バルフレア(FF12)×イリーナ(FF7)

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「最初にリプが来たキャラとその次にきたキャラでカップリング」というタグから。ANNEさんのリクエストで、FFRKのバルフレア(FF12)×イリーナ(FF7)


「きれいな金髪だ。」
いきなり髪に触れられた。なれなれしい、イリーナはそう思って眉を潜めた。
「気安く触らないでもらえますぅ?」
確か、バルフレアという名だったと思う。イリーナはできるだけの不快感を表情に出し、自分とは異なる世界から召喚された英雄の1人を睨みつけた。それでもタークスに名を連ねる者として、相手の観察は忘れない。自信家、洒落者、軽薄、そんなネガティブなキーワードでイリーナの頭の中はすぐに埋まった。女性を見ると片っ端から声をかけていたのも、この男を好きにはなれない理由だ。
時代錯誤の銃を背負っている。前時代的で洗練されていない、イリーナはそう思った。そんなイリーナの思惑に構わず、バルフレアはイリーナのスーツ姿を、文字通り頭から足元まで不躾に眺めた。
「どうして男みたいな格好をする?あんたの世界ではそうなのか?」
「私の所属するチームではみんなこうです。」
「黒を着て裏稼業に精を出す女ってのはいいな。」
自分の立場や職務を見抜かれたのに、そっぽを向いていたイリーナは驚いてバルフレアを見た。
「すぐ顔に出るんだな。少しは見なおしてもらえたようだが?」
にやにやと笑いながら、体を屈ませて顔を覗き込んでくる。イリーナは反射的に、その男の腕を取って、体をうんと屈め、姿勢を低くする。急に重心が変わり、体勢を崩したバルフレアに、そのまま、きれいな背負投を決めてみせた。
「手加減はしましたよ。」
イリーナはツン、と顎を反らせてへたり込んでいるバルフレアを見下ろした。
「あなたみたいなタイプ、嫌いなんです。」
そう言い捨てると、バルフレアを残し、スタスタと歩いて行ってしまった。バルフレアはやれやれ、と乱れた髪を直す。
「どの世界の女も、口説き甲斐があって困るな。」
立ち上がり、ズボンについた土埃を念入りに払った。そして、あの黒いスーツのストイックさを、実はかなり気に入ってることを今度はどう伝えようか、そんなことを考えた。