感に浸った。ひたむきで一心に求められる甘美な陶酔に、何度も声を張り上げ、遂には背中に爪を立てた。
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「……何をしているの?」
ヴァンは一生懸命、自分の背中を鏡に映そうとしている。健やかで、生命力にあふれた裸体がフランには少しばかり眩しかった。
「背中がヒリヒリして、さ。フラン、思いっきり引っ掻いてたろ?」
フランはクスリと笑うと、ヴァンを手招いた。ヴァンは大人しくベッドに戻ると、シーツに潜り込んで、フランを抱きしめた。ああ、本当にかわいいと、フランは思う。
「薬をつけてあげるわ。」
「いいよ、大したことないし。」
「じゃあ、どうして傷を見ようとしたの?」
ヴァンはうれしそうに笑みを見せる。少し誇らしげな顔にフランの胸が高鳴る。
「なんかさ、うれしかったんだ。最初は俺ばっかり気持ち良かったけど、これって、ちゃんとフランも良かったってことだろ?」
フランがまたくすくすと笑う。ヴァンにはフランが何故笑っているのかがわからない。
「……違うの、か?」
「いいえ、間違ってないわ。」
ただ、かわいいと思っただけ、という言葉をフランは飲み込む。ヴァンが自画自賛するように、筋は悪くない。初めてにしては上出来といえよう。
「あなたの恋人も、ちゃんと満足させてあげるのよ。」
まるで母親みたいだ。そうだ、これは母性と好奇心から生まれた性愛だ。年齢も違う、種族も違う、住む世界も違う、そんな年若いヒュムと自分が恋人になるなど、フランはこれっぽっちも思ってはいなかった。
しかし、ヴァンの反応は違った。心底驚いた、という顔をして、まじまじと自分を見るのだ。
「何かしら?」
「う…ん……」
まさか、本気になったわけではないだろう。頭の中がソレばっかりのお年ごろだ。それに、ヴァンにはかわいいガール・フレンドもいる。そうだ、あのかわいいヒュムの少女のためにも、今夜のことは口止めしておかないと。そう思ったとき、ヴァンがフランにキスをした。
それはフランの気持ちを再び昂らせようとするかのようなキスだった。唾液をたっぷりからめ、しっとりと舌を絡める。
「……ん、……ふぅ……ん……っ」
フランは思わず鼻にかかった声をもらし、ヴァンの体にしがみついた。銀の糸をひいて唇が離れると、ヴァンは苦しげにささやいた。
「他の女とか、言うなよ。」
フランは黙ってヴァンを見つめる。
「俺だってさ、わかってるよ。フランは俺に本気じゃないって。でもさ、今はフランが好きだ。きっと、ずっと好きだ。」
その言葉に、体がふわりと浮き上がったような気がした。心地の良い春の風が吹き抜けたような、ウキウキとした気分だ。
「私は、あなたの特別?」
「うん。」
当たり前だ、と言わんばかりに即答された。
「うれしいわ。」
ヴァンの腕がゆっくりと胸と、そして下肢に伸びてきた。腿に、熱い塊が当たっている。
「あ……ん……」
フランは、巧みに自分の体を愛撫するようになったヴァンを優しく見つける。
「……いいのか?」
感じてるかどうか聞いてくるなんて、野暮もいいところだ。だが、ヴァンの場合は特別だ。
「ええ、とても…上手になったわ……」
ヴァンがうれしそうに唇を重ねてきた。フランはうっとりとそれを受け入れ、部屋の外で入るに入れずにいる相棒に、悪いわね、と心の中で詫てから目を閉じた。
おわり