仲が悪い。(FFRK)

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FF12のアーシェとFF13のライトニング。仲が悪くてケンカばかりの2人の話。
※キャラクター崩壊注意!!
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「FFヒロイン・ビューティ・コンテスト?」
「うん、なんでもこの世界の歴史省が開催するんだって。」
「私はそんなチャラチャラしたイベントには興味ない。」
「……だよね、そう言うと思った。」
予想通りのライトニングの反応に、セラはフフッと笑って、
「“その美しさだけでなく知力、強さ、優しさも競うクポだって。」
Dr.モグかわい〜♪などと言っているセラをライトニングはウチの妹の方が一番かわいいと思いつつ、
「セラも出ればいい。」
セラは驚いて、手を左右に振ってみせ、
「無理無理!だって、みんなお姫さまでしょ?……まぁ、全員エントリーされてるんだけどね。」
「私もか!?」
「そうだよ。」
不機嫌になるライトニングを横目に、セラは手に持ったコンテストの概要を読み、うっとりと目を細めた。
「きっと華やかなんだろうなあ……ほら、お姉ちゃんといつも本気でけんかしてくれてるアーシェさん?あの人だって、王女さまでしょ?前に見た「絵画の記憶」の結婚式、すごくきれいだったし…ロイヤルウェディングっていうのかな。素敵だよねぇ……」
(アーシェ…だと……?)
この世界で、ライトニングとアーシェはものすごく仲が悪い。だが、その理由が、たとえば息抜きに行ったカラオケでお互いの18番の曲がかぶり、マイクの取り合いからライトニングの雷光剣とアーシェの天鼓雷音稲妻斬が正面からぶつかり合い、カラオケボックスと参加したバッツやジタンを黒焦げにしたり、FF女子会と称した食事会では、唐揚げの最後の一個を巡って拳と拳で殴り合うという大乱闘を繰り広げたのだ。
ただ、けんかの原因がごく些細なこと、しかもカラオケ18番だの唐揚げだの嗜好がかち合っているところから、「けんかするほど仲が良い」と周りは受け止めている。けんかの原因のどうでもよさや、普段の2人を知っている者たちが想像もつかないような罵詈雑言の数々、お互い手加減なしで全力でけんかをしているのに多少は引きつつも、暖かく見守っている状態だ。
また、けんかは凄まじいものがあるのだが、貶めるのは相手のみ。家族や仲間や触れてはいけないところはわきまえているようだ。また、お互いの嗜好が似ているため、そこにも触れずに絶妙なバランスでいがみあっているのも面白い。
ただ、本人たちにしてみると、お互いの
「顔が気に入らない。」
「声が気に入らない。」
「言動が気に入らない。」
「服装が気に入らない。」
「何もかもが気に入らない。」
理屈じゃないんだ殴らせろ!な、理屈も理性も超えたところに原因があるのだ。もう、名前を聞いただけで、
「あいつに負けてたまるか。」
となるのだ。
「セラ。出かけるぞ。」
「どこへ?」
「スノウと、ホープも呼べ。」
ライトニングはタッセルのついたボックスバッグを手にとり、ピンクのライダースジャケットを羽織り、強い決意に満ちた表情でセラにこう言った。
「買い物だ。」
つづきます。